地質学雑誌
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119 巻, 11 号
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論説
  • 小竹 信宏, 亀尾 浩司, 奈良 正和
    2013 年 119 巻 11 号 p. 701-713
    発行日: 2013/11/15
    公開日: 2014/06/03
    ジャーナル フリー
    沖縄県西表島に分布する中新統八重山層群西表層最上部の地質年代と堆積環境を検討した.西表層最上部は内側陸棚までの海進と干潟までの海退がセットとなる4つの堆積サイクルで構成される.石灰質ナンノ化石が生痕化石Thalassinoides suevicusの充填物からのみ検出され,西表層最上部は中期中新世初期(CN4帯:14.91 Ma~13.53 Ma)であることが判明した.充填物に石灰質ナンノ化石を含むT. suevicusは,サイクル境界から下位側の堆積サイクルに伸長するものに限られた.この理由は,1)充填物中心部はコンクリ-ション化や風化の影響を受けなかった,2)石灰質ナンノ化石を含む高海面期の海底表層堆積物が生痕内部に流下した,そして3)生痕が堆積物深部に形成されたため,生物攪拌作用や物理的海底浸食による破壊を被らなかった,といった好条件が重なったためと考えられる.生痕化石充填物中の微化石群は,地層年代を考察する際に重要である.
  • 鴈澤 好博, 高橋 智佳史, 三浦 知督, 清水 聡
    2013 年 119 巻 11 号 p. 714-726
    発行日: 2013/11/15
    公開日: 2014/06/03
    ジャーナル フリー
    跡津川断層の断層ガウジから分離した石英を用いて,OSL法とUV-TL法を利用した断層年代測定を試みた.まず,300°Cでのアニール実験からOSLのFC(速成分)とTLのシグナル消失条件を検討したところ,OSLでは300°C,20秒で,UV-TL270°C領域では300°C,12~30秒で消失した.トラップ寿命(τ)の評価でも,同様な結果が得られた.LM-OSLから測定石英は速成分に卓越するF型とそうでないdim-F型に区分された.ドーズリカバリーテストからF型の線量復元能力が高いことが示され,これをOSL年代測定に用いた.80アリコットから得られた単純平均年代は0.2±0.2 kaであった.跡津川断層に起因する飛越地震の時代は1858年であり,OSL年代はこの年代と標準偏差誤差内で重なる.
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