日本老年医学会雑誌
Print ISSN : 0300-9173
32 巻, 2 号
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  • 木田 厚瑞
    1995 年 32 巻 2 号 p. 83-89
    発行日: 1995/02/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
  • 稲松 孝思
    1995 年 32 巻 2 号 p. 90-95
    発行日: 1995/02/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
  • 飯田 紀彦, 小橋 紀之, 小山 和作
    1995 年 32 巻 2 号 p. 96-100
    発行日: 1995/02/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    日本赤十字社熊本健康管理センター (センター) において人間ドックに訪れた140名の高齢者 (平均年齢69±3歳) に対してクオリティ・オブ・ライフ (QOL) を点数化するための自己記入式質問表 (QUIK) を施行し, その信頼性と妥当性を検討した. QUIKはQOLの共通普遍の特性として身体機能, 情緒適応, 対人関係, 生活目標の4つの要素を設定し, 各要素が循環的に相互作用するというシステム理論に準拠して作成された2件法の疾患非特異的な質問表である. QUIKの平均得点は総計5.1±5.4, 身体機能2.7±2.7, 情緒適応1.0±1.5, 対人関係0.7±1.1, 生活目標0.6±1.2であり, 患者群との比較では, 対象群の結果はすべて良好で, 一般群と比べると総計, 情緒適応, 対人関係においてより良好であった. QUIKの6段階分布では, 良好15%, やや良好35%, 普通36%, やや不良11%, 不良2%, 極めて不良0%であった. この結果は患者群と比べると有意に良好であるが, 一般群との比較では差異は見られない.
    QUIK総計の内的整合性はα=0.86 (身体機能0.71, 情緒適応0.61, 対人関係0.61, 生活目標0.61) であった. QUIKの内容妥当性を検討するために, 数量化I類を用いてQUIKと関連のある要因を分析した. 総計, 情緒適応, 対人関係と生活目標では満足感と爽快感と, 身体機能は健康感, 爽快感との強い相関が得られた. QUIK総計の区分点を9/10点とすると, 年齢では感受性0.65, 特異度0.65, 満足感では感受性1.00, 特異度0.29, 爽快感では感受性0.85, 特異度0.48を示した. QUIKの構成概念妥当性について, まず各尺度間の相関を重回帰分析を用いて検討した. 身体機能と対人関係との連関を除き, 各尺度間には密接な循環的相関が見られた. さらに各尺度得点と統計-各尺度得点との間に有意の関連が得られた.
  • 金子 裕憲, 中内 浩二, 稲松 孝思
    1995 年 32 巻 2 号 p. 101-104
    発行日: 1995/02/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    老人専門病院における urosepsis 症例について, 臨床的検討を行った. 調査期間は1992年1月より, 1993年3月までの15カ月間であり, 血液培養にて菌が検出され, 尿路が侵入門戸と考えられた41例を対象とした. 対象となったのは男性21例, 女性20例で, 年齢は67~94歳 (平均79.8歳) であった. 血液から分離された菌の内訳はグラム陰性桿菌29株, グラム陽性球菌8株, 真菌その他が4株であった. 最も多く分離されたのは大腸菌の19株で, 次いで緑膿菌の4株, メチシリン耐性黄色ブドウ球菌3株, 真菌3株であった. 基礎疾患として最も多かったのは, 脳血管障害の14例で次いで悪性腫瘍12例, 糖尿病6例であった. 尿路にカテーテルを留置していたものは26例あり, その大半が長期カテーテル留置例であった. sepsis が原因で死亡した例は2例で, 他は化学療法により軽快した.
    今回検討した41例中16例は urosepsis の発症に尿道留置カテーテルが直接関与していると考えられた. 患者の多くは自分で排泄のコントロールができない寝たきりの状態であり, 排尿管理の目的でカテーテルを留置していた. 長期カテーテル留置により尿路感染の発生は避けられず, 高齢で合併症を有し, 易感染状態にある患者にとっては urosepsis の原因となる可能性が高いと考えられた. 今後の対策として, 個々の患者の排尿障害の病態をよく把握し, できる限り長期カテーテル留置を避けることが重要であるが, やむを得ず留置する際には, 局所的感染予防とともに, カテーテルの汚染や閉塞が疑われた場合には短期間の予防的化学療法も必要と思われた.
  • 石崎 達郎, 甲斐 一郎, 平山 登志夫
    1995 年 32 巻 2 号 p. 105-110
    発行日: 1995/02/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    老人保健施設 (以下, 老健施設と略す) は, 病院に入院している要介護老人の家庭復帰を促すために開設された. ところが, 実際の退所先には家庭の他に, 病院, 特別養護老人ホーム (以下, 特養と略す), 他の老健施設等があり, 家庭復帰した利用者は全体の半数に留まっているといわれている. 老健施設利用者の家庭復帰にはどのような要因が関与しているか明らかにするために, 一老健施設利用者の属性や利用状況を退所先別に比較, 検討した (比較I:「退所先家庭群」対「退所先病院群」, 比較II:「退所先家庭群」対「退所先特養・他の老健施設群」). ショートステイを除く4年間の全入所者389名 (平均年齢81.1±6.0歳, 女性67.1%) を対象に, 入所記録から利用者の年齢, 性別, 入所前の生活場所, 入所期間, 退所先, 日常生活動作能力 (以下, ADLと略す), 知力障害の有無を調べた.
    多重ロジスティック回帰の結果, 比較Iでは性別は男性, 入所期間が長い者, 家庭からの入所者, ADLレベルの高い者で家庭に戻った者が多かった. 一方, 比較IIでは, 家庭からの入所者, 入所期間が短期, ADLレベルの高い者で家庭に戻った者が多かった.
    今回の調査対象施設では, 医療機関から老健施設に入所した者は再入院しやすく, 老健施設の当初の目的であった「病院から家庭への通過施設」として運営されることは困難であることが示唆された. 利用状況だけでみる限りでは老健施設は専ら「要介護老人の在宅ケア支援施設」として利用されていると考えられる. 入所の早い段階で利用者の退所先に影響を及ぼす要因を評価して家庭復帰の可能性を検討すれば, 入所者の退所先を予測するうえで有用となろう.
  • 永野 敬子, 勝谷 友宏, 紙野 晃人, 吉岩 あおい, 池田 学, 田辺 敬貴, 武田 雅俊, 西村 健, 吉澤 利弘, 田中 一, 辻 ...
    1995 年 32 巻 2 号 p. 111-122
    発行日: 1995/02/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    近年の疾病構造の欧米型への移行が指摘される中, 日本人における痴呆疾患の割合はアルツハイマー病の比率が脳血管性痴呆を越えたともいわれている. 本邦におけるアルツハイマー病の疫学的調査は, アルツハイマー病の原因究明に於ける前提条件であり, 特に遺伝的背景を持つ家族性アルツハイマー病 (FAD) の全国調査は発症原因の究明においても極めて重要であると考える.
    私たちは, FAD家系の連鎖分析により原因遺伝子座位を決定し, 分子遺伝学的手法に基づき原因遺伝子そのものを単離同定することを目標としている. 本研究では日本人のFAD家系について全国調査を実施すると共に, これまでの文献報告例と併せて疫学的検討を行った. また, 日本人のFAD家系に頻度の高いβ/A4アミロイド前駆体蛋白 (APP) の717番目のアミノ酸変異 (717Va→Ile) をもった家系の分子遺伝学的考察も行った.
    その結果, FADの総家系数は69家系でその内, 平均発症年齢が65歳未満の早期発症型FADは57家系, 総患者数202人, 平均発症年齢43.4±8.6歳 (n=94), 平均死亡年齢51.1±10.5歳 (n=85), 平均罹患期間6.9±4.1年 (n=89) であった. APP717の点突然変異の解析の結果, 31家系中6家系 (19%) に変異を認めた. また各家系間で発症年齢に明らかな有意差を認めた. 1991年に実施した全国調査では確認されなかった晩期発症型FAD (平均発症年齢65歳以上) 家系が今回の調査では12家系にのぼった.
    FADの原因遺伝子座位は, 現在のところ第14染色体長腕 (14q24.3; AD3座位), APP遺伝子 (AD1座位) そのもの, 第19染色体長腕 (19q13.2; AD2座位), 座位不明に分類され, 異なった染色体の4箇所以上に分布していることとなる. 日本人のFAD座位は, APPの点突然変異のあった6家系はAD1座位であるが, 他の大部分の家系ではAD3座位にあると考えられている. 今回の解析結果より, 各家系間の発症年齢に差異があることからも遺伝的異質性の存在を示唆する結果を得たが, FAD遺伝子座位が単一であるかどうかを同定する上でも, 詳細な臨床経過の把握も重要と考えられた.
  • 向井 幹夫, 二宮 常之, 越智 直登, 濱田 希臣
    1995 年 32 巻 2 号 p. 123-127
    発行日: 1995/02/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    患者は80歳, 女性. 前胸部痛と全身倦怠感を訴え近医を受診し, 胸部X線写真で心陰影の拡大と心電図異常を指摘され当科を紹介された. 聴診上, 心音の減弱ならびに特異的な摩擦音 (water-wheel murmur) を聴取した. 胸部X線写真と胸部CTで心嚢腔に free air を認めた. 心電図上広範囲なST上昇および著明な徐脈を認め, 心外膜炎を伴った心嚢気腫と診断した. 心外膜炎の治療に加え徐脈に対して一時的ペースメーカーを留置した. 血行力学的改善は認めたが, 全身状態は改善せず, 多臓器不全状態のため死亡した. 死後の心嚢腔造影により心嚢腔と消化管との交通が証明された. 心嚢気腫は非常に稀な疾患であり文献的考察も含め報告した.
  • 清水 一紀, 藤井 靖久, 前田 智治
    1995 年 32 巻 2 号 p. 128-133
    発行日: 1995/02/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    症例は72歳の男性, 昭和60年より糖尿病にて加療中であった. 平成3年12月より食欲不振, 体重減少 (6kg/3カ月) 及び右大腿部の疼痛が出現, 平成4年1月17日外来受診時胸部異常影を指摘され2月3日入院. 精査の結果, 大腿骨原発の転移性肺腫瘍と診断し, 3月3日右大腿骨骨生検を行った. その結果, 酵素抗体法で Factor VIII陽性, Epithelial membrane antigen (EMA) 陰性より angiosarcoma の病理所見を得た. 本人の希望にて一旦退院するも平成5年4月19日再入院. 4月27日より recombinant Interleukin-2 (rIL-2) を80万単位/日投与し炎症所見の改善, 疼痛の寛解が得られたが腎機能が悪化したため5月11日中止 (総投与量1,200万単位), その後腎不全が進行し死亡した. rIL-2は耐糖能に影響を与えなかったが, 非ステロイド系抗炎症剤 (NSAID) との併用により腎機能の増悪因子となる可能性が示唆され, 高齢者においては注意する必要がある.
  • 山梨県における百寿者の悉皆調査
    朝田 隆, 山縣 然太朗, 木之下 徹, 浅香 昭雄
    1995 年 32 巻 2 号 p. 134-135
    発行日: 1995/02/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
  • 1995 年 32 巻 2 号 p. 136-154
    発行日: 1995/02/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
  • 1995 年 32 巻 2 号 p. 155-160
    発行日: 1995/02/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
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