地質学雑誌
Online ISSN : 1349-9963
Print ISSN : 0016-7630
ISSN-L : 0016-7630
110 巻 , 4 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
論説
  • 伊藤 久敏, 谷口 友規
    2004 年 110 巻 4 号 p. 197-203
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/01/07
    ジャーナル フリー
    長崎県の古第三系である杵島層群の砂岩を用いてジルコンとアパタイトのFT年代測定を行った. ジルコンのFT年代を統計的に処理した結果, 杵島層群の推定される堆積年代 (30~35Ma) と一致する年代が得られたことから, 様々な年代をもつ粒子群からなる砂岩を用いた場合でも堆積年代が推定できることを示した. また, 砂岩中には60Ma程度の年代を示すジルコンがあることを見出し, 同様のジルコンのFT年代が得られていることから, これらのジルコンを供給したのは, 距離的にも近い背振山地周辺の白亜紀花崗岩が候補として考えられることを示した. さらに砂岩中のアパタイトのFT年代として23.8±5.2Maが得られたことから, 調査地域周辺の古第三紀の堆積盆は, この年代以降現在まで100℃を越えることはなかったと推定した.
  • 中嶋 雅宏, 中山 勝博, 百原 新, 塚腰 実
    2004 年 110 巻 4 号 p. 204-221
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/01/07
    ジャーナル フリー
    岐阜県多治見市大洞地区の中新統土岐口陶土層の堆積相を調査し, そこに含まれる植物化石の組成, 堆積構造, 堆積物の粒度組成を調べた. ここでは, 10堆積相が認定でき, 湖沼・湿地に近接した網状河川システムが復元された. このことから, 砂・泥の卓越する河川~湖沼・湿地の堆積環境が, 東海層群下部の陶土層の堆積盆地に共通していることが明らかになった. さらに, 大型植物化石の産状から, 植物片の運搬・堆積過程について考察した. 1) 洪水流堆積物中の大型植物化石には, ベッドロードとして堆積するものと, 浮遊沈降して堆積するものが存在すること, 2) 両者の違いは, 植物片の大きさ, 細毛表面といった形態の違いに左右されること, 3) 植物化石は, 水理学的淘汰を受けて堆積したこと, 4) 洪水流堆積物は3タイプに区別でき, 植物化石をもとに, それぞれの洪水流の水理環境を推定できること, が明らかになった.
  • 尾上 哲治, 永井 勝也, 上島 彩, 妹尾 護, 佐野 弘好
    2004 年 110 巻 4 号 p. 222-236
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/01/07
    ジャーナル フリー
    九州・四国のジュラ紀新世~白亜紀古世付加体である三宝山付加コンプレックスから産出する玄武岩の産状・岩相及び岩石学的特徴を記載し, 化学組成 (主成分元素, 微量元素) を検討した.
    玄武岩類は, 主に泥質岩および玄武岩質火山砕屑岩基質中に岩塊として産出し, interpillow limestoneを伴う枕状溶岩と塊状溶岩, 玄武岩角礫岩, ハイアロクラスタイトから構成される. 玄武岩の産状からは陸源砕屑物の堆積場で噴出した証拠は認められない. 変質による移動が少ないと考えられている元素 (Ti, Zr, Nb, Y) を用いた地球化学的判別図では, 多くの玄武岩がTi, Nbに富む海洋島玄武岩 (OIB) に類似する. したがって, 三宝山付加コンプレックスの玄武岩は, 太洋域でのプレート内火成活動によって形成された海山に起源を持つと考えられる.
  • 奥澤 康一, 久田 健一郎
    2004 年 110 巻 4 号 p. 237-243
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/01/07
    ジャーナル フリー
    房総半島南部の下部中新統嶺岡層群八丁層および中部中新統佐久間層群から, 砕屑性クロムスピネルが新たに発見された. 両層群から得られた砕屑性クロムスピネルは, 化学組成の傾向が互いに似ており, それぞれ低Tiグループ (TiO2 < 1 wt%) と高Tiグループ (TiO2 > 1 wt%) に区分される. 低Tiグループのクロムスピネルの大部分は, 嶺岡型蛇紋岩に含まれるものと化学組成が類似しており, さらに, 背弧海盆かんらん岩起源であると考えられる. しかし, 一部の低Tiグループは嶺岡型蛇紋岩に含まれるものよりもCr#が高く, 前弧域のかんらん岩もしくはボニナイトから供給された可能性がある. 高Tiグループのクロムスピネルは, 嶺岡帯, 葉山帯, 小仏帯, 瀬戸川帯に分布するアルカリ玄武岩もしくはピクライト玄武岩に含まれるものとその化学組成が類似している. これらの砕屑性クロムスピネルの産出は, 嶺岡帯のオフィオリティックな岩石が, 前期中新世もしくはそれ以前に定置したことを示している.
総説
ノート
口絵
feedback
Top