地質学雑誌
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118 巻, 9 号
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特集 東北地方太平洋沖地震:統合的理解に向けて(その3)
論説
  • 小平 秀一, 富士原 敏也, 中村 武史
    2012 年118 巻9 号 p. 530-534
    発行日: 2012/09/15
    公開日: 2013/01/26
    ジャーナル フリー
    2011年東北地方太平洋沖地震では,海溝軸周辺までの断層破壊に伴う海底変動が大きな津波の原因と考えられているが,地震に伴う断層運動の上限は正確に見積もられておらず,巨大津波の成因は未解決のままであった.そこで,海溝軸周辺の海底地形変動を明らかにするため,地震発生直後にマルチナロービーム音響測深機により取得した海底地形データを,地震前の海底地形データと比較した.その結果,海溝陸側で海溝軸まで及んだ大きな偏差が確認された.この偏差から地震に伴う海底変動を見積もったところ,海溝陸側が東南東方向に50 m水平に移動して,10 m隆起していると推定された.この大きな水平変動によって,海溝軸陸側の急斜面では,実効上10−20 mの大きな隆起をもたらし,数値モデリングによると,この変動が今回の地震に伴う巨大津波の原因と考えられる.
総説
  • 澤井 祐紀
    2012 年118 巻9 号 p. 535-558
    発行日: 2012/09/15
    公開日: 2013/01/26
    ジャーナル フリー
    2011年に発生した東北地方太平洋沖地震による津波以降,過去に発生した未知の超巨大津波の痕跡を研究する要望が高まってきた.本論では,新たに津波堆積物に従事する研究者や事業者を意識し,これまでに行われてきた古津波堆積物に関する研究を総括する.古津波堆積物の候補となる地層は,静穏な環境に堆積する泥炭層や泥層の中に見られることが多い.古津波堆積物の候補となったイベント堆積物は,層厚や粒度の変化,化石類,環境変化の同時性などによって総合的に評価され,津波堆積物であるかどうかを判断される.認定された津波堆積物の年代測定は,放射性炭素年代測定,過剰Pb-210法,Cs-137法,光ルミネッセンス法などによって行われる.特に放射性炭素年代測定では,測定物試料に十分注意しなければならない.例えば,津波堆積物の直上や直下から得られた大型植物化石や昆虫化石は信頼性の高い値を示すが,所謂bulk sampleでは信頼性の高い年代値は得られない.このような過去の津波堆積物の分布を平面的に追うことで,当時の最小限の浸水範囲を知ることができる.ただし,浸水域の復元には当時の海岸線の位置を考慮する必要がある.
論説
  • 堤 浩之, 遠田 晋次
    2012 年118 巻9 号 p. 559-570
    発行日: 2012/09/15
    公開日: 2013/01/26
    ジャーナル フリー
    2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震(Mw 9.0)によって東北日本弧の応力場が大きく変化し,誘発地震が多発している.2011年4月11日の福島県浜通りの地震(Mw 6.6)は,これまでに発生した最大の内陸地殻内誘発地震である.この地震に伴って,従来推定活断層と認定されていた湯ノ岳断層や井戸沢断層の西側トレースに沿って明瞭な正断層型の地震断層が出現した.地震断層の長さはともに約15 kmであり,最大上下変位量は前者が約0.9 m,後者が約2.1 mである.井戸沢断層の西側トレースのトレンチ掘削調査では,ひとつ前の活動時期が12500〜17000年前と求められ,869年の貞観地震の際に活動した痕跡は見出せなかった.2011年4月の福島県浜通りの地震は,海溝型超巨大地震に誘発されて活動する内陸活断層が存在することを示すと共に,変位地形が不明瞭な推定活断層もそのような状況下で大地震を発生させ得ることを示した.
通常論文
論説
ノート
  • 浦本 豪一郎, 清家 一馬
    2012 年118 巻9 号 p. 582-587
    発行日: 2012/09/15
    公開日: 2013/01/26
    ジャーナル フリー
    Straub et al. (2009) suggest a metric that allows the quantitative detection of compensational stacking in channelized deposits based on a model whereby the standard deviation of channelized deposit sedimentation rate obeys a power-law function within a given measurement time window. Here, we outline this Straub method and use it to analyze channel deposits stacked within ancient rocks exposed in terrestrial outcrops. A power-law exponent, termed the compensation index κ, can be an indicator of the degree of compensational stacking, where κ = 1.0 for perfect compensational stacking, κ = 0.5 for random stacking, and κ = 0 for anti-compensational stacking. The κ values estimated from stratigraphic cross-sections across submarine-fan successions of the lower Kiyosumi Formation of central Japan can account for the stacking patterns of the channel deposits, and indicate that a combination of the Straub method with the examination of stratigraphic cross-sections allows for an improved understanding of the compensational stacking of channel deposits.
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