紀伊半島東部,三重県朝柄地域の中央構造線沿いに分布する珪長質火山砕屑岩からなる朝柄層と付随する黒雲母トーナル岩のジルコンU–Pb年代測定を行った.朝柄層の層序を再検討し,下位より,松葉谷流紋岩質凝灰岩部層,上出流紋岩質凝灰質砂岩泥岩互層部層,不動谷流紋岩質凝灰角礫岩部層,中出流紋岩質凝灰岩部層に層序区分した.松葉谷流紋岩質凝灰岩部層からは96.1±0.9 Ma,上部の中出流紋岩質凝灰岩部層からは91.7±1.3 Maの年代を得た.これらの年代から,朝柄層は紀伊半島西部から淡路島に分布する泉南流紋岩類に対比される.一方,付随する黒雲母トーナル岩からは79.9±8.9 Maの年代が得られ,この年代は松葉谷流紋岩質凝灰岩部層の約78 Maの小クラスター年代に類似する.このことは黒雲母トーナル岩が松葉谷流紋岩質凝灰岩部層の近傍で約78 Maに貫入し,熱水変質作用を伴った弱い接触変成作用を起こしたと考えられる.
北海道内で行われた膨大な地盤ボーリング調査データおよびそれらに付随するN値測定データを用いて,北海道における表層30 mまでの地質の3次元構造を求めた.さらに,地質学的手法だけでなく,電気探査等の地球物理学的手法によって得られたデータも用いることで,浅部地盤構造の推定精度を高めることを試みた.これらにより,これまで地形学的データにより推定されることの多かった地表下30 mまでの平均S波速度(AVS30)について,地質学的に妥当な結果を得ることができた.求められた強震動予測データは,日本国内の地震減災に大きく寄与することが期待される.