高シス•ポリブタジエンゴムとスチレン•ブタジエン•スチレン•ブロック共重合体 (スチレン含量約25重量%1)) とのロールブレンド未加硫物につき検討を行なった.
その結果, このブレンド系はミクロ不均一混合系であって, 低温においては, 高シス•ポリブタジエンゴムの結晶化現象の認められることが明らかになった. しかしポリブタジエンゴム~一般用スチロール樹脂ブレンド系などに比し, 高シス•ポリブタジエンゴムとスチレン•ブタジエン•スチレン•ブロック共重合体間の相互作用は強く, 分散ポリマーのゾーン•サイズが小さいことを認めた.
圧縮弾性率 (常温, 対数) のブレンド比に対する変化曲線は, ポリブタジエンゴムと一般用スチロール樹脂からなるミクロ不均一混合系で見られたようなS字形ないし逆S字形とはならず, 単純2相混合系の力学模型よりなる理論曲線からは, 大きくはずれることがわかった. また, 顕微鏡観察によれば, スチレン•ブタジエン•スチレン•ブロック共重合体含量50重量%のブレンドにあっては, ロール (表面温度60°C) 再練りによる転相現象も存在するようであるが, 転相に基づく軟化現象を明瞭に認めることはできなかった. さらに, これらの現象に関する考察を行ない, 前述したような, このブレンド系における形態学的特色と, ブレンドポリマー間の強い相亙作用が, この原因であることを推定した.
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