天然のチタン輝石においてはTi〓Mg置換とAl〓Si置換とが平行しておこなわれているので,CaTiAl
2O
6(T
p)のごとき仮想的分子の存在を考えることができる。そこでCaMgSi
2O
6-CaTiAl
2O
6系の平衡関係を常圧下で検討したところ,Di
100~Di
89T
p11(wt%)の間の2成分輝石固溶体が存在することが明らかになった。これよりもT
pにとむ組成からは輝石のほかにペロブスカイト,スピネル,黄長石,苦土かんらん石が晶出し,2成分系としてはとりあつかいえない,この輝石固溶体の光学的性質,X線的性質を検討すると,化学組成との間にほゞ直線的な関係がみられる。 つぎにこれらの輝石固溶体を10~25kb,1,000℃,の条件下に30~60分加圧したところ,均一な輝石でなく,ペロブスカイトを析出した。したがって高圧下では透輝石中におけるT
p分子の溶解度は大いに減少するものと推定される。
抄録全体を表示