プリン・ピリミジン代謝
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13 巻 , 2 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 李 大国, 吉浦 昌彦, 岩本 武夫, 入山 啓治
    1990 年 13 巻 2 号 p. 79-85
    発行日: 1990年
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    ラットガラクトース白内障の進行過程における水晶体中の尿酸の変動について調べた.ラット水晶体中の尿酸は,高速液体クロマトグラフィー・電気化学検出法によって求めた.ガラクトース食餌により,水晶体の混濁が発生・進行し,白内障が進行するにつれ,ラット水晶体の尿酸含量は,正常な水晶体のそれに比べ,増加していることが分かった.
  • 山内 美紀, 篠崎 俊宏, 岩木 一巳, 米谷 行男
    1990 年 13 巻 2 号 p. 86-95
    発行日: 1990年
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    カルシウム拮抗薬が心臓の虚血,再潅流障害を保護する作用はよく知られている.なかでも,ジルチアゼムは有用な薬物として認められ,本薬物の虚血,再潅流時における心臓機能低下の保護作用は虚血による心筋内ATPレベル低下の阻止に起因することを支持する知見も多いが,この点には異論もある.本研究においては,ラットのランゲンドルフ式潅流心臓におけるジルチアゼムの効果を検討した.薬物処置は虚血前に行い,潅流液を完全に停止させる方法で虚血状態に導き,その後に再潅流した.その結果,対照実験における虚血,再潅流後の心機能の回復は20%であり,低下したATPレベルは回復しなかった.一方,虚血前のジルチアゼム処置は虚血直後の心筋内ATPレベルの低下を阻止しなかったが,再潅流後には心機能,心筋内ATPレベルともに虚血前状態近くまで回復させた.さらに,虚血中の心筋内に貯留されたプリン代謝物からの尿酸生成も対照実験より顕著であった.これらの成績から,ジルチアゼムの心機能保護作用は虚血中の心筋内ATPレベルの保持に依存していないと考えられ,また,心筋内の尿酸生成の亢進は必ずしも心筋障害の進展に関与しないと思われる.
  • 池田 斉, 市田 公美, 細谷 龍男, 酒井 紀
    1990 年 13 巻 2 号 p. 96-106
    発行日: 1990年
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    われわれは,allopurinol(以下Allo.と略す)の副作用発現の機序の解明を目的としてAllo.投与中に副作用の発現した痛風,高尿酸血症患者15症例に対し血清IgE,好酸球数,血中Allo.およびoxipurinol(以下Oxi.と略す)濃度,リンパ球刺激試験(lymphocyte stimulation test,以下LST),腎機能測定などを行い,副作用の認められなかった19症例と比較検討し,以下の結果を得た.1)副作用の有無と血清IgE,好酸球数との間には関係が認められなかった.2)Allo.によるLST陽性の頻度は副作用群で15例中3例(20.0%),対照群で19例中3例(15.8%)であった.Oxi.によるLSTでは副作用群で14例中3例(21.4%)であったのに対して,対照群では19例中1例(5.3%)のみであった.Oxi.によるLST陽性例は4例中3例(75.0%)が副作用群で,この3例はAllo.によるLSTも陽性で,副作用はすべて肝障害例であった.また,LSTが陰性でも11例に副作用を認めた.3)血中Oxi.濃度とCcrの間には負の相関傾向が認められ,副作用群では腎機能低下例を多く認めたが,副作用の有無と血中Allo.およびOxi.濃度との間には有意差を認めなかった.以上よりAllo.副作用発現の機序は一部の症例でAllo.およびOxi.による薬剤アレルギーへの関与がLSTにより示唆された.また一部の症例ではCcrの低下に伴うOxi .の蓄積が原因となっていた可能性が示唆されたが,すべての症例を以上の原因に求めることはできず,多彩な機序の存在が示唆された.
  • 川知 雅典, 河野 典夫, 清川 裕朗, 山田 祐也, 桑島 正道, 清水 孝郎, 大野 昭, 西村 隆通, 山崎 知行, 依藤 史郎, 垂 ...
    1990 年 13 巻 2 号 p. 107-112
    発行日: 1990年
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    腎での尿酸排泄亢進に, オキシプリンの排泄低下を合併した低尿酸・高オキシプリン血症を見いだし,前回報告した.今回,本症例における尿酸(UA),キサンチン(X),ヒポキサンチン(Hx)の腎での転送機構を検討する目的で,probenecidおよびpyrazinamide負荷試験を行った.まず,probenecid 1.0g負荷に対し,CUA/Ccrは正常対照が前値の約4倍に増加したのに比して,本症例では無反応であったが, Cx/Ccr , CHx/Ccrは正常群以上に反応し,2時間後には正常群値にまで達した. また, pyrazinamide 3.0g 投与後,正常群では,CUA/Ccr,Cx/Ccrは明らかに減少し, CHx/Ccr はほとんど変化しなかったが,本症例では, CUA/Ccr , Cx/Ccr, CHx/Ccr はいずれも変化しなかった.以上,本症例は,probenecidに対して尿酸は無反応,オキシプリンは強く反応し,pyrazinamideに対しては尿酸,オキシプリンともに不応性を示した.この結果,本症例では尿酸のみならず,オキシプリンにも排泄機構に選択的な障害が存在し,オキシプリン排泄低下を惹起していることが示唆された.
  • 大久保 俊樹, 堀 浩樹, 東川 正宗, 川崎 肇, 櫻井 實, 垣東 英史, 賀川 義之, 住田 克己, 大井 一弥, 谷口 清州, 浜崎 ...
    1990 年 13 巻 2 号 p. 113-119
    発行日: 1990年
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    5-Fluorouracil(5-FU),5-FU誘導体tegafurとuracilとの合剤(UFT)の薬物動態と腫瘍細胞内核酸代謝への影響をinvivoで比較するため,L1210細胞1×10 6個をBDF1マウスに腹腔内移植し,3日後5-FU13mg/kg,5-FUと等モルのUFT〔tegafur(FT)として20mg/kg〕を1回経口投与し,L1210細胞のデオキシリボヌクレオチドプールと細胞周期の変化を検討した.細胞内dTTPプールは5-FU投与1-6時間後,コントロールの1/2に減少しその後回復を示したが,UFT投与では24時間後までコントロールの1/3-1/2に減少した.両薬剤投与後,細胞内dCTPプールは減少し,dATPプールは増加したが,ともにUFT投与のほうが変動が長時間持続した.また細胞周期のうえでは, 両薬剤投与によりG0-G1期細胞が39%から約20%に減少し,S期細胞が47%から約70%に増加したが,その変動のピークが5-FUでは薬剤投与12時間後であるのに対しUFTでは24時間後であり,これは細胞内ヌクレオチドの変化がUFTでより長時間持続することに呼応するものと考えられた.以上のことから,UFTの経口投与は等モルの5-FU経口投与に比較して, thymidylate sy nthetase の阻害作用がより強く長時間持続し,より強力な化学療法剤であると考えられた.
  • 山田 裕一, 後藤 治子, 小笠原 信明, 棗田 豊, George WEBER
    1990 年 13 巻 2 号 p. 120-128
    発行日: 1990年
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    急性骨髄性白血病(AML)患者の白血球中のイノシン(-5'-)-リン酸(IMP) 脱水素酵素,およびヒト培養Tリンパ芽球MOLT4Fより精製した酵素の酵素化学的性質と代謝阻害剤tiazofurinの細胞内活性体TAD(thiazole-4-carboxamide adenine dinucleotide)による阻害を比較検討した.Tiazofurinの効果がみられたAML患者の白血球中のIMP脱水素酵素活性(33.4±0.1nmol/h/mg protein)は正常白血球(3.1±0.5)に比べ約11倍に上昇していた.また培養細胞では赤血白血病由来のK562(47.6),Bリンパ性白血病由来のBALL1(61.0),Tリンパ性白血病由来のMOLT4F(45.7), いずれも高値を示した.AML患者の白血球中のIMP脱水素酵素のIMP,NADに対するKm値はそれぞれ,23,44μMで,キサントシン(-5'-)一リン酸(XMP)による阻害はIMPに競合的,NADHはIMP,NAD両者に混合型阻害を示した.TADの阻害はNADHと同じ形式をとったが, Ki値は0.10μMとNADH(150μM)に比べはるかに低く,高い親和性が認められた. MOLT4Fより精製した酵素はサブユニットの分子量が約6万,IMP,NADに対するKm値はそれぞれ,29,54μMで,XMP,NADH,TADによる阻害形式,およびKi値(XMP=85,NADH=94,TAD=0.08μM)もラット肝癌酵素やAML患者の白血球酵素と同様であった.これらの結果はtiazofurinがAMLのみならず,Tリンパ性白血病にも効力をもつことを示唆する.
  • 鈴木 九五, 井上 幹夫, 井上 俊次
    1990 年 13 巻 2 号 p. 129-145
    発行日: 1990年
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    高尿酸血症を合併しやすい因子として知られている飲酒習慣, 肥満, 高トリグリセライド血症,高コレステロール血症,および高血圧症は互いに併存しやすい傾向があるので,各因子が併存した場合,高尿酸血症の頻度または血清尿酸の平均値にどのような影響がみられるかについて検討した.対象は各種企業の男性従業員5,094例であるが,この中から高血糖(空腹時110mg/dl以上),降圧剤使用,高クレアチニン血症(1.3mg/dl以上)のうち,少なくとも1つを有する例(440例)は併存効果の分析の対象からは除外し,残りの4,654例について検討した.1)各因子の併存の実態:全例(4,654例)中1,304例(28.0%)は因子を1つも有せず, 1,428例(30.7%)は2つ以上の因子が併存していた. これに対し, 高尿酸血症(7.1mg/dl以上)の例(560例)では因子を1つも有しないものは84例(15.0%),因子を2 つ以上有する例は300例(53.6%)であった. 従って高尿酸血症例では,全例に比べて因子を有しない例が少なく, 因子を2つ以上有する例が多かった.2)併存する因子の数と高尿酸血症の頻度との関係:因子を1つも有しない群の高尿酸血症の頻度は6.4%,1因子の群では9.2%,2因子では17.2%,3因子27.3% ,4因子39.8%,5因子42.9%で,併存する因子の数が多くなるほど,高尿酸血症の頻度も高くなった.そして5因子併存例の高尿酸血症の頻度は,1因子を有する例に比べて約5 倍に達した.3)併存する因子の数と血清尿酸値との関係:因子を1つも有しない例の血清尿酸の平均値は5.46mg/dl,因子を1つだけ有する例では5.65mg/dl,2因子併存例では5.98mg/dl,3因子では6.31mg/dl,4因子では6.50mg/dl,5因子6.69mg/dlで,併存因子の数が多くなるほど血清尿酸値も高くなる傾向がみられた.そして5因子併存例の血清尿酸値は1因子を有する例に比べて1.04mg/dl高かった.なお,今回併存効果の分析の対象から除外した例のうち,高血糖のみを有する例では因子を1つも有しない例に比べて,血清尿酸値は低く,高尿酸血症例は1例もみられなかった.また降圧剤使用例および高クレアチニン血症例では,2因子併存例と3因子併存例の中間の値を示した.
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