日本老年医学会雑誌
Print ISSN : 0300-9173
15 巻, 3 号
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  • 大沢 仲昭
    1978 年 15 巻 3 号 p. 173-176
    発行日: 1978/05/30
    公開日: 2009/11/24
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  • 福島 保喜
    1978 年 15 巻 3 号 p. 177-180
    発行日: 1978/05/30
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
  • 1978 年 15 巻 3 号 p. 181-214
    発行日: 1978/05/30
    公開日: 2009/11/24
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  • 後藤 京子
    1978 年 15 巻 3 号 p. 215-227
    発行日: 1978/05/30
    公開日: 2009/11/24
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    一農村地区の40歳以上の成人を対象とした循環器疫学調査を行ない, 随時採血法による血漿レニン活性 (Plasma renin activity 以下PRAと略す) を経年的に測定し, 脳心事故発生とPRAの関連について検討した. 48年度正常血圧者325名, 高血圧者161名, 49年各々86名, 108名, 50年は206名, 110名について, 受診時坐位血圧測定後, 随時採血し, Radioimmunoassay 法によりPRAを測定した. 正常値は, 正常血圧群のPRA平均値±標準偏差により算出し, 正常範囲より高い値をとるものを高レニン群, 低いものを低レニン群と分類した. 高血圧群では, 正常レニン群64%高レニン群13%低レニン群23%で, 低レニン者の占める率が, 正常血圧群の12%に比して有意に多かった. PRAと収縮期圧とは, 3年間の測定を通して, 正常血圧群および高血圧群をも含めた全対象で, 常に有意の逆相関を示した. 拡張期圧とは, 48年の全対象, 50年の正常血圧群と全対象, 年齢とは, 49年の正常血圧群と全対象で有意の逆相関がみられた. 心胸廓比, 血清尿素窒素, コレステロール, 眼底変化等とレニンレベルとは, 相関はみられなかったが, 心電図でST-T変化の強いものが, 高血圧, 高レニン群で多くみられた. 観察期間中, PRA測定後に脳心事故のあった, 13例につき, 性, 年齢および血圧を同条件にした対照群とχ2-検定を行った結果, 高血圧高レニン群ついで高血圧低レニン群に発症が多く, 正常レニン群では少ないという結果を得た. 重判別分析によれば, 脳心事故発症・非発症の判別には, 収縮期血圧についで, 高レニンが判別に関与していた. 従来の危険要因にPRAを加えることにより脳心事故発症の予測率が向上することが認められた. 疫学的調査において, 血圧測定に加えてPRAを測定することが, 有意義であることを認めた.
  • ことに血管内凝固症候群に合併した急性心筋梗塞の臨床的特徴について
    上田 慶二, 杉浦 昌也, 平岡 啓佑, 大川 真一郎, 三船 順一郎, 村上 元孝, 松田 保
    1978 年 15 巻 3 号 p. 228-234
    発行日: 1978/05/30
    公開日: 2009/11/24
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    老年者の血管内凝固症候群 (DIC) に合併する急性心筋梗塞 (AMI) の頻度とその臨床的特徴を明らかにするため, 老年者連続剖検例中その急性期を観察し, かつ剖検によりAMIを確認しえた53例 (男28, 女25, 年齢66~93歳, 平均78.2歳) を, 凝血学的にDIC所見を呈したI群と, 同所見を認めなかったII群に分け, 両群について臨床所見, 経過ならびに死因などを比較検討した.
    成績は以下の如くであった. 1) 症例数はI群 (DIC群) 12例 (22.6%), II群 (非DIC群) 41例 (77.4%) であり, 両群の年齢分布はほぼ同様であった. 2) AMIの初発症状の出現頻度は, 胸痛を訴えた例がI群33.3%, II群46.7%であったが, 無痛性梗塞例については, 呼吸困難 (I群8.3%: II群15.6%, 以下同様に示す). 低血圧ないしショック (16.6%:13.3%), 中枢神経系症状 (8.3%:4.4%), 不整脈 (0:4.4%), 無症状ないし症状不明例 (33.3%:15.6%) であり, I群において初発症状の非典型例が多い傾向がみられた. 3) 血清酵素値の典型的上昇を認めた例はI群16.6%, II群57.6%で, I群において酵素値上昇が非典型的である例を多く認めた (p<0.01), 4) 典型的な心電図変化とその経過を示した例はI群33.3%, II群69.7%であり, I群に心電図診断の不一致例と診断不能例を多く認めた (p<0.05), 5) 死因のうち心臓死はI群33.3%, II群80.5%で, I群では非心死を多く認めた (p<0.01), 6) AMI発症後2週間以内の急性期死亡はII群に多く, I群では2週間以後の死亡例を多く認めた. 老年者剖検例において, AMI 53例中12例に凝血学的にDICの合併を認めたが, これらの例においては, 臨床症状, 血清酵素値の変動や心電図変化が, AMIとして非典型的である例の多いことが特徴的で, かつ非心死が多いことを示した.
  • 古堅 宗範, 田村 武雄
    1978 年 15 巻 3 号 p. 235-244
    発行日: 1978/05/30
    公開日: 2009/11/24
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    成人男子14名を対照とし, 脳出血23例, 脳梗塞16例, クモ膜下出血11例の急性期において髄液および血清の fructose-1, 6-diphosphate aldolase (ALD), lactic dehydrogenase (LDH) を測定して以下の如き結論を得た.
    1) 酵素活性値 (M±SE) は対照で髄液のALD 1.9±0.2, LDH 23.7±3.2, 血清ではそれぞれ6.0±0.4, 272.4±15.5U/ml. 脳出血で髄液のALD 9.3±0.9, LDH 175.6±29.8, 血清でそれぞれ12.5±1.5, 426.2±31.4U/ml. 脳梗塞で髄液のALD 2.9±0.4, LDH 32.7±7.1, 血清でそれぞれ8.2±1.0, 370.4±34.6U/ml. クモ膜下出血で髄液のALD 6.8±1.3, LDH 58.3±17.2, 血清でそれぞれ10.0±2.9, 344.8±41.9U/mlであった.
    対照に比して, 脳出血で髄液および血清のALD, LDHが, 脳梗塞で血清LDHが, クモ膜下出血で髄液のALD, LDHが有意に高値であった. さらに脳出血は脳梗塞に比して髄液のALD, LDHが有意に高値であったが, 血清酵素活性は両疾患で差異をみなかった.
    2) 脳出血で初回検査時23例中9例 (39%), 経時的観察で5例 (21.7%) が清澄髄液であった. 脳出血を血性 (14例), 非血性髄液群 (9例) に分けた. 両群ともに髄液ALD, LDHは脳梗塞に比して有意に高値であった. 血清では血性髄液群のLDHが脳梗塞より高値であった.
    3) 脳出血患者の重症群は軽症群に比して, 髄液ALD, LDHは有意に高値であった. 一方, 血清では両群間に差異はなかった.
    4) 脳出血患者で髄液, 血清の酔素活性の最高値は発作7日以内にみられた. 正常値への回復は髄液で血清よりも遷延する傾向がみられた.
    5) 脳血管障害全体および脳出血で, 髄液ALDと髄液蛋白量, 髄液ALDおよびLDHと髄液細胞数の間に相関が認められた. 脳梗塞およびクモ膜下出血ではこれらの間に相関をみなかった.
    6) 脳血管障害全体でALD, LDHそれぞれの髄液, 血清の活性に相関がみられた. 疾患別では脳梗塞でALDのみが相関した.
    以上の成績より, 髄液のALD, LDH測定が脳血管障害の鑑別診断, 予後判定に役立ちうることを認めた. しかし髄液あるいは血清の酵素活性上昇の機序については, なお今後の検討を要する.
  • 長谷川 治, 木村 耕太郎, 広田 達哉, 高杉 昌幸, 井林 博
    1978 年 15 巻 3 号 p. 245-250
    発行日: 1978/05/30
    公開日: 2009/11/24
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    福岡市内の地域成人病健診受診者を対象に血清中酸性ムコ多糖 (acidic mucopolysaccharide, AMPS, glycosaminoglycan) を榎村らの少量検体による簡便測定法を用いて測定した.
    健康者群においては有意の年齢差, 性差は認められなかった. 疾患群では高血圧症群, 動脈硬化症群, 高脂血症群では健康者群に比して有意の増加を示し, 肝疾患群においては有意の低下を認めた. また動脈硬化症群においてAMPS濃度とコレステロール, 総脂質, β-リポ蛋白の各脂質値との間には相関性を認めなかった.
  • 野間 昭夫, 岡部 紘明, 蔵本 築, 村上 元孝
    1978 年 15 巻 3 号 p. 251-259
    発行日: 1978/05/30
    公開日: 2009/11/24
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    高齢者における血清化学成分の正常値 (基準値) を設定する為の試みとして, 多数の患者検体成績を Hoffmann 方式に従って統計的処理を行なった.
    対象には都立養育院病院の外来及び入院患者を性別, 年代別に分類し, 各群約1500例を用い, 同時に老人ホーム健診, 老人ホームへの新入寮時健診及び若年健常者における結果も比較した.
    電解質に関しては, 性差についてはカリウム, クロール及び無機リンで認められ, 加齢による変動ではナトリウム及びカルシウムで加齢と共に低下する傾向が認められた.
    非蛋白性含窒素化合物4項目では全項目で女性に比し男性で有意に高値を示し, 加齢による変動は尿素窒素及びクレアチニンで加齢と共に上昇し, 尿酸では男性で加齢と共に低下し, 女性では逆に加齢と共に上昇傾向を示した.
    血清蛋白では性差は認められないのに反し, 患者群では加齢と共に有意に低下した. 群間比較では新入寮健診群>外来患者群>老人ホーム健診群>入院患者群の順であり, 入院患者群で低値を示す原因の一つとして採血時の体位 (臥位) が考えられるが, それ以外の因子の関与も考えられる.
    血清コレステロールに関しては従来の多くの報告と一致した成績が得られた.
    全項目について, 加齢と共に, 増減の変動と共に標準偏差の増大傾向が認められ, 高齢になるに従って, 個人間変動とくに個人差が大きくなってくることが判る.
  • 剖検で確認されたCVD62例の retrospective study
    川口 新一郎, 飯尾 正宏, 村田 啓, 千葉 一夫, 山田 英夫, 松井 謙吾, 阿部 正秀, 戸張 千年, 丹野 宗彦, 布施 正明, ...
    1978 年 15 巻 3 号 p. 260-266
    発行日: 1978/05/30
    公開日: 2009/11/24
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    著者らは当院で過去5年間に生前脳スキャンを受け, のち剖検され, その病理組織像が明らかにされている62例 (脳硬塞55・脳出血7) を対象とし, retrospective study を行い脳スキャンによるCVDの予後判定が可能かどうかを予後の違いによるグループ別に, 脳スキャン陽性度, 陽性病巣サイズ, 病巣部位について検討した. CVD発症後1カ月以内, 2カ月目~6カ月, 7カ月目~12カ月, 2年目以上に死亡した例を各々1群 (6例), 2群 (28例), 3群 (12例), 4群 (16例) とした.
    脳硬塞においては陽性症例は55%, 陽性スキャン頻度は58%, 経過観察平均スキャン回数は1.5回, 陽性度平均は1.9±1.2度, 陽性サイズ平均5.9±3.2cmであった. 脳出血においては上記の順に夫々43%, 44%, 1.3回, 1.7±1.1度, 6.5±1.7cmの結果であり陽性サイズのみ脳硬塞より高い値を示した.
    脳硬塞例では発症5カ月後迄が陽性期であり陽性度よりみると発症後4週目に陽性ピークがあった. 脳スキャン陽性度平均は第1群で2.3±1.1, 第2群で2.3±1.2, 第3群1.7±1.0, 第4群で1.3±1.1度と差がみられた. 即ち脳スキャン陽性度平均と予後の長短は相関が認められた. 予後の悪い第1群, 第2群では最初から高い陽性度を示し予後のよい第4群では急速な陰性化を示すことが特長的であった. しかし4群別に検討した経時的陽性度平均の最大値は上記の順に3.0, 3.2, 2.7 3.0度と差はみられなかった. 陽性スキャンの頻度は上記の順に各々75, 68, 68, 33%であった. 陽性病巣サイズ平均は上記の順に各々7.0±5.0, 6.8±3.7, 4.8±1.4, 5.1±2.1cmと重症例程陽性病巣サイズが大きい傾向はみられたがSDが大きく平均値による検討は意味付けが難しかった. 陽性度と陽性サイズに相関があるかどうかを検討した所, 両者の相関はなく陽性度と病巣の大きさの持つ臨床的意義は別である事が分った.
  • その成因に関する臨床病理学的検討
    蔵本 築, 桑子 賢司, 松下 哲, 三船 順一郎, 坂井 誠, 岩崎 勤, 賀来 俊, 峰 雅宣, 村上 元孝
    1978 年 15 巻 3 号 p. 267-273
    発行日: 1978/05/30
    公開日: 2009/11/24
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    脳出血, 脳梗塞に伴う心電図変化の成因を検討する目的で, 発作前1カ月内及び発作後の心電図, 臨床検査成績が得られ, 剖検上確認された老年者脳出血18例, 脳梗塞29例について, 発作前後の心電図, 臨床検査成績, 血圧の変化, 剖検による冠狭窄度, 脳病変の部位, 大きさ等を対比検討した.
    発作前後の心電図変化は脳出血88.9%, 脳梗塞89.7%に認められST, T変化がそれぞれ61.1%, 69.0%と高頻度に見られ, 高度な虚血性変化は脳梗塞で多く見られた. 不整脈は脳出血55.6%, 脳梗塞41.4%に見られ, 発作時の心房細動出現は脳梗塞にのみ10.3%に見られた. 期外収縮は脳出血に多く上室性22.1%, 心室性11.1%, 脳梗塞ではそれぞれ10.3%, 3.4%であった.
    脳卒中発作前後のヘマトクリット上昇は脳梗塞で大きい傾向があり, 虚血性ST, T変化を示した群では脳出血2.44±0.57, 脳梗塞6.04±1.74の上昇を示し, 著明なヘマトクリットの上昇による冠微小循環の障害が虚血性ST, T変化を斉すことを示唆した.
    脳卒中発作時の収縮期血圧上昇は脳出血では52.5±8.9mmHgで心電図変化の程度に拘らず200mmHg以上の高値を示したが脳梗塞では8.7±10.4とその変動は僅かで血圧上昇が心電図変化の原因とはいえなかった.
    冠動脈狭窄の程度は脳出血, 脳梗塞共各心電図変化群の間に狭窄指数の差が見られず, 虚血性心電図変化が太い冠動脈の狭窄によるものではないことを示した. 一方心筋梗塞の合併は脳出血5.6%に比し脳梗塞で50.0%と有意に高頻度であった.
    脳病変の部位, 大きさでは外側型脳出血に虚血性ST, T変化の多い傾向が見られたが, 脳梗塞では中大脳動脈領域の梗塞に於ても心電図変化に一定の傾向はなく, 部位による特徴は認められなかった. また両群共病巣の大きさと心電図変化には一定の傾向は見られなかった.
    脳出血, 脳梗塞の虚血性心電図変化は病巣の部位, 大きさ, 冠硬化, 血圧上昇等とは関連が認められず, ヘマトクリット上昇による冠微小循環の障害がその一因と考えられた.
  • 1978 年 15 巻 3 号 p. 274-299
    発行日: 1978/05/30
    公開日: 2009/11/24
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