地質学雑誌
Online ISSN : 1349-9963
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121 巻, 1 号
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論説
  • 竹内 誠, 大川 真弘, 川原 健太郎, 冨田 覚, 横田 秀晴, 常盤 哲也, 古川 竜太
    2015 年 121 巻 1 号 p. 1-17
    発行日: 2015/01/15
    公開日: 2015/05/19
    ジャーナル フリー
    富山県北東部の白亜系陸成層は岩相対比のみで手取層群に対比されており,正確な堆積年代が不明だった.それらの陸成層のうち,水上谷層砂岩より約123 MaのジルコンU-Pb年代を得,また水上谷層とその上位の黒菱山層は約109 Maのジルコンを含むデイサイトに貫入されることから,水上谷層と黒菱山層の堆積年代はアプチアンであることがわかった.そして,これらの地層は北陸地方西部の手取層群の最上部の後野層や別山谷層に対比した.また,尻高山層と内山層(新称)は,同時異相で,先白亜系を不整合に覆い,親不知層に整合に覆われる.尻高山層と内山層の砂岩から約110 Maのジルコンが得られ,手取層群より若い地層であることが判明した.
  • 柿崎 喜宏, 古山 精史朗, 狩野 彰宏
    2015 年 121 巻 1 号 p. 19-34
    発行日: 2015/01/15
    公開日: 2015/05/19
    ジャーナル フリー
    大分県に分布する津井層(上部ジュラ系)中の礁性石灰岩の岩相と化石相を定量的に検討した.層厚35 mのセクションの中で,生物相は下部のサンゴ−層孔虫主体の群集からレクイエニア亜目の厚歯二枚貝(Epidiceras)とケーテーテスを含む群集へと変化する.石灰岩の岩相,サンゴ群体の骨格の形状,造礁生物の構成要素から,堆積環境は炭酸塩マウンド上に存在した貧栄養の静穏な極浅海域であったと考えられる.Epidicerasはサンゴとともにセクション上部で厚さ0.5-1.5 mのバイオストロームを作る.津井層のEpidicerasのバイオストロームの産状は三畳紀のメガロドン目のもの,白亜紀のレクイエニア亜目のものと類似する.一方,愛媛県の鳥巣式石灰岩から報告された初期のヒップリテス亜目の産状とは大きく異なる.このことは,厚歯二枚貝の生態が出現してから比較的早い時期にすでに多様化していたことを指示する.
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