軟質配合ゴムを加熱に依り鐵に接着せしめる方法として(J. D. Morron:
I.R.W. 1938, July, 35-38)(M.C. Cortney
I.R.J. 1934. 87. 353)(M. Farberov 等
C.N. 1937. 31. 3322)(B.J. Hobgood:
R.C.T. 1938. 11. 169日護11卷、10號577) 等に依り眞鍮鍍金處理が最も適當な手段として認められてゐる。接着方法及び着接劑は極めて多種多樣である。エボナイト層を中間に介在せしめる方法に依れば何等表面處理を行はずして強固に接着せしめ得るが、軟質ゴムの場会は剛體と彈性體との接着であり、強固に接着し得る爲には物理的接着機構以外に化學的機構の存することは明らかである。眞鍮鍍金がこの場合適當なる事に就いて從來より種々の説が(Weber:
Gummie, 1903. 18 255) Ernaus:
Caout, 1933. 10. 97. Gurney& Comeron:
I.R.J. 1926. 71. 554. 601. J. D. Morron:
I.R.W.前出)あるが其の原因が明らかにせられて居ない。著者は此の點を檢討しゴム變成物を接着劑とする場合と鹽素を含む或る種化合物を配合したコム質を直接接着せしめる場合と接着機構を全く異にすることを明らかにし、猶接着劑としてゴム變成物を用ふる場合、眞鍮鍍金に代る簡單な處理法として燐酸鹽被膜形成法に就いて述べたものである。
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