不織布の屋外曝露による黄変着色を, 予め水彩絵具を用いて作製した標準着色表と比色し, 絵具の濃度をその着色度の指票として表わした.
そして日光の直射時間が36時間および72時間後の着色度の増分C
1, C
2を統計的に取扱った結果, 不織布の着色の主因は結合剤として用いたブタジエン-アクリロニトリルラテックスの紫外線による劣化のためで, 試片の単位体積当りのブタジエン-アクリロニトリル結合剤の量とC
1, C
2との間には直線関係が存在することを見出した. 一方同時に用いたブタジエン-メチルメタアクリレートラテックスは殆んど試料の黄変に影響を与えず, ブタジエン-アクリロニトリル結合剤と混用する時は, 着色度の変化に関しては単なる稀釈剤として作用すると見做し得た.
なお, 屋外の劣化試験が極めて不安定な条件下で行われることを考慮すれば, 結合剤其の他の混合剤の着色に及ぼす影響を研究するにはC
2値の方がより正確な結果を与えるものであることを知った.
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