損害保険研究
Online ISSN : 2434-060X
Print ISSN : 0287-6337
76 巻 , 2 号
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<研究論文>
  • 嘉村 雄司
    2014 年 76 巻 2 号 p. 1-30
    発行日: 2014/08/25
    公開日: 2019/07/21
    ジャーナル フリー

     保険法学説では,保険とクレジット・デリバティブ取引の法的区別が問題とされてきた。これまでに,損害てん補の目的の有無あるいは保険技術の利用の有無という基準が主張されている。これらの基準により,保険とクレジット・デリバティブ取引の法的区別の問題は,解決されてしまったもののようにもみえる。

     しかし,クレジット・デリバティブ取引の実態に鑑みると,損害てん補の目的あるいは保険技術の利用といった要素を具備する取引が存在していることを否定できないと思われる。そうすると,「クレジット・デリバティブ取引の一部は保険の要素を具備している」と解することも可能ではないのかとの疑問が浮上する。

     この点,現在のアメリカでは,従来提唱されていた基準を再構築する試みが始まっており,その妥当範囲の限界が指摘されるに至っている。そこで,本稿では,このようなアメリカの議論を参照しつつ,上記のような基準の妥当範囲の限界を明らかにすることとしたい。

  • 新谷 哲之介
    2014 年 76 巻 2 号 p. 31-74
    発行日: 2014/08/25
    公開日: 2019/07/21
    ジャーナル フリー

     Warrantyはその法理の厳格性ゆえ旧来より批判が見られ,現在行われている英国保険法改正の検討作業においても論点の一つとなっている。本稿は今日におけるWarrantyの原理および運用の実態を,主に三つの観点で考察し,理論的な解明を試みる。

    1.Warrantyの学術的な原理と実務上の原理との間に乖離が発生していることを指摘し,さらに実務上の原理が多様化している実態について調査し,判例などを通じ理論としての解明を試みる。

    2.進行中である英国法改正の方向性について評価・考察を行いながら,Warrantyの存立理由やその有益性について考える。

    3.わが国の外航貨物海上保険は,填補責任や保険金支払に関する準拠法を英国法と定めるが,契約締結の準拠法は日本法である。一方で日本法にWarrantyの概念は無いため,わが国の保険法と英国法上のWarrantyとの整合についての考察を行う。

<研究ノート>
  • 江淵 剛
    2014 年 76 巻 2 号 p. 75-99
    発行日: 2014/08/25
    公開日: 2019/07/21
    ジャーナル フリー

     企業年金に注目が集まる中で,資産運用環境の激変や退職給付会計基準の変更及び厚生年金基金制度の大幅廃止方針など,制度を取り巻く環境は大きな変容の過程にある。

     確定給付型の企業年金を中心として,国内外を問わず進展している事象がリスク低減志向である。それには,資産運用面からと制度運営の両面から確認できる。とりわけ,米国においては,母体企業のバランスシートから企業年金における債務を切り離す施策として年金バイアウトや年金一括払いの提案がなされるケースが見られる。

     リスク低減志向は,企業年金制度運営における持続可能性を図る施策の一つではあるものの,加入者(従業員)の福祉の切り下げを惹起しかねない。「公・私」,「確定給付・確定拠出」の組み合わせを念頭に置いた上で,老後所得保障充実に向けた政策によるイニシアチブも重要となる。

<講演録>
<翻訳>
<損害保険判例研究>
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