プリン・ピリミジン代謝
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15 巻, 1 号
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  • イヌ切断肢内骨格筋のアデニンヌクレオチド濃度,尿酸濃度の経時的変化について
    高橋 文人, 室田 景久, 富田 泰次, 宮川 忠彦, 入山 啓治, 吉浦 昌彦
    1991 年 15 巻 1 号 p. 1-8
    発行日: 1991年
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    ヒトでの切断肢再接着術の適応を決定し,成績を予測するための基礎的研究としてイヌの切断肢の骨格筋に含まれるアデニンヌクレオチド濃度およびエネルギー代謝の最終生産物である尿酸濃度の経時的変化について検討した.
    イヌの上腕を中央部で切断, これを室温(18℃)で保存し,切断直後,切断後1,2,3,5,8,12時間の計7回にわたって尺側手根屈筋から検体を採取し,それぞれのATP,ADP,AMP,尿酸濃度を測定したところ,ATP濃度と尿酸濃度とは負の相関関係を示し,ATP濃度は経時的に減少,尿酸濃度は増加していた.
    以上の成績から,切断肢の骨格筋内のATP濃度,尿酸濃度は阻血により生じる骨格筋の無酸素障害の程度を知るのに有用と考える.
  • 佐々木 紀仁, 久留 一郎, 石河 利一郎, 浦辺 啓太, 吉田 明雄, 小竹 寛, 真柴 裕人, 武田 倬
    1991 年 15 巻 1 号 p. 9-14
    発行日: 1991年
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    糖尿病に合併した持続性低尿酸血症を経験し,薬理学的に本例における尿酸輸送機構の障害部位を,SteeleとRieselbachの仮説に基づいて検討し,ヒポキサンチン(HX)キサンチン(X)の輸送についても検討した. 症例は74歳女性で糖尿病とこれに合併した持続性低尿酸血症を呈していた.尿酸クリアランスおよび尿酸・クレアチニンクリアランス比の亢進を認め, イノシン(1,600mg/day)負荷により尿中尿酸,HX,Xの上昇を認め,腎性低尿酸血症と診断した.尿酸排泄は,ピラジナマイド(3.0g)負荷またはベンズブロマロン(200mg)負荷に反応せず,プロベネシド(2.0g)負荷にて亢進した.HX排泄はピラジナマイド負荷に反応せず,プロベネシド負荷により亢進し,ベンズブロマロン負荷により抑制された.X排泄は,プロベネシド負荷により亢進し,ベンズブロマロン負荷に無反応であった.以上により本例においては,少なくとも尿酸の分泌前再吸収障害の存在と不完全な分泌後再吸収障害が存在すると考えられ,オキシプリンについても同様の異常が存在すると考えられた.なお,本例は,10年前に正常血清尿酸値であったことが判明しており,七里らの提唱している分泌亢進型腎性低尿酸血症とは異なる機序による糖尿病性低尿酸血症と考えられた.
  • 三枝 芳樹, 新藤 英夫, 三輪 勣, 寺田 仁久, 山下 晴夫, 神宮寺 禎巳, 加賀美 年秀
    1991 年 15 巻 1 号 p. 15-22
    発行日: 1991年
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    下垂体機能低下症に痛風を合併した1女性例を経験した.症例は31歳女性で11歳時に頭蓋咽頭腫にて腫瘍摘出術および放射線照射を受けた.29歳時, 全身倦怠感, 浮腫出現し当院受診. 下垂体機能低下症,尿崩症および性腺機能低下症と診断された.血清尿酸値9.5mg/dlであった.以後,各種ホルモン補充療法とともにアロプリノールの投与も受けた.アロプリノールは本人の独断で2ヵ月間で中止された.31歳時,高熱と左足背部の激痛・発赤・腫脹を生じ入院.血清尿酸値11.7mg/dl,クレアチニン値1.7mg/dl,CUA/Ccr6.7%であり,腎CT・エコー,静脈性腎盂造影には異常所見を認めなかった.発作はコルヒチンにて寛解したため,痛風と診断された.また,検査所見,経過などにより,高尿酸血症の主たる要因は尿中尿酸排泄の低下にあると考えられた.下垂体機能低下症と痛風の合併の報告は調べ得た範囲ではない.ホルモンと尿酸代謝に関して,エストロゲンが腎からの尿酸排泄を促進する作用を有するとの報告がある一方で,痛風患者においては男女ともに,FSH,LH,エストラジオールが減少しているとの報告もあり,両者の間に密接な関係があることが示唆される.以上より,本症例は女性ホルモンの欠如が高尿酸血症,痛風発作の一因となったものと考えられた.
  • 神経成長因子ならびに塩基性線維芽細胞増殖因子の作用との比較
    柳田 満廣, 合田 栄一, 山本 格
    1991 年 15 巻 1 号 p. 23-30
    発行日: 1991年
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    われわれは最近, dibutyrylcytidine 3', 5'-cyclic monophosphate(Bt2 cCMP)がPC12細胞の神経突起形成を誘導することを見いだし,すでに報告した.今回,本作用について,Bt2 cCMPと神経成長因子(NGF)ならびに塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)との比較検討を行った.NGFが5日間の培養期間中徐々に突起を誘導したのに対し,Bt2 cCMPおよびbFGFの突起形成作用は培養開始48時間後にピークに達した.プロテインキナーゼ阻害剤であるstaurosporineはNGFの作用を濃度依存的に抑制したが,Bt2 cCMPの作用には影響しなかった.一方,bFGFに対しては促進効果を示した. Bt2 cCMP とNGFおよびbFGFの併用効果にっいて調べたところ,いずれのペプチド因子との間にも相加効果が認められた.以上の結果は,Bt2 cCMPがNGFならびにbFGFとは異なる機構を介してPC12細胞の神経突起形成を誘導することを示唆するものである.
  • 1991 年 15 巻 1 号 p. 31
    発行日: 1991年
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
  • 1991 年 15 巻 1 号 p. 32-55
    発行日: 1991年
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
  • 1991 年 15 巻 1 号 p. 56-70
    発行日: 1991年
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
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