伸展油あるいは充てん剤を混入した未加硫ゴムの大変形時の応力緩和挙動が, 前報のように簡単な形式で記述できるかどうかを実験的にしらべる目的で, オートグラフによって各種試料のゴム状領域における伸長応力緩和実験を行なった.
その結果まず, 与えられたひずみの大小によらず各温度(35~130℃)で得られた応力緩和曲線は時間温度換算則によって合成緩和曲線が得られること, およびその際得られる移動因子, log
aTの温度依存性はひずみの大きさ(0.1~5.0)によらず微小変形時のそれと同一であることがわかった.
次に各ひずみについて得られる緩和応力,
S(
t) は前報の場合と同様に,
S(
t)=
f(γ)∫∞-∞
H(θ)
e-t/θd (lnθ)
のように記述されることがわかった.ここにγ,
Hおよびθはそれぞれひずみ, 緩和スペクトルおよび緩和時間であり,
f(γ) は弾性応力の非線型性に関する因子である。
f(γ) は前報の実験式を一般化した式,
f(γ) =
aln[1+(γ/
a)],
a≦1
によって, 混入物の有無にかかわらず記述されることがわかった.
aは実験的にはひずみによらない定数として求まり, 純ゴムおよび油展ゴムではその値は1に等しく, 充てん剤混入ゴムでは1より小さく充てん剤量の増加とともに減少する結果が得られた.
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