日本老年医学会雑誌
Print ISSN : 0300-9173
32 巻, 6 号
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  • 金澤 暁太郎
    1995 年 32 巻 6 号 p. 397-402
    発行日: 1995/06/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
  • 溝口 環, 飯島 節, 新野 直明, 折茂 肇
    1995 年 32 巻 6 号 p. 403-409
    発行日: 1995/06/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    高齢人口の増加とともに, 機能障害を有する者が増加し, それに関わる家族の介護負担の増加が指摘されている. その負担の程度や内容を評価することは, 介護法を改善し負担を軽減する上で重要である. そこで, 我々は介護者の負担感を半定量的に評価する指標, Cost of Care Index (CCI) を導入し, その信頼性と妥当性を検討した.
    アルツハイマー型痴呆25例, 脳血管性痴呆2例, 脳血管障害3例, パーキンソン病2例, その他10例,男性19例, 女性23例, 平均年齢76.5±7.7歳に対し知的機能および日常生活動作を評価し, その主たる介護者に対し精神状態の評価およびCCIによる調査を行った. CCIは20項目 (五分野) の質問からなり, 負担の程度を4段階に分けそのうちから一つを選択させた.
    CCIの信頼性については, 再テスト法の相関係数0.83, Cronbach のα係数0.92と高い信頼性が確認された. 妥当性については, 被介護者と介護者の状態との関連を検討した. すなわちCCI総得点と Activities of daily living-20 (ADL-20) 得点の相関係数-0.48 (p<0.01), Dementia Behavior Disturbance Scale (DBD) 得点との相関係数0.46 (p<0.01), 介護者 Self-rating depression scale (SDS) 得点との相関係数0.36 (p<0.05) と, CCI総得点と患者の日常生活動作と行動障害および介護者の精神状態との相関は良好であった. また分野別得点と各評価法との相関も良好であった.
    老年者を介護している家族が現在または将来受けるであろう影響や困難を分析する上でCCIは高い信頼性と妥当性を有すると考えられる.
  • G-CSF非併用群との比較検討
    新津 望, 梅田 正法
    1995 年 32 巻 6 号 p. 410-415
    発行日: 1995/06/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    65歳以上の非ホジキンリンパ腫 (NHL) に対しG-CSF併用COP-BLAM療法を施行し, G-CSF非併用群と治療成績, 副作用を比較検討した. 対象はNHL 64例で, G-CSF併用群36例, 非併用群28例であった. G-CSF併用群では88.9%が完全寛解(CR), 有効率は94.5%であった. G-CSF非併用群では89.3%がCRとなりG-CSF併用群, 非併用群では有意差は認めなかった. また, 生存期間, 寛解持続期間もG-CSF併用群, 非併用群で有意差は認めなかった. 副作用に関しては, 顆粒球減少の頻度がG-CSF併用群で有意に低下したが, 他の副作用は変わらなかった. 37.5℃以上の発熱, documented infection は有意にG-CSF併用群で低下した. 以上よりG-CSF併用COP-BLAM療法は高齢者に対しても高い寛解率が得られ, 重篤な副作用特に感染症の頻度が少なく, 安全に施行できると考えられた.
  • 鈴木 信, 秋坂 真史, 安次富 郁哉, 比嘉 かおり, 野崎 宏幸
    1995 年 32 巻 6 号 p. 416-423
    発行日: 1995/06/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    目的, 及び方法: 百寿人口が急速に増加しているが, ADLの低下の変貌を推計学的に実証するために, 1976年から1980年までに調査した43名, 1986年から1988年に至る99名, 1992年から1994年の109名の百寿者に対してADLを比較し, ADLの変遷を調査した.
    調査方法は昭和50年の前田, 井上らの長寿者の総合的研究班による11項目のADL表を用いて, 調査班の直接観察によって5点評価を行った.
    成績: 1970年代より1980年代にかけ, さらに1990年代へと百寿者のADLスコアの低下は著明であることが証明された. 施設百寿群では在宅百寿群よりADLが有意に低かった. 在宅百寿群では mental category でADLが低下したが, 逆に施設百寿群では physical category の低下が著明であった.
    結論: 百寿者の人口が著増しているがADLの低下したままでも高度の医療や個人の生活レベルの上昇や社会経済の発展によってさらに長命となり, さらに充分なケアを求めて施設収容率が著増した. それが百寿者の平均ADLの低下に反映した. ADLが低下しても, ケアが充分に行き届けば, 百寿の域に達することがわかり, その結果, 同じ百寿現象をみるとしても, 現在の百寿の質は以前の百寿と大幅に異なっているものをみていることになり, 誤った結論を導く可能性を生ずる.
  • 橋本 肇, 野呂 俊夫, 高橋 忠雄, 日野 恭徳, 平島 得路, 黒岩 厚二郎, 江崎 行芳, 田久保 海誉, 紀 健二
    1995 年 32 巻 6 号 p. 424-428
    発行日: 1995/06/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    目的, 方法: 後期老年者胃癌の形態学的特徴を検討するために, 老年者を前期, 中期, 後期に分け, 存在部位, 肉眼形態, 病理組織, 転移などを検討した. 男性の前期老年者96例, 110病巣, 中期104例, 120病巣, 後期25例, 31病巣, 女性の前期老年者51例, 55病巣, 中期91例, 106病単, 後期22例, 31病巣であった.
    結果: 加齢に伴い女性で多発癌の頻度が有意に増加していた. 早期癌では加齢に伴い隆起型が増加し, 表面陥凹型が減少していたが, 女性の表面陥凹型の減少が有意な変化であった. 進行癌では隆起型は中期老年者で増加していたが, 後期では減少していた. 組織型では女性で乳頭状腺癌が増加し, 低分化腺癌, 印環細胞癌が減少していたが, 印環細胞癌の減少が有意な変化であった. 加齢に伴い腹膜転移, 肝臓転移が増加していたが, 男性の後期老年者に肝臓転移が有意に多かった.
  • 萱場 一則, 内藤 佳津雄, 長嶋 紀一, 桑島 巌, 蔵本 築, 三上 洋, 荻原 俊男, 吉田 馨, 尾前 照雄, 今鷹 耕二, 藤井 ...
    1995 年 32 巻 6 号 p. 429-437
    発行日: 1995/06/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    老年高血圧患者の主観的 Quality of Life (QOL) に影響する背景因子を明らかにする目的で, 多施設共同研究を行った.
    対象は高血圧にて外来通院中で, 明らかな心不全や痴呆がない60歳以上の, 男性249例, 女性267例の合計516例である. QOLの中核的構成要因である主観的要因を, 日本人の老年循環器疾患患者用に作成されたQOL評価法を用いて測定した. それと, 家族構成, 仕事, 収入, 社会経済階層, 身体的日常生活動作(ADL)などの社会的要因をはじめとする種々の背景因子との関連を, 年齢や性, 虚血性心疾患と脳卒中の合併の有無や使用薬剤などの医療要因で補正して包括的に検討した.
    その結果, 良好なQOL得点を示したのは, 配偶者や子供があり, 主観的生活程度が高く, 主な収入源が給与または自営業収入であり, 現在就業中で, 身体的ADLの障害がない対象者であった.
  • 綿谷 須賀子, 周藤 英将, 酒巻 一平, 上田 孝典, 中村 徹, 和野 雅治
    1995 年 32 巻 6 号 p. 438-441
    発行日: 1995/06/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    症例は74歳, 男性. 汎血球減少の精査目的で当科受診. 骨髄異形成症候群(MDS; refractory anemia with excess of blast; RAEB) と診断した. 外来に通院 (ubenimex 内服) 中, 血小板減少が著明となり, RAEB in transformation (RAEB-t) と診断した. 高齢者であり, 副作用の少ない cytosine arabinoside (ara-C) 少量療法, 即ち10mg/m2×2回/日, 皮下注を21日間施行した. 入院時24.4%認めた骨髄芽球は, 第37病日6.8%に減少し, 再度同療法で完全寛解を得(骨髄芽球0.6%), 三血球系の改善を認めた. なお治療中, 感染症・出血等の副作用は認めなかった. また, 日常生活動作 (activities of daily living: ADL) 能力の低下及び腎機能の悪化は認めなかった. さらに, 治療前に頻回に必要であった濃厚赤血球輸血及び濃縮血小板血漿輸血は, 治療中1~2回施行しただけであった. 約7カ月後再び汎血球減少を認め再入院したが, 骨髄中骨髄芽球17.8%で急性白血病への移行は認められなかった.
    近年, 増加しつつある高齢者の白血病・骨髄異形成症候群 (MDS) の治療法がいまだ確立をみない中で, 本療法は緩徐な抗腫瘍効果を有すが副作用の比較的少ない治療法として試みられている. しかし, 70歳以上の高齢者に対する著効例の報告は比較的少ない. 本症例は74歳と高齢であり, 本療法にて完全寛解に導入し得た貴重な症例と考えられた. なお, 本症例におけるara-C最高血中濃度は, 投与20分後, 一旦128ng/mlに達し, 本療法の作用機序として, 分化誘導よりむしろ緩徐な cytostatic な作用が推測された.
  • 丸山 博文, 阪田 千種, 原田 暁, 石崎 文子, 中村 重信
    1995 年 32 巻 6 号 p. 442-445
    発行日: 1995/06/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    症例は多発性硬化症の63歳女性. 1969年 (38歳) 右視力低下で発症し, 以後視力低下・脱力といった症状で寛解増悪を繰り返した. 1992年8月 (61歳) 左上下肢の脱力と感覚障害, 排尿・排便困難のため入院した. 頚髄MRIでC5-6のレベルに病変を認め, 多発性硬化症の再発と考えた. 直ちにステロイドパルス療法を行い, 以後プレドニゾロン漸減療法を行った. その結果, 筋力は全般に回復したが, 左上肢遠位部の筋力は3/5程度であった. また左上下肢の皮膚温低下, 著明な浮腫, 左肩関節亜脱臼, レーザー・ドップラー血流測定での左上肢の血流低下, 左大腿骨頭壊死を認めた. 1993年1月と9月のmultiple scanninng X-ray photodensitometry 法による手の検討では, 障害側の左手で骨減少が明らかであった. また2回の検査間ではほとんど変化しなかった右手に対して, 左手では著明な骨減少を認めた. 骨変化の進行に明らかな左右差を認めたことより, 骨減少の成因にはステロイドよりも, 多発性硬化症に伴う中枢神経障害に伴う自律神経障害による血流障害などがより強く影響を与えたことが示唆された.
  • 1995 年 32 巻 6 号 p. 446-462
    発行日: 1995/06/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
  • 1995 年 32 巻 6 号 p. 463-468
    発行日: 1995/06/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
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