各種ジエン系ゴムに Benzohydroxamicchoride-Triethylamine を反応させて Phenylisoxazoline Ring を有する変性ゴムを合成した. BR-01(高シス含量BR)はロール上で粉末になり, IR-305(IR)は粘着性が大きく, いずれもロールによる単味配合はできなかった. HAFカーボンを充てんした未加硫配合物およびそれの加硫物について変性の効果を調べ以下のような結果を得た.
1) 変性ゴムの未加硫配合物の100°Cにおける粘度はジエン(低シス含量BR), EBR(乳化重合BR) においては未変性ゴムのそれよりも低く, SBR(乳化重合SBR)では高くなる. いずれの変性ゴムにおいても引張特性は著しく大きくなる.
2) 加硫ゴムの性質は変性により引張強さ, 引裂強さ, き裂生長が改良される. 発熱, ぜい化温度, 転位温度は変性によりほとんどかわらず, 一方耐摩耗性は悪くなる.
3) 変性ゴムにSBRをブレンドしていくと未加硫配合物の引張特性はSBRの少量のブレンドで急激に低下して, SBRの値に近づく. 加硫物の引張強さ, 伸びも各成分の相加平均よりも低くなり50/50ブレンド比のところで最低値を与える.
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