ポリマーが細管中を流動するとき発熱を生ずるが, この流動発熱による管の温度変化及び温度勾配を, 熱電力及びその差として, 直接とり出す方法を考案し, 装置を試作した. 本装置を用いて4種の原料ゴム及びそれらのHAFカーボンブラック配合ゴムについて検討した結果, 流路となる管壁に適当なセンサを接触させて温度を測定する従来の方法に比べ, きわめて短時間に精度よく流動発熱による温度を測定できること, その発熱温度Δ
Tは実験的に粗い近似で試料によらず, 投入エネルギー量の1/2乗に比例することがわかった. また, 流動解析の際求められる管端補正係数Nと見掛けのずり速度γ
aとの間には, 溶融樹脂と異なってゴムの場合一定の関係は得られない. 流入圧力損ΔP
entとγ
aとの間にはγ
a>3×10(
s-1) の領域でほぼlogΔ
Pent∝logγ
aの関係が成り立つ. 大まかにいってΔ
Pentは原料ゴムではγ
aの0.18~0.22乗に, 配合ゴムでは0.22~0.42に比例するが, これらの値は溶融樹脂の場合に比べてかなり小さい.
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