痛風と核酸代謝
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36 巻 , 1 号
痛風と核酸代謝
選択された号の論文の48件中1~48を表示しています
総説
原著
原著 1
  • 大田 祐子, 土橋 卓也, 清原 嘉奈子
    2012 年 36 巻 1 号 p. 9-13
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/08/15
    ジャーナル フリー
    高尿酸血症の病態を把握し,合理的に治療を行うために病型分類を行うことは重要であるが,外来における24時間法や60分法による評価の実施は容易ではない.また簡便法としての随時尿中尿酸/クレアチニン(UUA/UCr)比の有用性についても明確なエビデンスはない.今回,利尿薬または尿酸降下薬服用者を除いた高尿酸血症合併高血圧入院患者9名を対象に60分法,24時間法,随時尿中UUA/UCr比により尿酸動態を評価し,高尿酸血症の病型分類について比較検討した.60分法では混合型はおらず,77.8%が尿酸排泄低下型,22.2%が尿酸産生過剰型と判定された.また24時間法にて尿酸産生過剰型はおらず,88.9%が尿酸排泄低下型,11.1%が混合型と判定された.一方,随時尿中UUA/UCr比での評価では,UUA/UCr比0.5をカットオフ値とした場合66.7%が尿酸排泄低下型,33.3%が尿酸産生過剰型,0.6をカットオフ値とした場合88.9%が尿酸排泄低下型,11.1%が尿酸産生過剰型,0.7をカットオフ値とした場合100%が尿酸排泄低下型と判定された.60分法と24時間法に基づく病型分類の一致率は66.7%であった.随時尿UUA/UCr比0.5,0.6,0.7をそれぞれカットオフ値とした場合,60分法との病型分類の一致率は66.7%,66.7%,77.8%であった.高尿酸血症合併高血圧患者において随時尿中UUA/UCr比に基づく病型分類も有用な可能性があると思われた.
原著 2
  • 稲井 邦博, 酒巻 一平, 法木 左近, 内木 宏延, 上田 孝典, 津谷 寛
    2012 年 36 巻 1 号 p. 15-22
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/08/15
    ジャーナル フリー
    われわれはこれまでin vitro培養系で,尿酸ナトリウム1水和物(monosodium urate monohydrate : MSU)結晶が陽性に荷電したがんペプチドワクチンと結合し,樹状細胞へのワクチンペプチドの担体として利用可能であることを報告してきた.しかし,MSU結晶を生体に投与した場合の組織反応については不明である.今回,尿酸から合成したMSU結晶を超音波破砕して作成したMSU結晶断片をマウス皮下に接種し,接種7日目までの生体反応を観察するとともに,7日目の組織反応を病理学的に検討した.次に泥状化した尿酸粉末を同様に皮下に埋没した場合の組織所見と比較した.MSU結晶を接種した部位には,活性化マクロファージを中心とする多数の炎症細胞浸潤を伴うgranulation tissueが形成され,De Galantha尿酸染色を施行すると,これら炎症細胞中にMSU結晶の貪食所見が認められた.炎症反応は結晶断片の周辺で強く,結晶が凝集して塊状を呈している部分ではほとんど認められなかった.一方,結晶構造の異なる尿酸粉末を皮下に埋堀しても,炎症細胞浸潤はほとんど認められなかった.MSU結晶投与に伴う炎症の病理組織所見に比べ,生体反応は軽微で,接種部位に発赤,腫脹などの急性炎症反応所見は観察されなかった.ヒト痛風結節症例では結晶の大きさに比し炎症反応は軽微であるが,MSU結晶を投与した部位も組織所見に比し炎症所見は軽微であることから,炎症反応の程度や,誘導される炎症細胞の種類には,結晶構造やその大きさに関連する可能性が推察された.また,MSU結晶の貪食は結晶塊の周囲から生じていることより,炎症細胞の誘導が長期にわたり持続する可能性が推測される.in vitro実験で,MSU結晶には未熟樹状細胞から成熟樹状細胞への分化誘導効果も認められることから,このような貪食反応はin vivoにおける単球・マクロファージからの樹状細胞誘導や,MSU結晶に付着させたワクチンペプチドの徐放化に繋がる可能性も期待される.MSU結晶はin vitroにおいて,安全性の高いがんワクチンペプチドの担体となる可能性が示唆された.
原著 3
  • 後藤 祐司, 及川 寿浩, 芦澤 広
    2012 年 36 巻 1 号 p. 23-31
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/08/15
    ジャーナル フリー
    ベンズブロマロン(商品名:ユリノーム® 錠)の使用実態下におけるプロスペクティブな使用成績調査を行い,ベンズブロマロン(ユリノーム)の投与量および腎機能と血清尿酸値との関連性,特に血清尿酸値6.0mg/dL以下達成率について検討を行った.
    投与開始前および投与開始後6ヶ月の間に1回以上血清尿酸値が測定されていた3,150症例について,最終観察時点での血清尿酸値6.0mg/dL以下達成率は74.1%であった.また,これら3,150症例のうち投与前の血清尿酸値が7.0mg/dLを超えていた2,938症例について,最終観察時点での血清尿酸値6.0mg/dL以下達成率は73.1%であった.
    投与開始前,1~2ヶ月,3~4ヶ月および5~6ヶ月までのそれぞれの期間全てで血清尿酸値が測定されていた916症例について,投与後の血清尿酸値6.0mg/dL以下達成率は,それぞれ65.1%,77.0%および81.9%であった.また,これら916症例のうち,投与前の血清尿酸値が7.0mg/dLを超えていた845症例における血清尿酸値6.0mg/dL以下達成率は,1~2ヶ月で63.8%,3~4ヶ月で76.0%および5~6ヶ月で80.8%であった.
    これら最終観察時点または5~6ヶ月時点での血清尿酸値6.0mg/dL以下達成率は,いずれの投与開始前eGFR群においてもベンズブロマロン(ユリノーム)の投与量の増加と共に上昇した.
    また,投与開始前eGFRが30mL/min/1.73m2以上であれば,同一投与量群内での血清尿酸値6.0mg/dL以下達成率はほぼ一定の値を示した.
第46回日本痛風・核酸代謝学会記録
一般演題
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