ナフテン系のプロセス油を溶出クロマトグラム法により分割した試料につき赤外, 紫外吸収スペクトル分析を行ないその組成を検討した.
光汚染性を有するA
2, R
1区分はアルキル側鎖を有するアンソラセン, フエナンソレン, ナフタセン, ペタセンなど各種多環芳香族炭化水素を含むことが知られた. このほか構造中にS, Nなどが若干含まれることも知られた.
光汚染の機構を知るためA
2, R
1区分を光照射して汚染せしめた後赤外吸収スペクトルを求めてみると, 1700~1800
-cmに幅広い>COの吸収を生じ, 過酸化物, ケトン, アルデヒド, アルコール, カルボン酸などの生成がうかがわれる.
これとは別にA
2, R
1区分を窒素気流中で光照射を行なったが汚染はまったく認められなかった.
これらの事実を綜合すると淡色プロセス油配合ゴムの光汚染現象は, 油中に存在する多環芳香族炭化水素が酸素の存在下で光エネルギーによって起される酸化現象であろうと推測される.
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