群馬保健学研究
Online ISSN : 1343-4179
ISSN-L : 1343-4179
40 巻
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 黒岩 めぐみ, 金泉 志保美
    2020 年 40 巻 p. 1-7
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/04/27
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は、病気や障害をもつ子どものきょうだい児に対して行われている支援に関する研究の動向を明らかにし、今後の研究課題を検討することを目的とした。医学中央雑誌Web(Ver.5)を用いて2010年~2019年の文献を検索し、14件を対象に分析した。研究対象は看護師が最も多く、きょうだい児を直接対象として調査・分析している研究は3件と少なかった。NICUを対象とした研究は2件であった。対象文献の研究内容をコード化し、類似性に従って分類した結果、【きょうだい児への具体的な介入の実施とその評価】【看護師をはじめとする医療者が行っているきょうだい児への支援の現状】【家族からきょうだい児に対して行われた情報提供に関する研究】【母親の認識するきょうだい児の面会により得られる効果】の4カテゴリが形成された。今後の課題として、きょうだい児への直接的な支援が積極的に行われること、NICUにおけるきょうだい面会の推進およびきょうだい児の反応を明らかにすることの必要性が示唆された。
  • 戸谷 幸佳, 梨木 恵実子, 吉田 恭子, 内田 陽子
    2020 年 40 巻 p. 8-17
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/04/27
    ジャーナル オープンアクセス
    【目的】研究者らが開発した高齢者向け住まいに居住する高齢者のアドバンスケアプランニングを支援する「本人の意思を尊重する人生の最終段階に向けたエンドオブライフケアパス(以下、EOLCパス)」の有用性を明らかにする。 【方法】EOLCパスの開発は入居者本人の意思が反映され、一般市民でも理解しやすい内容になるよう留意し行った。群馬県中核市にあるサービス付き高齢者向け住宅132施設にEOLCパス項目の実施と必要性の有無を自記式質問紙にて郵送調査を行った。 【結果】35施設から返信があり、同意が確認された23施設を分析対象とした。対象施設の背景は、看取り経験ありは18施設、看取りマニュアル作成は8施設、常勤看護師不在は10施設であった。パス項目で、実施・必要性が共に90%以上の項目は、「性別・家族の確認」、「もしもの時に意思決定を任せたい人の確認」であった。すべてのパス項目に対して、6割以上の回答者が必要性があると評価、パスは役立つと20施設が回答した。 【考察】EOLCパスは一定の有用性が確認され、今後は実際に高齢者向け住まいで使用、評価を行う必要性があると考える。
  • 石下 綾乃, 近藤 由香
    2020 年 40 巻 p. 18-27
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/04/27
    ジャーナル オープンアクセス
    研究目的はがん患者の睡眠に関する国内の研究の動向を明らかにすることである。医学中央雑誌WEB版(ver5)を用いて,「がん」and「睡眠」,「がん」and「不眠」のキーワードに,「患者」,「看護」を掛け合わせた結果,15文献が選定された。発行年,研究デザイン,対象,測定指標,測定期間などは,内容の類似性に基づき分類したのち度数の算出を行った。また,目的と主な結果は,内容の類似性に基づき,主な研究内容に分類した。 発行年は,2010~2018年が8件と最も多く,研究デザインは,関係探索研究が12件,因果仮説検証研究が3件であった。対象数は,20名以下が6件と最も多く,対象の治療は,手術後が3件,化学療法と化学・放射線療法が各1件などであった。測定指標は,生理学的指標が4件,心理学的指標が16件などであった。研究内容は,「がん患者の睡眠評価」9件,「医療従事者とがん患者の睡眠評価」3件,「がん患者の睡眠への介入」3件に分類された。本研究の結果より,治療期や在宅療養中の患者の睡眠評価の他に,睡眠に問題のある患者の体験や医療従事者の患者の睡眠への認識,また介入研究等を推進していく必要性が示唆された。
  • 田中 美優, 辻村 弘美, 金泉 志保美, 高橋 さつき, 井手段 幸樹, 岡 美智代
    2020 年 40 巻 p. 28-35
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/04/27
    ジャーナル オープンアクセス
    【目的】ナースステーション申し送りと比較してベッドサイド申し送りの現状,利点,欠点を明らかにすることで,ベッドサイド申し送りにおける今後の課題を検討することである。【方法】A病院に勤務し,ベッドサイドとナースステーションの申し送りの両方を経験している看護師19名を対象とし,自己記載式質問紙調査を行った。【結果】16名からの回答が得られた。ベッドサイド申し送りでは,「看護師が患者の状態を正確に把握」と「個人情報が漏えいの危険性」について「思う」「まあ思う」と回答したのが100%であった。【考察】ベッドサイド申し送りでは複数の看護師の観察により,確実な情報共有・伝達に繋がると考えられる。一方,個人情報漏えいの危険性があることが明らかになった。
  • 牛久保 美津子, 櫛谷 雅子, 高橋 千里
    2020 年 40 巻 p. 36-41
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/04/27
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は、筋萎側索硬化症(ALS)とハンチントン病(HD)の2つの神経難病をかかえた療養者の療養経過とケア困難を明らかにした。対象事例A氏(60歳台)の妻と訪問看護師の2名を対象者として半構成的面接を行った。療養経過は、201X年にALSの診断、その後すぐにHDの診断を受けた。診断から死亡までの期間は9か月であった。妻と訪問看護師のとらえたA氏の心境として、【病気のショックとしょうがない気持ち】、【医療処置の意思決定で揺れ動く気持ち】、【精神的辛さや不安定な気持ち】、【自分の子供や兄弟への遺伝性が心配】が抽出された。介護・ケア上の困難は、【2つの病気の性質と治療に関する困難】、【本人の胃瘻造設拒否の意思を受け入れる困難】、【介護負担の増大】、【難病申請手続きの困難】が抽出された。病状進行の速いALSを中心にみながらも、両方の病状アセスメントを行い、本人と家族への精神的ケアとともに、適切な時期に対症療法を導入するための意思決定支援、合わせて家族介護負担の軽減が重要である。
  • 松本 光寛, 高橋 さつき, 岡 美智代
    2020 年 40 巻 p. 42-46
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/04/27
    ジャーナル オープンアクセス
    本事例は、慢性心不全をもつA氏が成功体験を経ることで自己効力感を高め、行動変容へ至るまでの単一事例である。心不全患者は疾病の増悪予防のため、生涯にわたり水分管理などの保健行動を獲得する必要がある。個人の行動に関係する心理社会的要因として自己効力感があり、行動についての自信や可能性の認知、目標とする行動の先行要因になると言われている。 慢性心不全をもつA氏(80歳代・男性)は20年間通院をしており、今回の入院は12回目である。A氏は半年で3回入院しており、医師、看護師より水分制限の必要性を伝えているがセルフケア行動が継続できないと報告があった。筆者である看護師MMは、A氏の病状理解や療養状況を確認するために訪問したが、セルフマネジメントの確認ではなくA氏の語りに耳を傾けた。MMは医療者からみた問題だけに焦点を当て行動変容を強いるのではなく、A氏を尊重することで信頼関係を構築していった。また、A氏の生きがいと困難事連結するなど生活背景を尊重した目標を立てた。そして、在宅に戻った際に実行可能な方法を用いることで成功体験を重ね、自己効力感が高まり行動変容を促すことに繋がった。
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