本報告はPVC混和物の歪と複屈折率の関係を検討し, 複屈折率の緩和現象, 履歴現象, および歪の発生条件の複屈折率への影響などより, 残留歪を固定する結合機構が, 二次結合, Short Range Order 微結晶などの成規構造をなす部分であると推論した. また, 可塑剤の複屈折率への寄与を明らかにすると共に, 復屈折現象を通じて, DOPの組織中における挙動を検討し, DOP添加量約35pts以下においては, ほとんどのDOP分子はPVG分子に溶媒和し, これを超えて添加されたDOP分子は組織中に自由な形で存在しているが, 組織が大きな変形を受け, PVC分子が配列するときは, PVC分子鎖の空間的制約を受けてDOP分子も配列するものと推定した.
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