本報は加硫ゴムの網状構造に対する酸素の作用について検討したものである。
先に第3報に於て加硫ゴムの酸化劣化に於て硫黄架橋部分は切断せず、むしろ架橋硫黄として増加する傾向にあることを述べたが、本報では網状構造崩解の活性化エネルギーを求め、これから無硫黄加硫ゴムの網状構造崩解過程は生ゴムの分子分裂過程に類似するものであろうこと、硫黄加硫ゴムは cross-linking のため稍々大きな活性化エネルギーを与えることを推定した。また酸素吸収曲線の直線部分の速度K
2は加硫度により可成変化し、最適加硫点附近で最少値を示すことを認めた。
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