MBT促進加硫ゴムをCO
2中及び空気 (又は酸素) 中において70-80℃で1-2週間加熱した場合に起る各種硫黄及び架橋度の変化を比較検討した結果、酸素の有無によつてこれらの硫黄値に関して次のような異つた変化が認められた。
1. 酸素の存在によつて遊離硫黄の減少は遲れた。
2. ギーア老化の際遊離硫黄の多いゴムの全硫黄値が減少した。
3. サルファイド型硫黄は空気中加熱で減少し、CO
2中では増加した。
4. S
αの加熱による変化は加熱前の加硫の程度及び加熱条件によつて相違した。
5. S
α→S
β*の転移はCO
2中加熱によつて起り易いが、空気中加熱では緩慢であつた。
以上の諸性質に基き、実際の老化の不均一性はゴムと酸素及びゴムと硫黄の両反応の不均一性に基因すると考えられる。更にこれらの硫黄値を利用した例を述べた。
抄録全体を表示