65歳以上の高齢者非ホジキンリンパ腫について, CHOP療法およびCOP-BLAM療法を施行し, 両療法間の治療成績, 副作用などを比較検討したので報告する.
対象症例は, 1979年9月より1990年2月までの間にCHOP療法及びCOP-BLAM療法を施行した65歳以上の未治療非ホジキンリンパ腫症例33例である. CHOP療法施行症例は15例で, 年齢中央値70歳, 病理組織分類は, びまん性大細胞型 (D. large) 8例, びまん性中細胞型 (D. medium) 5例, びまん性混合細胞型 (D. mixed) 2例. 臨床病期 (Ann Arbor 分類) は, II期2例, III期4例, IV期9例である. COP-BLAM療法症例は18例で年齢中央値68歳, 病理組織分類は, D. large 8例, D. medium 10例, 臨床病期は, II期5例, III期4例, IV期9例である.
CHOP療法は, Mckelvey らの方法に準じ, COP-BLAM療法は, Laurence らの方法に準じて行い, 年齢による用法の考慮は行わなかった.
治療効果は, CHOP療法症例全例では, 15例中7例 (46.7%), III, IV期では13例中5例 (38.5%) にCRが得られた. COP-BLAM療法症例全例では18例中15例 (83.3%), III, IV期では13例中11例 (84.6%) にCRが得られた.
Bulky mass (φ8cm以上) の有無, 骨髄浸潤の有無, B症状, 血清LDH値 (400U/L以上) について有意差を検討したが5%の危険率では有意差はみられなかった. 副作用については, 1,000/μ
l以下の白血球減少はCHOP療法例26.7%, COP-BLAM療法例22.2%, 5×10
4/μ
l以下の血小板減少はそれぞれ20.0%, 11.1%であった. その他, 吐気嘔吐, 脱毛末梢神経障害などがみられた.
高齢者非ホジキンリンパ腫に対し, COP-BLAM療法はCHOP療法に比較し有効率が高く, 副作用は同程度であった.
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