日本老年医学会雑誌
Print ISSN : 0300-9173
31 巻, 3 号
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  • 杉浦 昌也, 坂井 誠, 早川 弘一, 土居 義典, 杉下 靖郎, 上松瀬 勝男, 内藤 通孝
    1994 年 31 巻 3 号 p. 181-218
    発行日: 1994/03/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
  • 渡辺 尚彦, 豊島 孝道, 大塚 邦明, 渡邉 晴雄, 鈴木 康子, 桑島 巌, Franz Halberg
    1994 年 31 巻 3 号 p. 219-225
    発行日: 1994/03/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    夜間血圧は高血圧症患者の臓器障害と関連していると言われているが, 正常血圧者の夜間血圧変動に対する加齢の影響について多数例を対象とした報告は見られない. そこで, 正常血圧者の夜間血圧及び日内変動に対する加齢の影響について検討した. 16~83歳の血圧正常な男女 (男136人, 女190人, 計326人; 平均年齢42.2±16.7歳) を若年群 (40歳未満; n=177), 中年群 (40~59歳; n=100) 及び老年群 (60歳以上; n=49) に分類し, 三群間の比較を行った. 携帯型血圧・心拍数計ABPM-630を用い24時間の血圧・心拍数を記録し, 全日, 昼間 (午前10時~午後8時) 及び夜間 (午前0時~午前6時)の平均値を求め, 夜間血圧・心拍数変動型別を行い, dipper, non-dipper を決定した. 又, cosine fitting 法を用い, MESOR (midline estimating statistic of rhythm), amplitude, acrophase を算出した. 収縮期血圧の夜間変動型別では加齢により dipper は減少, non-dipper は増加した (p<0.01). 拡張期血圧及び心拍数も同様であった (p<0.01). 収縮期血圧及び心拍数も同様であった (p<0.01). 収縮期血圧は夜間, 若年群102±1mmHg, 中年群105.8±1mmHg, 老年群118.8±1.6mmHgと加齢とともに上昇した (p<0.01~p<0.0001). 昼間, 一日の平均値も同様の傾向であった(p<0.05~p<0.0001). 血圧・心拍数の日内変動をみると心拍数の amplitude は加齢により減少 (p<0.001), 収縮期血圧のMESORは加齢とともに上昇した (p<0.05~p<0.0001). Acrophase は血圧・心拍数とも, 加齢にともない前進した (p<0.01~p<0.0001). 本研究により正常血圧者でも non-dipper が存在することが判明した. このことは夜間血圧変動の臨床的意義を検討する上で重要と考えられる.
  • 臨床病理学的検討
    目黒 謙一, 松下 正明, 吉田 亮一, 大友 英一, 山口 智, 中川 琢磨, 佐々木 英忠
    1994 年 31 巻 3 号 p. 226-231
    発行日: 1994/03/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    アルツハイマー型老年痴呆 (SDAT) と「ビンスワンガー型白質病変」の合併について臨床病理学的に検討した. 臨床・病理学的基準によりSDATと確定診断された57例を2群に分類. 即ち第1群: 皮質下・白質病変を伴わない群, 第2群:「ビンスワンガー型白質病変」を伴う群である. 臨床症状は第2群で「皮質下の症状」を認め, 高血圧, 不整脈の合併も多かった. CT上PVLは第2群に多かった. 第2群で脳梁の幅が狭かった. 動脈硬化は両群で差を認めなかった. 老人斑, 神経原線維変化等の老人性変化は, 第1群では局所性分布, びまん性分布等多彩な分布を示したが第2群ではびまん性の分布を示した. SDATと「ビンスワンガー型白質病変」の合併はまれではないと考えられた.
  • 加齢と腎機能の関係
    青野 正, 松林 公蔵, 河本 昭子, 木村 茂昭, 土居 義典, 小澤 利男
    1994 年 31 巻 3 号 p. 232-236
    発行日: 1994/03/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    70歳以上の老年者における血中尿素窒素, 血清クレアチニンの基準値を設定し, 加齢と腎機能との関係を調べるために, 地域在住老年者を対象とした健康診断のデータを, 統計的に解析した.
    高知県香北町在住の, 一見健康で, 自立した家庭生活を送っている70歳以上の老年者332例のうち, 血中尿素窒素値あるいは血清クレアチニン値が, 平均値±2×標準偏差をはずれた13例を除いた319例 (男145例, 女174例, 平均年齢79歳) を対象老年者群とした. 某会社に勤務する若年者315例 (男139例, 女176例, 平均年齢28歳) を対照若年者群として比較した.
    老年者群の平均血中尿素窒素値は男性 (19.2±4.3mg/dl), 女性 (18.8±4.3mg/dl) で, 男女とも若年者群より有意に高値であった (p<0.0001). 老年者男性群の血中尿素窒素値は, 年齢と粗な相関を認めた (r=0.30, p=0.0002). 老年者群の血清クレアチニン値は男性 (1.1±0.2mg/dl), 女性 (0.9±0.2mg/dl) で, 男女とも若年者群と比べわずかではあるが有意差を認めた(p<0.0001). 老年者群の血清クレアチニン値は, 年齢と相関関係を認めなかったが, クレアチニン値を体表面積で補正すると, 年齢と粗な相関関係を認めた. (男性r=0.31, p=0.0002; 女性r=0.27, p=0.0003).
    本研究から推定した, 70歳以上の地域在住老年者における基準値は, 血中尿素窒素が男女とも14~23mg/dl, 血清クレアチニンが男性0.9~1.3mg/dl, 女性0.7~1.1mg/dlとなった. 血清クレアチニン値の差はわずかであったが, 老年者における筋肉量の減少を考慮すると, 腎機能は加齢によって低下し, 70歳以降もその傾向が持続すると考えられた.
  • その成績と問題点
    山田 英夫, 横山 孝典, 荻原 真理, 川上 睦美, 間島 寧興, 丹野 宗彦, 紀 健二, 千葉 一夫
    1994 年 31 巻 3 号 p. 237-243
    発行日: 1994/03/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    目的: 比較的選択されていないと考えられる老年者食道癌の放射線治療による治療成績を調査し, その成績および予後に与える因子について, 特に放射線治療を完遂できない理由, 年齢と生存率の関係, 予後を悪くする原因などに重点をおいて, 検討した.
    対象と方法: 放射線治療未完群27例, 治療完了群77例, 放射線治療+手術群24例, 計128例を対象とし, 生存率と年齢, 性別, 線量, 原発巣の大きさ, T分類, 手術の有無, 血清アルブミン濃度, 白血球数, 病理組織型, Performans Status (PS), 併存症合併症スコア (C-Score), 転移の有無, 化学療法など各種パラメーターとの関係を検討した.
    成績: 全症例の生存中央値は6.4ヵ月, 3年生存率は8.5%, 5年生存率は3.3%であった. RT未完群, RT完了群, RT+手術群の中央値はそれぞれ1.3月, 7.7月, 11.3月であった. RT未完群と他の2群の間には Kaplan-Meier の生存曲線で有意差が認められたが, 手術の有無では有意差はなかった. RT未完群はPS, アルブミン濃度, 白血球数, C-Score などで不利な状態であり, 年齢も高い傾向があった. 原発巣の短いT1群でも治療を完了できないものが認められたが, それらにはC-Scoreが高く, アルブミン濃度が低く, PSが悪いと言う特徴があった. 60歳代, 70歳代, 80歳代の比較では Kaplan-Meier 法で60歳代と他の2群の間に有意の差が認められた. PSと C-Score は60歳代と80歳代の間に有意の差が見られた. 治療完了群について比較するとT1とT2群, 転移の有無により生存率に差が認められた. 従って予後を左右する因子としては, 癌の進行度のほかにPS, アルブミン濃度, 併存症合併症がある. PS, アルブミン濃度は癌の進行度と深く関係すると考えられるが, 高齢は併存症合併症の存在, 増加も含めてこれらの因子に対して不利に働くものと考えられる.
  • 岡山 英樹, 濱田 希臣, 重松 裕二, 阿部 充伯, 向井 幹夫, 松岡 宏, 住元 巧, 日和田 邦男, 村上 凡平
    1994 年 31 巻 3 号 p. 244-248
    発行日: 1994/03/25
    公開日: 2009/11/24
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    症例は91歳女性. 顔面腫瘍の切除術後血圧低下により呼吸困難・全身倦怠感を訴えたため, 昇圧目的でドパミンを投与したが血圧は改善しなかった. 心エコー上, 心尖部に心室瘤を認め, 心室中部の34.6mmHgの圧較差および僧帽弁前方運動 (SAM) を認めた. 心エコー図による経過観察で, ドパミンの中止および輸液により圧較差は減少し, SAMは消失した. このことから, SAMの発生にはβ刺激による心筋の hypercontraction が重要な因子の一つであることが示唆され, 興味深い症例と思われたので文献的考察を加えて報告した.
  • 1994 年 31 巻 3 号 p. 249-259
    発行日: 1994/03/25
    公開日: 2009/11/24
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