日本老年医学会雑誌
Print ISSN : 0300-9173
31 巻, 12 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 島本 和明, 島田 和幸, 桑島 巌, 松岡 博昭, 三上 洋
    1994 年 31 巻 12 号 p. 909-936
    発行日: 1994/12/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
  • 吉田 馨
    1994 年 31 巻 12 号 p. 937-942
    発行日: 1994/12/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
  • 島本 博幸, 島本 順子, 中村 英雄
    1994 年 31 巻 12 号 p. 943-949
    発行日: 1994/12/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    老年者本態性高血圧症例10名 (男4, 女6, 69.8±4.8歳) を対象とし, 6g/日の減塩食下に nifedipine 徐放剤20mg/日を8週間投与し, 投与前後における平均血圧, 心拍出量および末梢局所循環動態ならびに血漿ホルモン動態の検討を行った. 更に nifedipine の薬物動態学的検討を併せて行った.
    (1) Nifedipine 徐放剤の血漿濃度推移から, C max は59.1±31.3ng/ml, AUCは288.2±165.8ng・hr/ml, T maxは3.4±1.6hr, t 1/2は5.5±3.3hrであった. 更に, 血漿 nifedipine 濃度に応じ降圧効果が認められた.
    (2) Nifedipine 徐放剤投与により心拍出量は変化せず, 末梢局所血流はすべての領域において不変であった. 総末梢血管抵抗および各末梢局所抵抗は, nifedipine 徐放剤投与により観察期に比して有意に減少した. Nifedipine 徐放剤投与による拡張度を総末梢血管抵抗の変化率に対するその局所血管抵抗の変化率の割合とし, 血圧低下に対する寄与度を総 conductance 変化に対するその局所領域の conductance 変化の割合と定義すると, 拡張度, 寄与度共に, 腹腔動脈および上腸間膜動脈領域すなわち腹部内臓領域への影響が大きく, 腹部大動脈終末部領域に対する効果が最小であった.
    (3) Nifedipine 徐放剤投与前後において, plasma renin activity, angiotensin II, aldosterone, atrial natriuretic peptide, noradrensline, adrenaline に有意の変化を認めなかった.
    老年者本態性高血圧においても, nifedipine 徐放剤は充分な血漿濃度が得られ降圧効果を期待できると考えられる. Nifedipine 徐放剤投与により心拍出量及び末梢局所血流への有意な影響はなく, その結果全ての領域において血管抵抗は減少した. また, 各ホルモン動態にも変化を認めなかった. しかし nifedipine 徐放剤は腹部内臓領域への血管拡張効果が大きく, 一方, 下肢筋血流を灌流する大動脈終末部領域への影響が少ないことから, 高齢者の下肢虚血, さらに歩行および rehabilitation における下肢血流への影響を考慮する必要があると考えられた.
  • 清水 一, 森 隆, 小山 美弥, 関谷 政雄, 大網 弘
    1994 年 31 巻 12 号 p. 950-956
    発行日: 1994/12/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    75歳以上101歳までの非痴呆高齢者15例と非痴呆成人者10例の剖検大脳について, アルミニウム量と神経細胞の形態学的変化, 特に神経原線維変化と老人斑の形成との関連性について検討し以下の結果を得た.
    1. 非痴呆成人者例の大脳組織中のアルミニウム量は海馬回では, 14.4±1.39ppb, 前頭葉皮質では20.4±2.54ppbと微量であった. 非痴呆高齢者例の海馬回では401.7±60.05ppb, 前頭葉皮質では373.29±72.35ppbの値を示した. 非痴呆高齢者例の脳内に海馬回で28倍, 前頭葉皮質では19倍と非痴呆成人例に比べ顕著に増量を示した.
    2. Morin 法によるアルミニウムの組織化学的検索では, 非痴呆高齢者脳内の神経原線維変化や老人斑内の amyloid core の一部に蛍光反応を認めた. 正常部位では毛細血管壁, 血管周囲の支持組織, 星状膠細胞の核内, 神経細胞の核および核小体の一部に蛍光反応を認めた. しかし, 非痴呆成人例には, アルミニウムは認められなかった.
    3. 形態学的に老人斑は, 脳内アルミニウム高値を示す非痴呆高齢者の一部の症例に前頭葉皮質のIからIV層にかけて classical および diffuse type の老人斑が多く出現して認められた. 海馬回では diffuse type がわずかに認められた. 神経原線維変化は前頭葉皮質では出現量に乏しく, 海馬回のCA1, CA2, CA3 領域に増加してみられた. 超微形態学的には神経原線維変化に Paired helical filament (PHF) 構造を, 老人斑内には Amyloid fibril が確認された.
    痴呆症状を示さない高齢者の大脳に高濃度のアルミニウムの蓄積が認められ, 組織化学的にも神経原線維変化を示す部位と, 老人斑にアルミニウムの蛍光反応を示した症例が認められた. この結果から神経原線維変化および老人斑の形成の一因にアルミニウムが関与している可能性が示唆される. さらにアルツハイマー型老年痴呆の発生におけるアルミニウムの役割について考察を加えた.
  • 背景因子・総頸動脈血流動態との関連
    山野 繁, 澤井 冬樹, 森本 真弓, 森岡 泰子, 小松 正佳, 沢田 泉, 澤井 伸之, 橋本 俊雄, 籠島 忠, 土肥 和紘
    1994 年 31 巻 12 号 p. 961-968
    発行日: 1994/12/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    脳萎縮の評価は老年期痴呆の診断に重要であるが, 脳萎納と加齢, 背景因子あるいは知的機能との関連などの研究は大部分が横断的検討であり, 縦断的検討が少ない. そこで, 著者らは, 頭部CT画像に占拠性病変のない147例 (平均年齢62歳) を対象に, 頭部CT撮影と総頸動脈血流動態測定を平均6.5年の間隔で2回実施して頭部CTにおける脳萎縮の経年変化に対する加齢, 高血圧症, 糖尿病の影響について検討し, さらに脳萎縮と総頸動脈血流動態の経年変化との関連についても検討を加えた.
    脳萎縮の経年変化量 (Δcaudate haed index: ΔCHI) は, 年齢とともに増加したが, 高血圧症と糖尿病の両者合併群では60歳代が最大であった. 50歳代および60歳代におけるΔCHIは, 高血圧症と糖尿病の両者非合併群で最も低値を示し, 高血圧症合併群, 高血圧症と糖尿病の両者合併群の順に合併症の増加に伴い高値を示した. 総頸動脈血流量の減少量は, ΔCHIと有意の正相関を示した.
    以上から, 脳萎縮は加齢とともに進行し, 脳萎縮の進行は, 高血圧症合併例および高血圧症と糖尿病の両者合併例でより促進されると考えられた. また, 脳萎縮の進行には, 脳血流量の減少が重要な要因であることが示唆された.
  • 梅田 正法, 加藤 元浩, 新津 望, 高田 雅史, 加藤 雅子, 志越 顕
    1994 年 31 巻 12 号 p. 969-974
    発行日: 1994/12/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    65歳以上の老年者多発性骨髄腫患者に天然型インターフェロン (HLBI) とVCAP療法を併用し, その治療成績をVCAP療法単独投与症例および非老年者症例の成績と比較した. 老年者16例はHLBI-VCAP併用療法, 12例はVCAP療法のみ, 非老年者では21例はHLBI-VCAP併用療法, 21例はVCAP療法のみで治療した. VCAP療法は Alexanian の方法で行い, HLBIは3×106IU/日を週2回筋注投与した. 寛解率 (部分寛解) は老年者HLBI-VCAP併用療法群では81%, VCAP単独群では58%であり, 非老年者HLBI-VCAP併用群では90%, VCAP療法単独群では76%であった. 生存期間の中央値は老年者HLBI-VCAP併用療法では54カ月, VCAP療法単独投与群では13.5カ月で両者間にp<0.05で有意差があったが, 非老年者HLBI-VCAP併用療法群では70カ月, VCAP療法単独群では34.5カ月であったが, 両者間に有意差はなかった. 以上よりHLBI-VCAP併用療法はVCAP単独療法に較べ生存期間の延長を示し, HLBIの併用は特に老年者多発性骨髄腫患者に対して有用と考えられた.
  • 寺本 信嗣, 福地 義之助, 折茂 肇
    1994 年 31 巻 12 号 p. 975-980
    発行日: 1994/12/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    進行性の気腫性肺嚢胞 (vanishing lung) を呈し, 併発した気胸によって, ベット上安静で寝たきりの状態にあった71歳の老年者に肺嚢胞切除手術を行い, 手術後3カ月で自立した生活が営めるまでに回復した. 手術前に比較して, 安静時血液ガス (空気呼吸下: PaO2(前)54.6→(後)75.0(mmHg), PaCO2(前)55.7→(後)51.5(mmHg)), 安静時肺機能 (努力肺活量(前)0.97→(後)1.70(L), 1秒量(前)0.55→(後)0.93(L))ともに改善したが, 肺換気血流シンチグラム上は明らかな変化を認めなかった. 従って, 手術後, 呼吸機能の改善を認めた要因は多発した気腫性肺嚢胞を除去したことにより肺葉単位の局所間 (interlobar) の換気/血流不均等分布の改善ではなく, 正常肺組織の圧迫解除や極度の肺過膨張の軽減による横隔膜運動の改善などに伴う肺葉内局所間 (intralobar) の換気/血流不均等分布の改善によると考えられた. 老年者の呼吸器外科手術については, 年齢, 術前呼吸機能などについて必ずしも一定の基準はないが, 本例のように手術後に日常生活動作の拡大を期待できるものでは, 手術内容を十分に考慮した上で, 積極的な試みも重要と考えられる.
  • 1994 年 31 巻 12 号 p. 981-989
    発行日: 1994/12/25
    公開日: 2009/11/24
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