日本ゴム協会誌
Print ISSN : 0029-022X
40 巻, 12 号
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  • 加硫ゴムの容液的研究 (第1報)
    本間 輝武, 阿部 充雄, 日比野 清志
    1967 年 40 巻 12 号 p. 997-1003
    発行日: 1967/12/15
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
    加硫前の生ゴムの分子量および分布 (一次分子量) と, それを加硫して得られる加硫物の橋かけ点間分子量Mcとの関係を調べようとして本実験を行なった.まず, 分子量分布の広い原試料 (シスポリブタジエン) をカラム溶出法によって分子量が異なりかつ分布の狭い数種のフラクションに分別し, それら試料の平均分子量, 分子量分布, 枝分れの有無, ミクロ構造を稀薄溶液的あるいは赤外測定手段によって明らかにした.つぎに, 原試料の純ゴム無いおう加硫に対する加硫曲線を求め, 一定の加硫時間を決定した.
    この加硫時間を用いて各試料を原試料とまったく同一条件のもとに加硫し, 得られた各加硫物について膨潤実験を行なった。平衡膨潤比からFlory-Rehner理論によって各加硫物の.Mcを計算した.本加硫条件下では原試料のMcは1.7万であった.分別試料では分子量10万以下のものは加硫が不可能であるか, あるいは加硫しても多量の溶媒可溶分を含有する.分子量10万から50万までの問ではMcは2.5万から1.5万まで徐々に低下する.分子量数十万以上のフラクションではMcはほぼ一定値1.5万を示す.この分子量とMcの関係を原試料の加硫前の分子量分布と対比させることによって, 原試料中にできたMcの分布の傾向が定性的ながら明らかとなった.
  • 高分子材料の放射線劣化に関する研究 (第6報)
    釼 実夫, 今村 州男, 馬場 孝, 伊良部 光男
    1967 年 40 巻 12 号 p. 1004-1007
    発行日: 1967/12/15
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
    DおよびM促進剤とTT加硫によりNR, BRの加硫物をつくり, またそれらと比較のため過酸化物加硫物をつくった.これらをCo-60γ線で照射し, 加硫ゴムの放射線劣化に対する橋かけ形式の影響をしらべた.その際照射前後の網目密度を測定した.その結果次のことがわかった.
    1) イオウによる橋かけはC-C橋かけに比較して耐放射線性を有する.
    2) モノスルフイド橋かけよりもポリスルフイド橋かけの方がその耐放射線効果が著るしい.
  • 多成分系のレオロジー (第4報)
    前川 悦治, 中尾 実, 二宮 和彦
    1967 年 40 巻 12 号 p. 1008-1016
    発行日: 1967/12/15
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
    活性充てん剤二種とCis 4の未分別物および数個の分別物とを組み合わせ, 充てん剤濃度を変えて得た十数個の試料についてオートグラフにより測定温度範囲一30℃~80℃およびひずみの範囲0.1~3で応力緩和実験を行なった.その結果, 活性充てん剤を混入することによって媒体すなわちゴム部分の性質は変わるが, 本質的には既報の混合則が適用できることがわかった.すなわち内部ひずみに関するパラメター, φ2は不活性充てん剤の場合と同様に求めることができ, 弾性の大変形挙動の解析より 求めたものとも一致し, 測定の時間尺度 (温度) にもよらない。また, このφ2から計算される活性充てん剤の有効容積分率, υeは不活性充てん剤の場合と同様に真の容積分率と大差ないことがわかった.さらに媒体の性質の変化についてはゴム分子が充てん剤粒子表面で化学結合を起こして充てん剤粒子同志がゴム分子によって橋かけされるために起こるものと推定される実験的証拠が得られた。最後に, 破断現象の存在を考慮に入れることにより, 既報のムーニー指度の解析から得られた結果とここで得られた知見とが矛盾なく統一的に理解できることを示した.
  • バウンドラバーの形式に関する研究 (第4報)
    丹羽 宏
    1967 年 40 巻 12 号 p. 1017-1025
    発行日: 1967/12/15
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
    炭酸カルシウム配合ゴムのゲル生成量はゴムの種類によって異なるが, 炭酸カルシウムそのものの品種によってもかなりの差がある.
    カーボンブラックの場合には, そのゲル生成量はブラックの比表面積に対応するが, 炭酸カルシウムについても同じことがいえる.たとえば, 比表面積の大きい炭酸カルシウムを用いると, BR配合においてさえ, カーボンブラックに近いゲル生成量を示すものもあるが, その生成機構や性状については, いまなお不明な点が多く, カーボンゲルとはかなり趣が異なるように思われる.
    とくに, 超微細な一次粒子が鎖状に連なり, あたかもカーボンブラックのストラクチャーのような形態をもつ炭酸カルシウムについて, ロール薄通し回数を変えてゲル生成量を測定したところ, 薄通しによる影響はさほど認められなかった.それゆえに, 超微細炭酸カルシウムの連鎖形態は非常に弱い力で結合しているものと考えられ, ゴムに混練りした場合, 容易に破壊して一次粒子となり, カーボンブラックのストラクチャーとは性質および挙動が違うようである.
    一般に, この種の炭酸カルシウムは, ゴム中で凝集体を作ることなく, 超微細な一次粒子になって分散するために, 加硫物の補強特性を向上する.
    なお, 炭酸カルシウムやFTブラックをゴムに配合した場合に生成するゲルの性状は, 促進剤, 助剤などの有無によっても大きく影響を受けるが, ゲル量の測定方法を変えると, 異なった値として記録される.
  • 加硫ゴムの破壊現象に関する統計学的考察 (第1報)
    藪田 司郎
    1967 年 40 巻 12 号 p. 1026-1032
    発行日: 1967/12/15
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
    加硫ゴムの引張応力下での破断データの統計変動を記述することができるといわれていた第1漸近分布関数は, ある場合には, 実験データに十分適合しないことが, 二, 三の研究者たちによって指摘された.この点に注目し, 極値統計学的見地からさらによい適合性と合理性が期待されうる第3漸近分布関数をとりあげ, 過去の文献データに適用した.
    一般に, 第3漸近分布関数には3つのパラメータが含まれていて, ポリマーの種類 (NR, SBR, IIR, CR, NBR) は, そのパラメータの値を変えるだけで, 分布関数自体は, 本質的に不変であることがわかった.そして, 理論と実験の問でよい適合性を期待することができた.
  • 藪田 司郎, 川又 昭雄
    1967 年 40 巻 12 号 p. 1033-1037
    発行日: 1967/12/15
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
    加硫ゴムの摩耗現象を掘り起しによる疲労破壊現象とみなし, その典型的な挙動を示すといわれるピコ摩耗現象を対象にして, 統計学的にデータを解析した.一般に, ピコ摩耗現象は多くの要因が介入した複雑な物理現象であると考えられるので, 単的な判断を下すことは困難であるが, データは右側に歪む分布を示すことから, 純実験的に第3漸近最大値分布関数を適用してみた.えられたデータの数は少数にもかかわらず, 十分な適合性を期待することができた.この事実は, 摩耗現象が極値現象であって, そのデータは, 材料的に不可避な統計変動をとることを示唆するものである.
    分布関数には, 3つのパラメータ (υ : 特性値, ω0 : 最大摩耗量, 1/α : スケールパラメータ) があるが, ω0は最大摩耗量を示すもので, 数学的には, この値以上の摩耗量は存在しえないということである.
    また, 同一配合ゴムで, データの分布に影響を及ぼすと思われる加硫度, 疲労の効果なども調べた.
  • 新しいゴムとラジカル加硫
    井本 稔
    1967 年 40 巻 12 号 p. 1038-1049
    発行日: 1967/12/15
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
  • 1967 年 40 巻 12 号 p. 1050-1051
    発行日: 1967/12/15
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル 認証あり
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