損害保険研究
Online ISSN : 2434-060X
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<論文>
  • 竹内 真登, 星野 崇宏
    2018 年 79 巻 4 号 p. 1-38
    発行日: 2018/02/25
    公開日: 2019/04/09
    ジャーナル フリー

     本研究は,17万人を超える非常に大規模な調査データを用いて消費者の保険加入行動について,回答者の基本属性や金融資産におけるリスク資産保有比率との関係から検証することを目的としている。基本属性別の結果で,筆者らは各保険商品の加入状況,各保険加入者の利用チャネル,自動車保険・火災保険加入者におけるインターネット加入の比率が属性によって変化するかどうかを示した。更に,リスク資産保有比率が0%の回答者を除いてリスク資産保有比率が高まるほど各保険商品の加入率が低下する傾向にあること,リスク資産保有比率が高い(またはリスク資産を保有する)回答者ほど自動車保険・火災保険の契約でインターネットの利用率が高まることを見出した。最後に,筆者らは得られた結果のインプリケーションと今後の課題を議論した。

  • 藤井 卓治
    2018 年 79 巻 4 号 p. 39-70
    発行日: 2018/02/25
    公開日: 2019/04/09
    ジャーナル フリー

     外航船の船舶保険において,保険契約者である船舶所有者(または裸傭船者)が船舶管理者などを含む複数の者を共同被保険者に追加することが多いが,その場合に,各共同被保険者に帰属する保険金請求権の競合ないし対立が問題となる。保険証券上に保険契約者=船舶所有者(または裸傭船者)を保険金支払先として明記することで問題は解決すると思われるが,保険法8条は保険契約者によって指定された被保険者には保険金請求権が帰属する旨を定め,同12条が被保険者に不利な特約を無効とする旨を定めているため,この方式が他の共同被保険者に不利にならないかを検討する必要がある。保険契約者が船舶管理者等の者を共同被保険者に追加する主な理由は「共同被保険者の法理」によってこれらの者が保険者から代位求償される可能性を排除することであって,彼らが自ら保険金請求権を行使することは想定されていない。船舶保険における保険金は,全損金以外はすべて費用保険金または責任保険金であり,これらについての保険金請求権は船舶の運航・管理に関与する者の不真正連帯債務を裏付けとする連帯債権である。被保険者のうちの任意の1名による保険金請求権の行使(それによる債務の履行)は,他の被保険者の債務を消滅させるため,保険金請求権の行使を保険契約者に集中させることが他の共同被保険者の不利になることはない。

  • 大島 道雄
    2018 年 79 巻 4 号 p. 71-117
    発行日: 2018/02/25
    公開日: 2019/04/09
    ジャーナル フリー

     2017年は損害保険自由化後20年目にあたる。本稿はこれを機に,自動車保険の自由化後の推移を,自由化以前・以降の長期間のデータを用い考察したものである。

     自由化に関しては,10周年を機に,主に自動車保険を対象とした研究等がなされ,競争による保険料の低廉化,事業費率の低下,商品・販売方法の多様化等が自由化の成果として,総じて高い評価が与えられている。しかし,データの検証が不十分と思われる研究や,当時の研究成果では説明困難な実績が認められる。このため,損害保険全体の事業費率,および事業費の主要な費目である代理店手数料の手数料費率の推移,自動車保険の事業費率および保険料単価の推移,純率に影響を与える諸要素の動き,損害率の内訳を調査した結果,自動車保険に与えた自由化の影響は従来の評価とは大きく異なっていることが明らかになった。

     本稿は自由化後の自動車保険の推移に関して,従来とは異なった見解を提示するものである。

  • 植草 桂子
    2018 年 79 巻 4 号 p. 119-139
    発行日: 2018/02/25
    公開日: 2019/04/09
    ジャーナル フリー

     自動車保険の新たな担保種目として1998年10月から販売が開始された人身傷害保険は,販売開始から20年近くを経過した現在,広く普及する一方で,様々な論点を生み出している。近時問題が顕在化しつつあるのが,約款に定める損害額算定基準に基づき算定した被保険者(交通事故の被害者)の損害の額が保険金額を超過するため,人身傷害保険の保険会社が,保険金額に上乗せする形で自賠責保険金を立替払した場合(狭義の「人傷一括払」)の対応である。

     本稿では,「人傷一括払」を広義と狭義に分けて整理し,狭義の「人傷一括払」が行われた事案について,どのような点が問題となっているのかを紹介し,解決の方向性について検討を行う。

<講演録>
<損害保険判例研究>
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