Warrantyはその法理の厳格性ゆえ旧来より批判が見られ,現在行われている英国保険法改正の検討作業においても論点の一つとなっている。本稿は今日におけるWarrantyの原理および運用の実態を,主に三つの観点で考察し,理論的な解明を試みる。
1.Warrantyの学術的な原理と実務上の原理との間に乖離が発生していることを指摘し,さらに実務上の原理が多様化している実態について調査し,判例などを通じ理論としての解明を試みる。
2.進行中である英国法改正の方向性について評価・考察を行いながら,Warrantyの存立理由やその有益性について考える。
3.わが国の外航貨物海上保険は,填補責任や保険金支払に関する準拠法を英国法と定めるが,契約締結の準拠法は日本法である。一方で日本法にWarrantyの概念は無いため,わが国の保険法と英国法上のWarrantyとの整合についての考察を行う。
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