ゴム材料の難燃化に対する要求の高まりに応ずべく, CRを中心に難燃化の研究を行った. 異なる二つの試験方法-一般燃焼試験と酸素指数方法を同時併用して, 結果の信頼性を高めることに努めた. 試験方法の相違による測定値の食い違いは, 在来の燃焼試験方法に対する反省と理論的考察を試みるきっかけを与えた. ゴムにカーボンブラックを充てんすることにより得られる難燃化を材質硬化に伴う着火係数の低下と, 希釈効果にあるとした. 硬さと着火係数の関係, 希釈効果はゴム材を扱う上で必要不可避な知見である. 可燃成分を皆無とするのが難燃配合の要点であるが, やむを得ず可燃成分を配合するときに備え, 熱分解温度と難燃効果の関係を求めた. またハロゲンとSb
2O
3の相剰効果, 難燃材の化学構造と難燃効果などについて検討した. 更に酸素指数と一般燃焼試験による自消時間の相関性を求めた. なお, 当報は第40回日本ゴム協会研究発表会で,“CRの耐燃性(I)(II)”と題して発表したものを土台にして, 新たな研究, 考察を加えたものである.
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