痛風と尿酸・核酸
Online ISSN : 2435-0095
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痛風と尿酸・核酸
選択された号の論文の13件中1~13を表示しています
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総説 1
  • 大谷 直由, 久土 慎詞
    原稿種別: 総説
    2026 年50 巻1 号 p. 1-14
    発行日: 2026/07/25
    公開日: 2026/07/25
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    痛風は最も一般的な炎症性関節炎で,日本成人男性の1.0 %〜1.5 %にみられる.痛風は高尿酸血症が持続することで関節内などに析出した尿酸結晶によって引き起こされる.痛風の治療は,尿酸結晶を溶解,消失させることが目標となるが,体液中での溶解限界以下である血清尿酸値6.0 mg/dL未満に設定している.尿酸低下薬は,尿酸生成抑制薬,尿酸排泄促進薬,および尿酸分解酵素薬に大別される.尿酸生成抑制薬はキサンチン酸化還元酵素(xanthine oxidoreductase: XOR)阻害薬であり,アロプリノール,フェブキソスタット,トピロキソスタットが挙げられる.尿酸排泄促進薬には,尿酸トランスポーターを標的とした薬剤が多い.これらの尿酸トランスポーターには,尿酸トランスポーター1(URAT1),グルコーストランスポーター9(GLUT9),有機アニオントランスポーター1, 3, 4(OAT1, OAT3, OAT4)が含まれる.日本で承認されている薬剤はプロベネシド,ベンンズブロマロン,ブコローム,ドチヌラドが挙げられる.尿酸分解酵素薬としては腫瘍溶解症候群に使用され,ラスプリカーゼがその代表として挙げられる.この総説では,痛風と高尿酸血症における現在使用可能な薬剤と,現在開発中の様々な臨床試験段階における新規薬剤について概説する.

総説 2
  • 齊藤 達哉
    原稿種別: 総説
    2026 年50 巻1 号 p. 15-22
    発行日: 2026/07/25
    公開日: 2026/07/25
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    Particulate matter of environmental and endogenous origin is a major determinant of innate immune activation across diverse pathological states. Environmental particles such as airborne dust, PM2.5, and micro- and nanoplastics enter the body through inhalation or ingestion and trigger inflammatory responses. Endogenous particles, including monosodium urate crystals, cholesterol crystals, calcium oxalate crystals, and amyloid-𝛽 aggregates, accumulate within tissues and sustain chronic inflammation. Despite their varied origins and physicochemical properties, these particles converge on conserved immunological pathways that shape inflammatory signaling. A central shared event is phagolysosomal disruption following macrophage uptake. This upstream injury initiates two mechanistically distinct pathways. One involves NLRP3 inflammasome assembly, caspase-1 activation, and maturation and release of IL-1𝛽. The other proceeds independently of NLRP3 and is characterized by particle-induced cell death and passive extracellular release of IL-1. Spatial regulation of organelle dynamics, particularly microtubule-dependent mitochondrial repositioning, is essential for efficient NLRP3 inflammasome assembly, whereas severe phagolysosomal damage preferentially promotes IL-1–dominant inflammation, exemplified by silica-induced pulmonary pathology. These mechanistic insights support therapeutic strategies tailored to specific inflammatory circuits. Potential approaches include inhibition of NLRP3 activation, neutralization of IL-1𝛽, suppression of IL-1 release, blockade of pyroptotic cell death, and stabilization of phagolysosomal membranes. Integrating these modalities provides a framework for precision management of particle-associated diseases, including gout, atherosclerosis, and pneumoconiosis. This review summarizes current advances and outlines the shared and divergent mechanisms through which particulate matter governs inflammatory outcomes.

総説 3
  • 大橋 勇紀, 市田 公美
    原稿種別: 総説
    2026 年50 巻1 号 p. 23-36
    発行日: 2026/07/25
    公開日: 2026/07/25
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    Urate homeostasis has conventionally been understood as being established through a balance between urate production and renal excretion. However, accumulating evidence indicates that extra-renal urate excretion pathways, specifically intestinal excretion, play a substantial role in systemic urate regulation. ATP-binding cassette transporter subfamily G member 2 (ABCG2) is a key urate exporter expressed in both the kidney and the gastrointestinal tract. Genetic dysfunction of ABCG2 reduces intestinal urate excretion, leading to compensatory increases in urinary urate elimination and elevated serum urate levels, a mechanism underlying the “extra-renal underexcretion type” hyperuricemia. Clinical studies on urate kinetics in anuric dialysis patients and measurement of urate secretion in human intestinal fluid further supports the critical contribution of extra-renal urate excretion. In addition, omics-based analyses suggest that urate-associated molecular signatures span multiple organs, including the liver, kidney, and intestine. These findings challenge conventional classifications of hyperuricemia based solely on renal handling and highlight the importance of the extra-renal pathway in disease stratification. Given its ability to transport a wide range of endogenous substrates and therapeutic drugs, ABCG2 also has important implications for drug disposition and interindividual variability in pharmacokinetics. Collectively, these findings support a conceptual framework in which urate homeostasis is governed by coordinated cross-organ regulation, with ABCG2 playing a central role.

原著 1
  • 福内 友子, 石井 東見, 髙栁 ふくえ, 金子 希代子, 三枝 大輔, 山岡 法子
    2026 年50 巻1 号 p. 37-43
    発行日: 2026/07/25
    公開日: 2026/07/25
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    プリン体を多く含む食品の過剰摂取は血清尿酸値の上昇につながる.特に魚介類はプリン体含有量が高い食品群として知られている.しかし,魚介類の中でも貝類についてのプリン体含有量の報告は限られている.そこで本研究では,貝類15種(ムール貝,大アサリ,ホンビノス,アカガイ,ハマグリ,アオヤギ,ホッキ,シジミ,マテ貝,カキ,サザエ,アワビ,ツブ貝,トコブシ,イソツブ)を対象に,総プリン体量および分子種別プリン体含有量を測定した.特にサザエ肝およびアワビ肝では,総プリン体量が300 mg/100 g以上と多く,二枚貝ではムール貝,大アサリ,ホンビノスと内臓を含む可食部の多い貝類でプリン体含有量が多い傾向がみられた.分子種別では,多くの貝類でAMPあるいはATP/ADPが高濃度であり,カキ,トコブシ,イソツブではAMPに次いでIMPなど核酸系うま味成分が比較的多かった.高尿酸血症・痛風の治療と予防のためには,サザエおよびアワビの肝など総プリン体量が非常に高い食品に加え,1食あたりのプリン体量が100 mgを超える可能性があるムール貝,サザエ身,マテ貝,ホッキなど貝類についても,摂取量を控えることが重要である.

原著 2
  • 藏城 雅文, 久留 一郎, 細山田 真, 山内 高弘, 市田 公美
    原稿種別: 研究論文
    2026 年50 巻1 号 p. 45-51
    発行日: 2026/07/25
    公開日: 2026/07/25
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    腎性低尿酸血症においては,運動後急性腎障害や尿路結石の合併に関する知見が蓄積され,その臨床像が徐々に明らかになってきている.しかしながら,キサンチン尿症における腎機能との関連や,運動後急性腎障害を含む臨床像についての実臨床データは乏しい.本研究では,日本痛風・尿酸核酸学会会員を対象に,キサンチン尿症患者の通院歴に関する一次調査を実施した.さらに,一次調査で通院歴ありと回答し,二次調査への協力に同意した会員を対象に,既存診療データを用いた詳細なアンケート(二次調査)を行った.351名中168名(47.9%)から回答が得られ,そのうちキサンチン尿症患者の通院歴ありと回答した医師は3名であった.二次調査への同意が得られた3例を解析対象とした.対象患者の年齢は68〜76歳で,男性1例,女性2例であった.血清尿酸値はいずれも測定感度未満であり,尿中尿酸排泄も著明に低下していた.診断は遺伝子診断が1例,臨床診断が2例であった.eGFRは42.7〜78.3 mL/min/1.73m2であり,3例中2例でCKDステージG3を認めた.運動後急性腎障害および尿路結石は認めなかった.以上より,キサンチン尿症は腎性低尿酸血症とは異なる臨床像を示し,運動後急性腎障害の頻度は低い可能性がある一方で,腎機能障害の合併は必ずしも稀ではない可能性が示唆された.しかしながら,症例数が限られていることに加え,選択バイアスの影響を否定できない.今後は体系的かつ大規模な症例集積を通じて,本疾患の臨床像を明らかにすることが求められる.

原著 3
  • 大山 博司, 横関 美枝子, 諸見里 仁, 大山 恵子, 藤森 新
    原稿種別: 研究論文
    2026 年50 巻1 号 p. 53-60
    発行日: 2026/07/25
    公開日: 2026/07/25
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    選択的尿酸再吸収阻害薬のドチヌラド単独で1年以上治療している高尿酸血症・痛風患者654例を,治療前の随時尿pHが6.0未満のために尿アルカリ化薬を2錠併用している患者396例と,非併用258例の2群に分類して,尿路結石の合併頻度を比較した.尿アルカリ化薬の併用群では28例(7.1%)に尿路結石の合併を認め,非併用群の13例(5.0%)と比較して有意に高率であった.治療経過中の血清尿酸値と尿中尿酸排泄量は両群で差を認めなかったが,併用群では治療経過中の尿pHが6.1±0.4で非併用群の6.2±0.3と比べて有意に低値であった.ベンズブロマロン単独治療では3,407例中,343例(10.1%)に尿路結石を認め,ベンズブロマロンと尿酸生成抑制薬との併用治療527例の尿路結石の合併は37例(7.0%)と低率であった.ドチヌラド治療は643例中41例(6.3%)の尿路結石の合併を認め,ベンズブロマロン治療に比べて低率であった.尿路結石の有症状者もベンズブロマロン単独治療が61例(1.8%),ベンズブロマロンと尿酸生成抑制薬との併用治療が4例(0.8%),ドチヌラド単独治療が3例(0.5%)でベンズブロマロン単独治療が高率であった.同じ尿酸排泄促進薬で尿路結石の合併がベンズブロマロンに比べてドチヌラドで低率であったが,ドチヌラドは治療期間が短いこと,また超音波検査の件数が少ないことなどベンズブロマロン治療とは条件が異なっており,両者における尿路結石合併の違いについては今後を見守る必要がある.ドチヌラドで治療する場合,治療開始前の尿pHが6.0以上ならば尿アルカリ化薬の併用は必須でないかもしれない.

原著 4
  • 藤森 新, 大山 博司, 諸見里 仁, 大山 恵子
    原稿種別: 研究論文
    2026 年50 巻1 号 p. 61-69
    発行日: 2026/07/25
    公開日: 2026/07/25
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    ドチヌラド2mgで血清尿酸値6.0mg以下を達成できていない痛風・高尿酸血症患者を対象に,ドチヌラド1mgを追加投与した54例(ドチヌラド3mg単独群)とフェブキソスタット10mgを併用投与した39例(フェブキソスタット10mg併用群)とで血清尿酸値低下率と治療目標達成率を比較した.ドチヌラド3mg単独群では血清尿酸値は6.8±0.5mg/dLから5.0±0.8mg/dLに有意に低下し,低下率は25.3±12.3%で,治療達成率は88.9%であった.一方,フェブキソスタット10mg併用群では,血清尿酸値は6.5±0.5mg/dLから4.8±0.9mg/dLに有意に低下し,低下率は26.9±14.4%,治療達成率は92.3%で,両群で治療効果に有意差は見られなかった.血清尿酸値の低下率は,単独投与の場合ドチヌラド1mg投与は33.2%でフェブキソスタット10mg投与時22.1%の約1.5倍であるが,ドチヌラド2mg投与している患者にドチヌラド1mgを追加投与した場合の血清尿酸値の低下率は単独投与時に比べて25.3%に低下し,フェブキソスタット10mgを併用投与した場合の26.0%と同等であった.すなわち,作用機序の異なる薬物を併用投与した場合にはより少ない薬物量で良好な効果が期待できることが確認できた.当院での尿酸降下治療は4,321例の患者に対して行われており,尿酸降下薬単独治療は3,680例で,尿酸排泄促進薬と尿酸生成抑制薬との併用療法は641例(14.8%)であった.今後も,混合型の患者や尿酸降下薬の単独投与で効果不十分の患者に対しては積極的に尿酸排泄促進薬と尿酸生成抑制薬の併用療法を行っていく所存である.

第59回日本痛風・尿酸核酸学会総会記録
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