日本老年医学会雑誌
Print ISSN : 0300-9173
5 巻, 1 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 小川 巌, 山田 弘三, 岸本 鎌一
    1968 年 5 巻 1 号 p. 1-20
    発行日: 1968/01/31
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
  • N. W. Shock
    1968 年 5 巻 1 号 p. 21-28
    発行日: 1968/01/31
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    老年学における研究の目標は老人の生活を改善するに適当な手段がとられるよう, 老化についての生物学的根本機構を理解することであるし, また老年学者は老化という生物学的根本機構をあらゆる科学的手段を用い追求する役目をもっている.
    老人の患者を扱う医師にとっては老化と疾病の合併した人々を診ることになるので, 医師は種々な疾病に興味を示すとともに, また老化と疾病との関係についてもより深い知識を必要とする.
    現在年令差の背後にある機構をある程度知るところまで進歩してきているが, いまだ十分とはいえない.
    ここで私は老化についての生理学的研究の一端をわれわれの研究所でのここ10年間にわたる腎機能の研究を中心としてお話しすることにする.
    20~90才までの腎疾患のない人を選び腎血流量を調べると一般的にいって加令とともに減少する. しかし70~80才の老年者でも若年者と同じ腎血流量を有する人があるので年令がすべての人に同じ程度に影響を及ぼしているとは限らない. 腎血流量の加令による低下は心搏出量の低下, 腎血管の動脈硬化の度合に関係するといわれているが血管拡張剤や収縮剤を使用すれば老年者の腎血管の拡張, および収縮は若年者と比し変らないのみならずむしろその度合は大きいくらいであった. これは老年者における心搏出量の低下に対する1つの生理的適応と考えられる. われわれは老人の腎機能低下はネフロンの数がかなり消失することによるものだと結論してきたが老年者の腎に残存しているネフロンが若年者と同じ機能を有するか否かを調べるために抗利尿ホルモンに対する尿細管の反応を若年者, 中年者, 老年者に分け検討した. イヌリン尿中/血中比の上昇を抗利尿作用の指標として水を与えて十分の利尿がついたときピトレッシンを与えると老年者では若年者に比しイヌリン尿中/血中比は明らかに減少していた. この事実は抗利尿ホルモンを与えたとき遠位尿細管の滲透圧調節の働きが老年者では明らかに低下していることを示している. また老年者では遠位尿細管のアンモニア生成能も低下していた.
    以上老年者ではネフロン自体の機能低下がみられるといってもよいが, その機序は明らかではない. そこで実駁的にネズミ腎組織片を用いて次の実験を行なった. PAH, α-アミノ酪酸の腎組織への累積を調べると外側皮質では年令差がなく内側皮質におけるその累積は加令とともに減少し, またNa依存ATPaseも同様な傾向を有することがわかった.
    つまりこれらの実験結果は老年動物の細胞自体でのエネルギー産生系の機能が徐々に低下していくことを示している. それ故加令と共に腎機能が全体的に低下することはネフロン数の減少, 心搏出量の減少, および腎尿細管細胞内のエネルギー産生の減少等を含む多くの要因によると考えられる.
    またわれわれの最近の研究は動物の寿命に影響している遺伝のしくみに対して向けられている. 種々の動物の寿命はそれぞれの種によって決められているといってよい. われわれはその種の動物の最長寿命は遺伝子構成で決定され同一種における個々の寿命の変異が環境因子によって起るという仮説を立てている. 外気の温度や栄養状態によって同一種の動物でその寿命が変わることはよく知られている.
    一般的にいって温度が高ければ動物体内の生化学的過程が早められ遺伝の「プログラム」が早く読み終えられてしまうと考えられている. ある種の動物を高温に曝らすとその寿命は約半分に短縮したが孵化期や産卵期には変りなく産卵後の寿命が短縮した. それに比べ食物の制限をすればその寿命は5割増加した. これは産卵期間の延長によるものであった.
    これらの実験は環境が1つの動物の生活環境のそれぞれの長さを変える1つのよい例である.
    最後にわがバルチモア市に建設される国立の老年学研究センターをご紹介することにする. この研究所ではそれぞれの科学の分野の多くの専門家の協力で老化についての研究が種々な観点より追求されるとともに老年学研究者の育成がなされることになっている.
    研究センター完成の暁には老化の生物学的研究は前進し老年学研究の前途は輝かしいものとなることを確信している.
  • 緒方 知三郎
    1968 年 5 巻 1 号 p. 29-34
    発行日: 1968/01/31
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
  • 橘 覚勝
    1968 年 5 巻 1 号 p. 35-37
    発行日: 1968/01/31
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
  • 尼子 富士郎
    1968 年 5 巻 1 号 p. 38-44
    発行日: 1968/01/31
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
  • 1968 年 5 巻 1 号 p. 45-66
    発行日: 1968/01/31
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
  • 1968 年 5 巻 1 号 p. 67-83
    発行日: 1968/01/31
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
  • 1968 年 5 巻 1 号 p. 83-101
    発行日: 1968/01/31
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
feedback
Top