ノーゼライトの原子位置パラメータの広範囲の変化に対して計算回折強度を求め,粉末X線回折強度と比較して,平均的原子位置パラメータの最適値を得た。次いで奇数次回折強度によって,アルミノシリケート骨格構造中の2種の酸素イオンのパラメータのずれを求め,陰イオン充填位置と空位置のまわりのイオン配置の様子を示した。(Si,Al)O
4四面体結合が歪んで,陰イオン空位に対しているNaイオンは酸素に7配位された状態になっている。 焼成法で得られた各種のノーゼライト試料の奇数次回折強度は一定でなく,SO
2_4イオン分布の存在を裏づけた。SO
2_4イオンの1b位置への分布率は,これらの試料においてほゞ15%~25%にわたった。
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