日本老年医学会雑誌
Print ISSN : 0300-9173
32 巻, 5 号
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  • 熊崎 努, 大山 俊郎, 飯山 基, 坂田 則行, 長谷川 元治
    1995 年 32 巻 5 号 p. 321-357
    発行日: 1995/05/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
  • 板垣 晃之, 宮下 明子, 鈴木 孝臣, 大友 英一
    1995 年 32 巻 5 号 p. 358-361
    発行日: 1995/05/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    1980年から81年の2年間に老人ホーム在住者 (N=468) に50gOGTTを施行し, 各耐糖能別の生命予後を1994年3月31日まで観察した.
    (1) 耐糖能は正常型が男女とも約40%, 境界型は男50%, 女52.5%, 糖尿病型は男10.4%, 女8.3%であった.
    (2) 全症例の血糖値を男女で比較したが, 空腹時血糖 (FPG) は男が女に比し有意に高値であった (p<0.05).
    (3) 生存率は女が男に比し有意 (p<0.001) に高かった.
    (4) 男女での耐糖能別の生存率を比較したが, 男女とも正常型, 境界型, 糖尿病型で有意差を認めなかった.
    (5) 検査時年齢を75歳未満, 75歳以上に分けて, 耐糖能別の生存率を比較したが有意差を認めなかった.
    (6) 比例ハザードモデルにより性, 検査年齢, 空腹時血糖, Body Mass Index (BMI), 収縮期血圧, 拡張期血圧, 総コレステロール, 中性脂肪が生命予後に及ぼす影響をみると, 男性, 検査時の年齢が高齢, BMIの低いことが予後を悪化させる因子として考えられた.
    以上の結果から, 高齢者の軽度の糖代謝障害 (境界型) は正常型の生命予後とは差異を認めず, 生理的な変化に近いものと考えられる. 糖尿病型も正常型や境界型と生存率に差を認めなかったが, 例数も少なく今回の結果からは即断することはできない.
  • 武内 透, 杉田 幸二郎, 佐藤 温, 鈴木 義夫, 福井 俊哉
    1995 年 32 巻 5 号 p. 362-369
    発行日: 1995/05/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    本邦では, 高齢発症の重症筋無力症 (以下MG) は最近, 増加傾向にあるが, 臨床的に検討した報告は極めて少ない. 我々は60歳以上で発症した高齢者全身型MG 11例の臨床像, 誘発・増悪因子, 合併症, 治療上の問題, 予後などを検討した. 初発症状は眼瞼下垂, 複視などの眼症状, 球症状が高率で, これら所見は非高齢者MGと同様であるが, 他覚的所見に対する訴えの乏しさが特徴的であった. 11例の内訳は, 当科初診時にMGと診断された2例のほかは, 6例 (54.5%) は脳血管障害, 1例は頭蓋底腫瘍疑いと診断されていた. MGの誘発・増悪因子では, 嫁姑関係, 夫の死亡, 老人ホームへの入所, 農作業の高齢化などの家庭内のトラブル5例 (45.5%) と高齢者MG例に特有な要因が認められた. 抗Ach-R抗体は, 11例中10例 (90.9%) に明らかな上昇を認めた. 頭部CTでは全例とも加齢による萎縮所見のみで, 知的機能は, 11例中1例に軽度の低下を認めるのみであった. 合併症では, 胸腺腫4例 (36.4%) のほか甲状腺疾患の合併が5例 (45.5%) と多く, その内訳は, 橋本病は3例, バセドウ病に伴う甲状腺眼症, 単純甲状腺腫がそれぞれ1例認められた. その他, 陳旧性心筋梗塞, 消化管潰瘍, 高度な変形性脊椎症, 前立腺肥大などの合併を認めた. 治療としては抗ChE剤に加えて, 副腎皮質ホルモンを5例 (うちパルス療法2例), ガンマグロブリン療法を1例, 胸腺腫に対する放射線療法を3例, 胸腺摘出術を1例に施行した. 10年間の経過追跡では, 11例中7例 (63.6%) が死亡し, その内訳は, 肺炎・気道閉塞が4例, うっ血性肺水腫, 胸腺摘出術後十二指腸穿孔, 胃癌の全身転移がそれぞれ1例であった. 非高齢者MGと異なり, 高齢者MGでは老人一般の管理に加えて, 環境因子にも充分に注意し, 治療法の選択においても, 非高齢者MGとは異なった観点から検討すべきと思われた.
  • 脳MR angiography による検討
    上原 敏志, 田淵 正康, 林 孝俊, 銕 寛之
    1995 年 32 巻 5 号 p. 370-375
    発行日: 1995/05/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    急性心筋梗塞 (AMI) 発症時における無症候性脳動脈狭窄病変の合併頻度およびその程度を明らかにするために, AMI連続33症例に対して脳MR angiography を施行し, 頸部動脈 (頸部内頸動脈分岐部) および頭蓋内動脈 (頭蓋内内頸動脈, 中大脳動脈水平部, 脳底動脈) の狭窄病変について検討した.
    以下の結果が得られた. (1) 25%以上の狭窄を病変とした時, AMI患者33例のうち頸部動脈病変は8例 (24.2%), 頭蓋内動脈病変は5例 (15.2%) に認められた. (2) 狭窄病変の大部分は軽度 (25~49%狭窄) だった, (3) 虚血性心疾患の既往を持たない対照群と比較すると, 頸部動脈病変の頻度はAMI群において有意に高かった (p<0.05). 一方, 頭蓋内動脈病変の頻度はAMI群で高いものの両群間で推計学的に有意差を認めなかった, (4) 頭蓋内動脈病変を認めるAMI患者は, 頭蓋内動脈病変を認めないAMI患者に比して平均年齢が有意に高かった (p<0.05).
    今回の検討により, AMI患者では発症時すでに比較的軽度ではあるが頸部動脈病変が高率に存在することが明らかとなり, 頸部動脈硬化と冠動脈硬化との間に関連性があることが示唆された. 一方, 頭蓋内動脈病変は加齢とともに増加する傾向がみられ, 高齢のAMI患者では, 頸部動脈病変のみならず頭蓋内動脈病変の合併にも注意をする必要があると思われた.
  • 川村 暢子, 岡部 孝煕
    1995 年 32 巻 5 号 p. 376-380
    発行日: 1995/05/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    症例は寝たきりの79歳の女性. 以前より両腎に小結石が認められていたが, 症状がないため経過観察中であった. 今回高熱と非特異的な腹部症状で発症し, 両側腎・尿管結石および両側水腎症, 右膿腎症と診断された. 体外衝撃波治療 (Extracorporeal Shock Wave Lithotripsy, 以下ESWLと略す) を含む泌尿器科的治療で治癒した. 結石は感染結石と判明した.
    高齢者に多くみられる慢性尿路感染, 特に尿素分解酵素産生細菌による尿路感染は感染結石の原因として重要である. また感染結石は, 両側性にできやすい, 急速な増大傾向がある, 比較的無症状である等の特徴を持っている.
    今日上部尿路結石の治療についてはESWLが第一選択であり, 高齢者でも比較的安全に治療ができる. サンゴ状結石などの難治性尿路結石も補助療法との併用でESWLの治療対象となっている.
    ただし, 感染結石は再発率が高く治療後も注意が必要である. 再発を防ぐためには, 治療の際の結石の完全な除去とその後の尿路感染の防止が重要である.
  • 梅川 康弘, 古田 賢司, 勝部 知子, 島田 宜浩
    1995 年 32 巻 5 号 p. 381-382
    発行日: 1995/05/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
  • 1995 年 32 巻 5 号 p. 383-396
    発行日: 1995/05/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
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