エラストマーに放射線を照射することによる耐熱性の低下の程度を定量的に調べるためにエチレンプロピレンゴムにCo-60γ線を線量を変えて最高180Mrad 照射した. これらの試料について生起する酸化反応の程度を示す指標としてケミルミネッセンス, 分子鎖切断反応の指標としてケモレオロジーを測定して以下の結果を得た.
照射量と化学発光量との関係, 照射量と化学応力緩和速度との関係は同じ形式で表現できる.
すなわち発光量については式(1)で示された.
CLr=
CL0+
CsDβexp(-
E/RT) (1)
ここで
CLrは照射試料の発光量,
CL0は未照射試料の発光量,
Csは定数,
Dは照射線量, βは照射線量依存指数,
Eは活性化エネルギー,
Rはガス定数,
Tは絶対温度である. 一方, 照射試料の化学応力緩和速度を
Krとし, 未照射試料の速度を
K0とすると式(2)が得られた.
Kr=
K0+
CsDβexp(-
E/RT) (2)
式(1), (2)においてβはともに2.0であり,
Eは前者は83.6kJ/mol, 後者は50.2kJ/molであった。
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