日本老年医学会雑誌
Print ISSN : 0300-9173
40 巻, 6 号
選択された号の論文の23件中1~23を表示しています
  • 廣川 勝〓
    2003 年 40 巻 6 号 p. 543-552
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 照屋 勝治
    2003 年 40 巻 6 号 p. 553-558
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    SARSはSARSウイルスと命名された新種のコロナウイルスによる新興感染症である. 2003年3月に突如出現し, 4ヵ月の間に世界30ヵ国以上, 8,439人の感染者を出した. 各国の精力的な取り組みにより, 流行は一旦収束したが, 冬季の再流行を予測する研究者も多い. 多くの感染は院内感染という形で広がっており, その制圧には院内感染対策の徹底が最も重要な位置を占めている. 疫学的データは飛沫感染が本疾患の主たる感染経路であることを示しているが, 患者由来の飛沫や糞便中にかなりの長期間ウイルスが生存しうることから, 環境表面を介した接触感染も重要な感染経路であろうと推測されている. ワクチンの開発や, 抗ウイルス薬などの研究はまだ端緒についたばかりであり, SARSに関して臨床で応用可能な知見はいまだ少ない. 臨床症状からはインフルエンザや他の異型肺炎の鑑別は極めて困難であり, 冬季に流行した場合の医療現場での混乱が危惧されている. 我が国のSARS対策を万全なものとするためには, 国レベル, 地方自治体レベルのみならず, 個人レベルでのSARS対策の策定が急務の課題であるといえる.
  • 長寿科学の果たす役割
    井形 昭弘
    2003 年 40 巻 6 号 p. 559-564
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2011/02/24
    ジャーナル フリー
  • 磯部 健一
    2003 年 40 巻 6 号 p. 565-568
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2011/02/24
    ジャーナル フリー
  • 下方 浩史, 安藤 富士子
    2003 年 40 巻 6 号 p. 569-572
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2011/02/24
    ジャーナル フリー
    日本の社会の高齢化は急速に進行している. アルッハイマー病, パーキンソン病, 骨粗鬆症などの老化に関わる疾患は直接死に結びつくわけではないが, 長期にわたって慢性的に進行し, 人格を崩壊させたり寝たきりにさせたり精神的に肉体的に本人や周囲の人々を苦しめる. 高齢者の数が飛躍的に増える中で, 高齢者の健康を守るための老年医学は, これからの日本の医学の中心になっていかねばならない. その老年医学の基礎を支えるエビデンスは疫学研究によって得られる. 平成9年から国立長寿医療研究センターにおいて老化および老年病の疫学研究 (NILS-LSA) が継続して行われ, 現在, 第3次調査を実施中である. NILS-LSAとその成果の一部を紹介し, 今後の日本の老年病疫学の新たなストラテジーのあり方を示す.
  • 柳澤 勝彦
    2003 年 40 巻 6 号 p. 573-574
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2011/02/24
    ジャーナル フリー
  • 池田 恭治
    2003 年 40 巻 6 号 p. 575-577
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2011/02/24
    ジャーナル フリー
  • 森 望, 古山 達雄, 山下 均
    2003 年 40 巻 6 号 p. 578-581
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2011/02/24
    ジャーナル フリー
  • 目標指向的プログラムにたって
    大川 弥生
    2003 年 40 巻 6 号 p. 582-585
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2011/02/24
    ジャーナル フリー
  • 伊藤 健吾
    2003 年 40 巻 6 号 p. 586-589
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2011/02/24
    ジャーナル フリー
  • 身体拘束廃止と支援機器の役割
    田村 俊世
    2003 年 40 巻 6 号 p. 590-592
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2011/02/24
    ジャーナル フリー
    高齢者の自立, 特に身体拘束廃止に伴う, 転倒の防止, 俳徊の防止を目的とした支援機器の開発を行った. 転倒の防止のために, 歩行支援機, 転倒を検出するセンサ, 排徊を防ぐための作業療法としての人形療法について述べる.
  • 安井 明, 菅野 新一郎, 高尾 雅
    2003 年 40 巻 6 号 p. 593-595
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2011/02/24
    ジャーナル フリー
    活性酸素によるDNA損傷は加齢とともに核及びミトコンドリアゲノムで蓄積し, 発ガンの原因となることが明らかにされてきた. 活性酸素によるDNA損傷のうち塩基の損傷や単鎖切断などは最も発生頻度が高く, 突然変異や細胞死の原因となるが, バクテリアからヒトまで進化的に良く保存されている塩基除去修復により効果的に修復される. この修復過程には多くの修復酵素が関与していて, それらの機能とその欠損の影響を解析することにより, DNA損傷と加齢疾患との関係が明らかになると期待される. その試みとして, 我々がマウスでの活性酸素によるDNA損傷の修復酵素の機能解析を個体, 細胞, ゲノムのレベルで行い, 哺乳動物での新しい防御機構を発見したことを述べ, DNA損傷と老化の関係について考察する.
  • 白澤 卓二
    2003 年 40 巻 6 号 p. 596-598
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2011/02/24
    ジャーナル フリー
  • 川原 弘久
    2003 年 40 巻 6 号 p. 599-601
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2011/02/24
    ジャーナル フリー
  • 折茂 肇
    2003 年 40 巻 6 号 p. 602-604
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2011/02/24
    ジャーナル フリー
  • 山本 楯
    2003 年 40 巻 6 号 p. 605-606
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2011/02/24
    ジャーナル フリー
  • 高齢者の終末期医療を考える
    下郷 宏
    2003 年 40 巻 6 号 p. 607-609
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2011/02/24
    ジャーナル フリー
  • PWVを用いた検討-端野・壮瞥町研究-
    磯部 健, 斎藤 重幸, 高木 覚, 大西 浩文, 大畑 純一, 竹内 宏, 藤原 禎, 赤坂 憲, 島本 和明
    2003 年 40 巻 6 号 p. 610-614
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2011/02/24
    ジャーナル フリー
    高血圧, 糖尿病は動脈硬化の危険因子であり, その合併は動脈硬化進展や動脈硬化性疾患発症に相乗的に作用する. 本研究では老年者における高血圧と糖尿病の合併と Pulse wave velocity (以下PWVと略す) で評価した動脈硬化の関連を検討した. 住民検診受診者で60歳以上の男性186名 (平均年齢68.8±5.8歳) を対象にPWV, 収縮期血圧 (SBP), 拡張期血圧 (DBP), body mass index (BMI), 空腹時血糖 (FBS), 総コレステロール (TC), トリグリセリド (TG), HDLコレステロール (HDL) を測定した. 米国糖尿病協会 (ADA) の空腹時血糖値による診断基準に基づき, 正常 (NGT) 群 (FBS<110mg/dl), IFG (IFG) 群 (110≦FBS<126), 糖尿病群 (DM) 群 (FBS≧126または糖尿病治療者) の三群に分け, JNG-VI, WHO/ISH の診断基準により, 収縮期血圧140mmHg以上または拡張期血圧90mmHg以上または降圧薬服用者を高血圧 (HT) 群, それ以外を正常血圧 (NT) 群に分類した. PWVはSBP, FBSと有意な正相関を示した (それぞれr=0.499, r=0.300). 耐糖能群別に高血圧がPWVに与える影響を検討すると, それぞれHT群はNT群に比べ有意に高値を示した (いずれもp<0.01). またHT群では血糖高値群でPWVの上昇を認め, DM群はNGT群に比較して有意に (p=0.002) PWVは高値であった. PWVを目的変数として重回帰分析を行うとSBP, FBSが有意な説明変数として採択された. 老年者でも軽度耐糖能障害と高血圧が合併する場合には, 動脈硬化疾患発症を予防するためにより厳重な管理が必要であると考えられる.
  • 青木 昭子, 佐藤 貴子, 五十嵐 俊久
    2003 年 40 巻 6 号 p. 615-619
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2011/02/24
    ジャーナル フリー
    2002年1月から12月に大腿骨頸部骨折のため入院した38人について, 入院後の合併症を検討した. 平均年齢84.5±6.8歳. 女性32例, 男性6人. 27人 (71%) が軽度以上の痴呆を有し, 33人 (86.8%) が何らかの基礎疾患を有した. 基礎疾患の種類は高血圧29人, 脳梗塞/脳出血後遺症7人, うっ血性心不全5人, 糖尿病4人, 胃潰瘍/胃炎3人, 虚血性心疾患4人, 抑うつ/うつ病2人. 3人が大腿骨頸部骨折の既往を有した. 14例 (37%) で入院後合併症の併発がみられた (肺炎9人, めまい, 嘔吐, 心不全急性増悪, 総胆管結石, 消化管出血各1人). 術前に肺炎を合併8人, 術後に合併1人. 肺炎の重症度は軽症2例, 中等症5例, 重症2例で, 重症の2例は死亡となった. 起因菌が同定されたのは2例のみ (肺炎球菌, インフルエンザ桿菌) であった. 肺炎合併群は非合併群に比べ有意に高齢で, 痴呆の程度が重かった. 入院前の日常生活自立度や歩行能力は2群で差がなかったが, 肺炎合併群では骨折後の自立度や歩行能力が骨折前に比べ有意に低下していた. 肺炎合併群では有意に手術までの日数が長く, 手術例のみの比較では, 肺炎合併群の入院日数が有意に長期であった. 大腿骨頸部骨折のため入院した患者の予後を改善するためには, 入院後肺炎の予防が重要と考えた.
  • 水谷 洋子, 伊藤 美武
    2003 年 40 巻 6 号 p. 620-626
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2011/02/24
    ジャーナル フリー
    食餌制限による寿命延長効果は, すでに実験的に多くの動物種で明らかにされているが, その作用機序は未だ明らかとなっておらず, 生理的機能低下の抑制や病変発生の抑制と遅延, 酸化的ストレスによる障害の軽減作用などさまざまな報告がある.
    本報告では加齢と食餌制限について, 酸化的ストレスの関与を明らかにするため, ドンリュウ系雄ラットを用いて, 自由摂取群と食餌制限下 (給餌量を自由摂取群摂取量の60%に制限) で飼育した制限群の2群について, 3~4, 6, 12, 18ヵ月齢時の血漿, 肝臓, 腎臓における過酸化脂質の変化を比較検討した.
    過酸化脂質の指標として, 脂質の酸化反応第一生成物ヒドロペルオキシドに高い選択性を示す蛍光試薬ジフェニル-1-ピレニルホスフィンを用いて, 高速液体クロマトグラフィーポストカラム蛍光法により, ホスファチジルコリンヒドロペルオキシド (PCOOH) を測定した. その結果, 従来より汎用されているチオバルビツール酸法による結果と比較して特異的且つ高感度に, 加齢に伴う過酸化脂質の変化および食餌制限による過酸化脂質への影響を観察することができ, 以下の結果が得られた. 1) 血漿, 腎臓, 肝臓において加齢に伴いPCOOHは増加した. 2) 食餌制限により加齢に伴うPCOOHの上昇は, 血漿では顕著に抑制され, 肝臓においては抑制の傾向が認められ, 腎臓においては顕著な影響は認められなかった.
    これらの結果から, 加齢に伴いPCOOHは増加し, この増加は食餌制限によって抑制される傾向にあることが明らかとなった. また, この抑制作用は臓器によって異なり, 血漿では著しく抑制されることも判明した. 以上から, 加齢に伴うPCOOHの増加は生体膜の障害を引き起こし, それが疾病の発症へ導く要因の一つとなり, さらに寿命短縮につながるのではないかと考えられた. また, 加齢に伴うPCOOHの増加が食餌制限により抑制傾向にあることから, これが加齢に伴う疾病の発生を抑制するものと推測された.
  • 地域医療白書全国調査より
    高屋敷 明由美, 岡山 雅信, 中村 好一, 梶井 英治
    2003 年 40 巻 6 号 p. 627-632
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2011/02/24
    ジャーナル フリー
    全国3,252市町村を対象に自記式調査を実施し, 国民健康保険担当者が「老後を安心して暮らすことができる」と評価することに関連する因子を解析・検討した. 調査票で, 老後を安心して暮らすことができるかどうかと保健医療福祉に詳細の項目についての各市町村の現状を, 4段階からのカテゴリーで情報収集した. 老後の安心した暮らしに対する回答を目的変数にし, 保健医療福祉の様々な項目に関する回答と, 既存の市町村別データ (高齢者世帯割合, 65歳以上就業率, 財政力指数, へき地指定有無) を説明変数とした. 各因子ごとに「老後の安心した暮らし」への回答分布を観察し, 次いで条件なしロジスティックモデルを用いて各因子ごとの不安群に対する安心群のオッズ比とその95%信頼区間を, 全体, へき地指定有無による市町村区分別に求めた. 3,252自治体のうち,「老後の安心した暮らし」へ回答の得られた2,957自治体 (91%) を解析対象とした. 58%が「老後を安心して暮らすことができる」と回答した.「老後の安心した暮らし」との関連性は, 両市町村区分において「満足した在宅医療の提供」,「医療保健福祉の連携」,「福祉活動内容の充実」で有意であった. また, 市部において「高齢者世帯割合」とは負の関連を,「介護職員確保の安定」などと正の関連を認めた. 今後, 老後を安心して暮らせる地域づくりのために, 保健福祉施策に合わせて在宅医療の提供体制の整備など医療面での充実を計ることの重要性が示唆された.
  • 在宅医療チームとの連携より
    須藤 英一, 田沼 志保, 村田 真知子, 高橋 義彦, 吉田 章, 大濱 用八郎
    2003 年 40 巻 6 号 p. 633-638
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2011/02/24
    ジャーナル フリー
    81歳男性. 1997年頃より多発性脳梗塞, アルツハイマー型痴呆症の診断にて近医でフォローされていた. 1999年12月肺炎の診断で当院に入院した. 入院前より既に日常生活動作は低下し全介助の状態であったが経口摂取をしていた. 入院後重度の痴呆症と嚥下障害を認めたため肺炎の治療と並行し経口摂取可否のスクリーニングをしたところ, 経口摂取の遂行は危険と判断し, 肺炎加療後2000年1月26日経皮内視鏡的胃瘻造設術を施行した. 嚥下性肺炎を併発したが胃瘻からの経腸栄養剤の注入は徐々に好転, 2000年6月自宅退院後, 在宅にて改めてかかりつけ内科医による往診や訪問看護を導入し, 意識, vital signs, 皮膚, 呼吸状態等全身状態の観察や対応策を講じながら地域医療スタッフと連携し経過を把握していた. その後, しばしば咳, 痰, 高熱を認め嚥下性肺炎と考えられる症状の増悪, 緩解にて当院に入退院を繰り返していた. 2001年12月, 6回目の入院時, 注入チューブのトラブルや頻回にわたる胃食道逆流により, 胃瘻管理は患者への負担が大きいものと判断し2002年1月胃瘻チューブを抜去し, 中心静脈栄養 (intra-venous hyperalimentation: IVH) 管理として自宅退院となった. その際, これまでのかかりつけ医とは別にIVH管理も必要なため, 家族の不安感情に答えるためにも24時間往診体制による定期訪問診療を導入した. その後は全身状態に著変なく, 退院後1年2ヵ月後の現在まで再入院することなく安定した在宅療養生活を送っている.
  • 2003 年 40 巻 6 号 p. 639-646
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2011/02/24
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