痛風と核酸代謝
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35 巻 , 1 号
痛風と核酸代謝
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総説
原著 1
  • 古賀 正史, 笠山 宗正, 森脇 優司, 山本 徹也
    2011 年 35 巻 1 号 p. 9-17
    発行日: 2011年
    公開日: 2015/04/01
    ジャーナル フリー
    1,5-アンヒドログルシトール(1,5-AG)は SGLT4(sodium-glucose cotransporter 4)を介して腎近位尿細管で再吸収される物質であり,その再吸収が尿糖により抑制されることにより血中濃度が減少することを応用した血糖コントロール指標である.今回,血清尿酸値と血清1,5-AGとの関連について,正常耐糖能例を対象にして検討した.人間ドック受診者のうち,75gブドウ糖負荷(OGTT)で正常耐糖能を示した男性158名,女性173名を対象とし,男女別に解析を行った.高尿酸血症・痛風の薬物治療例は除外した.血清1,5-AGを目的変数とした多変量解析にて血清尿酸値のみが独立した正の説明変数であった.また,血清尿酸値を目的変数とした多変量解析においても血清1,5-AGが独立した正の説明変数であった.血清尿酸値はHbA1cとは相関を認めなかったが,血清1,5-AGと有意の正の相関を認めた.血清1,5-AGは空腹時血糖,OGTT2時間血糖と有意の相関を認めなかった.以上の現象は男女ともに認められた.糖尿病患者で血清1,5-AG値が血清尿酸値と正に相関することは既に報告されており,尿糖排泄増加に伴い尿中への1,5-AGおよび尿酸の排泄増加のためと考えられている.今回,尿糖が出現しない正常耐糖能例でも血清尿酸値と血清1,5-AG値とが正相関を示すことを初めて見出した.尿酸と1,5-AGは腎での再吸収の過程で尿糖排泄と独立した共通の機構により調節されることが示唆された.
原著 2
  • 及川 寿浩, 後藤 祐司, 佐藤 圭司, 小嶋 知夫, 芦澤 広
    2011 年 35 巻 1 号 p. 19-30
    発行日: 2011年
    公開日: 2015/04/01
    ジャーナル フリー
    ベンズブロマロン(ユリノーム®錠)の使用実態下における安全性および有効性を再確認する目的でプロスペクティブに使用成績調査を行った.
    安全性解析対象4,659症例中,113症例に144件の副作用が発現し,副作用発現症例率は2.43%であった.主な副作用は,臨床検査値異常が48症例(62件)で,この内,AST増加,ALT増加など肝機能関連の検査値異常が40症例(51件)であった.また,肝障害などの「肝胆道系障害」が 21症例(21件),発疹などの「皮膚および皮下組織障害」が18症例(21件),下痢などの「胃腸障害」が12症例(13件)認められた.
    副作用発現症例の層別解析において,副作用発現頻度に影響を及ぼす背景因子は特に認められなかった.
    ベンズブロマロン投与開始前に比べて投与後のALT,血清クレアチニン値,eGFR値に特段の変化は認められなかった.
    ベンズブロマロン投与後,血清尿酸値はベンズブロマロンの投与量に応じて低下した.また,投与開始前のeGFR値が30mL/min/1.73m2以上の群において,ベンズブロマロン投与後,血清尿酸値は治療目標値である6mg/dL以下に維持されていた.
原著 3
  • 安西 尚彦, JUTABHA Promsuk, 木村 徹, 遠藤 仁, 櫻井 裕之
    2011 年 35 巻 1 号 p. 31-38
    発行日: 2011年
    公開日: 2015/04/01
    ジャーナル フリー
    I型Na+リン酸トランスポーター(NPT)ファミリーSLC17に属するヒト遺伝子SLC17A3は,その輸送基質が不明のオーファントランスポーターであった.2008年,Deghanらは全ゲノム関連解析の結果,SLC17A3SLC2A9ABCG2とともに,血中尿酸値に影響を与える遺伝子の一つであることを報告した.最近我々は,SLC17A3遺伝子産物のNPT4は腎臓近位尿細管管腔側膜に発現し,電位依存性にパラアミノ馬尿酸(PAH)や尿酸などの有機酸の排出を担う多選択性トランスポーターである事を見出し報告した.今回NPT4の更なる輸送特性の解析を行った.常法に従いNPT4 cRNAをin vitro transcription法により作成し,アフリカツメガエル卵毋細胞にmicroinjection法により注入して,2-3日経過後NPT4による尿酸の細胞内取込みを測定した.RI標識PAH及び尿酸の卵母細胞からの排出実験には,cRNA発現卵毋細胞へのmicroinjection法による基質の直接的注入を行い,一定時間経過後の細胞内外のPAH及び尿酸量を測定し,排泄率を計算した.NPT4によるPAH及び尿酸取込みは,ともに細胞内のpH上昇/下降により増加し,またそれらの排出はともに細胞外pH上昇の影響を受けない点で共通していた.NPT4によるPAH及び尿酸取込みは,細胞外溶液のイオン組成をNa+をK+に置換することにより増加するが,これは細胞外K+濃度依存性で,ともに50mMを越える条件下で増加することが見出された.以上の結果から,NPT4の尿酸輸送特性は,そのPAH輸送特性とほぼ一致すると考えられた.このことはNPT4による尿酸輸送において,有機酸輸送時と同じ基質結合部位を利用している事,また同部位を介して薬物と尿酸が相互作用(薬物誘発性高尿酸血症)する可能性を示唆する.
原著 4
  • 角田 弘一, 古家 大祐, 竹越 襄
    2011 年 35 巻 1 号 p. 39-47
    発行日: 2011年
    公開日: 2015/04/01
    ジャーナル フリー
    HMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン)の急性および早期効果は,すでに循環器領域で血管内皮機能改善作用として臨床報告され脚光を浴びている.また,スタチンの血清尿酸値低下作用を有する報告は今まだ少ないが,著者らはピタバスタチンで同作用機序として腎機能の改善が関与することを報告した.
    そこで今回,未治療男性12名にピタバスタチン2mgを単回投与し,投与前,2時間,4時間,および6時間後の急性期における尿酸,腎,酸化ストレスならびに脂質代謝に及ぼす影響を,うち7名の対照群と比較し,以下の結果を得た.
    尿酸代謝を検討すると,血清尿酸値はピタバスタチン投与2時間および4時間後に有意に低下し,対照群との比較では2時間後に有意な群間差を認めた.尿酸クリアランス(CUA)並びに補正尿中尿酸排泄量(mg/kg/h)は投与2時間後に有意な上昇を示し群間差も認めた.腎機能の面から検討すると,血清クレアチニンは投与2時間および4時間後有意に低下したが,両群間で差異はなく,クレアチニンクリアランス(Ccr)は投与2時間および4時間後に有意な増加を示し,2時間後に有意な群間差も認めた.さらに,酸化ストレス指標の尿中8-OHdGおよび尿イソプロスタン生成速度は投与後有意に減少し,尿中8-OHdGは有意な群間差を示した.脂質代謝では,血清中性脂肪が両群で有意あるいは低下傾向を示した以外,その他は有意な変動を示さなかった.
    以上より,血清尿酸値の低下は一過性ではあるが,ピタバスタチン投与2時間後という極めて早期の時点から確認でき,この現象はピタバスタチン投与による尿酸排泄マーカーのCUAの上昇,尿酸排泄量の増加,さらに腎糸球体濾過量を示すCcrの増加と一致した.同時に,酸化ストレスマーカーである尿中8-OHdGおよび尿イソプロスタン生成速度も有意に減少した.これらの急性効果は,対照群では認められていないことから,水負荷によるhyperfiltrationによるものではなく,血清コレステロール代謝に及ぼす影響とは独立したピタバスタチンの多面的薬理作用によると推察される.
第44回日本痛風・核酸代謝学会記録
一般演題
高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン(第2版)
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