今日, 化学肥料用袋に0.2mmの厚みの軟質塩化ビニルフイルムが多用されている. しかし, 夏期においては, blocking または tackiness が, また冬期には破袋が往々にして問題になる. この破袋については試験室的な適当な試験方法がなく, 一般に物性表示はJIS K-6732に準拠しているにすぎないようである.
本研究は破袋のおこる限界を実用試験から求め, 他方試験室的にフィルムの物性を check し, それらの関連性を検討し, 社内における試験基準を設定しようとしたものである.
その結果, 次の知見を得た.
(1) 塩化ビニルフィルムは低温においては粘弾性を失い凍結する. これが伸び率に影響する. JISK-6732(1953)の方法によった場合, -5°C以下におけるある一定の温度で25%以下の伸び率を示したものは破袋した.
(2) (1)と同様な現象において, かたさが変化し, 低温となるにしたがってかたさを増す. これの関連性を求めたところ, JIS K6301 (1962) においてかたさ94°以上の場合は破袋した.
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