日本老年医学会雑誌
Print ISSN : 0300-9173
33 巻, 4 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 細井 孝之, 松岡 博昭, 藤井 謙司, 小林 卓郎, 中内 浩二, 澤田 俊夫
    1996 年 33 巻 4 号 p. 239-268
    発行日: 1996/04/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
  • 新津 望, 梅田 正法
    1996 年 33 巻 4 号 p. 269-272
    発行日: 1996/04/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    高齢者造血器悪性腫瘍患者における癌の合併について検討した. 対象は, 過去10年に当科に入院した造血器腫瘍患者674症例で, 65歳以上の高齢者205例, 65歳未満の非高齢者469例であった. 全症例中癌の合併は56例 (8.3%) で, 高齢者44例 (21.5%), 非高齢者12例 (2.6%) と有意に高齢者の方が高率であった. 癌合併56例における造血器腫瘍の種類は, 多発性骨髄腫, 骨髄異形成症候群, 非ホジキンリンパ腫, 慢性骨髄性白血病が多かった. 合併した癌の種類は胃癌, 大腸癌, 乳癌, 食道癌が多くみられ, 高齢者では食道癌, 大腸癌, 非高齢者では胃癌が多かった. また, 高齢者では造血器腫瘍と癌の同時発症が多く20例に認めたが, 65歳未満では1例のみであった. アルキル化剤使用例が9例, エトポシド使用例が1例に認められた. 以上より, 高齢者造血器腫瘍患者では癌の合併が多く, 特に同時発症の場合は治療方法に難渋し, 癌の合併は予後を左右する因子となると考えられた.
  • 中島 一夫, 一之瀬 正彦
    1996 年 33 巻 4 号 p. 273-277
    発行日: 1996/04/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    目的: 65歳以降発症の発作性心房細動例 (E. PAf) の虚血性脳血管障害 (iCVD) 発症率を65歳以前発症の発作性心房細動例 (Y-PAf) 及び65歳以降発症の慢性心房細動例 (E-CAf) の発症率と比較し, その特徴を検討した.
    対象及び方法: 対象は, 弁膜症を有さず, 予防的抗凝固療法未施行のE-PAf 95例 (男54, 女41, 73.6±5.5歳) で, Y-PAf 79例 (男59, 女20, 52.4±11.6歳) 及びE-CAf 95例 (男54, 女41, 73.6±6.5歳)を対照として, 後向き調査にてiCVD全体及び成因別 (脳血栓症, 脳塞栓症) の発症率を算出した.
    結果: E-PAf は平均観察期間45.0カ月で, iCVD発症率は年間4.8% (塞栓2.7%, 血栓2.1%), Y-PAfは48.0カ月で年間2.5% (塞栓1.3%, 血栓0.6%, 分類不能な梗塞0.6%), E-CAfは59.8カ月で年間8.3%(塞栓5.1%, 血栓1.9%, 分類不能な梗塞1.3%) であった. iCVD全体の発症率で, E-PAf はE-CAf より有意に低率 (p<0.01), Y-PAfより有意に高率 (p<0.01), 脳塞栓症発症率でも, E-PAfはE-CAfより有意に低率 (p<0.01), Y-PAfより有意に高率 (p<0.01), 脳血栓症発症率では, E-PAfはY-PAfより有意に高率 (p<0.01) であった.
    E-PAf中, 1回のみのAf発作57例と複数回発作38例間で, iCVD発症率 (年間3.3% v.s. 6.0%) 及び脳塞栓症発症率 (年間0.8% v.s. 4.6%) は複数回例で有意に高率 (p<0.005), 一方, 脳血栓症発症率 (年間2.5% v.s. 1.4%) は有意差なし.
    E-PAf中21例 (22%) が慢性に移行し, 移行後, iCVD全体で5例 (年間発症率8.6%), その中, 脳塞栓症は3例 (年間発症率5.2%) に生じた.
    結語: 老年発症発作性心房細動群の虚血性脳血管障害及び脳塞栓症発症率は, 老年発症慢性心房細動群と若年発症発作性心房細動群の中間に位置し, 複数回の心房細動発作及び心房細動の慢性化が発症率をさらに上昇させる因子になると考えられた.
  • 西田 宏二, 東島 正泰, 高木 維彦, 明石 隆吉
    1996 年 33 巻 4 号 p. 278-283
    発行日: 1996/04/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    症例は74歳男性, 主訴は体重減少及び下血. X線及び内視鏡検査にて十二指腸球部に全周性の Borrmann 2型の腫瘤を認めた. 生検標本 (jumbo biopsy) のH-E染色で低分化型腺癌と診断されたが, Grimelius 染色では検索切片の大部分が陽性であった. さらに電子顕微鏡検査を施行したところ, 検索切片の大部分の癌細胞胞体内に1層の限界膜に包まれた内分泌顆粒 (membrane-bound granule) を多数認め, 内分泌細胞癌と診断した. 本症はすでに胆嚢底部及び膵頭部に一部浸潤しており, 年齢より手術不能と判断し化学療法を試みた.
  • 濱田 希臣, 重松 裕二, 小林 卓正, 児玉 光司, 林 豊, 原 裕二, 岡山 英樹, 川上 秀生, 桑原 大志, 池田 俊太郎, 橋田 ...
    1996 年 33 巻 4 号 p. 284-292
    発行日: 1996/04/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    患者は84歳女性. 1988年 (78歳), 顔面骨折の術前検査の心電図でIII, aVF の QS パターンを指摘され当科へ紹介された. 心エコー図検査により, 僧帽弁の収縮期前方運動 (SAM) は認めなかったが非対称性中隔肥大 (ASH: 心室中隔厚, 21mm, 左室後壁厚, 10mm) を認め, 肥大型非閉塞性心筋症と診断し, 以後β遮断薬とCa拮抗薬で治療していた.
    1992年末よりSAM及び左室内圧較差の出現を認め, 同時に労作時の息切れを認めるようになった. 左室内圧較差の増大, 左室駆出時間係数の延長が徐々に進展し, それぞれ, 1992年12月の46mmHg, 369msecから1994年5月の131mmHg, 459msecへと変化した. 1994年夏頃より, 著しい全身倦怠感が出現し9月28日, 当科へ入院した. ジソピラミド150ms/日の投与により, 左室内圧較差は180mmHgから76mmHgへと減少, 左室駆出時間係数も485msecから419msecへと短縮し, 左室駆出様式の改善と共に自覚症状も著しく改善した. 超高齢での左室内圧較差の出現と急激な進展を示す症例は稀であり, ジソピラミドの治療効果とともに報告した.
  • 1996 年 33 巻 4 号 p. 293-321
    発行日: 1996/04/25
    公開日: 2009/11/24
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