交通事故の被害者などに生ずる後遺障害は,障害の程度に応じて1級から14級までの後遺障害等級によって認定される。
本稿は,後遺障害における認定の要件と関連する諸問題を,神経症状12級・14級を中心に検討するものである。
まず,基礎知識の整理として,後遺障害の意義と要件,関連する問題と神経症状12級・14級の認定基準について検討し,認定の要件である他覚所見の意義と評価について医学的見解,判例,保険約款の各視点から検討を加えた。
次いで,認定に対する異議申立について,異議申立の方法を述べ,認否の事由について論じた。
異議申立において検討される問題点は,実際に判断が示された事例を詳細に見ることにより,判断基準などを理解できると考えるところから,事例に基づき認否の要点等について具体的検討を行った。
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