アリルアミノ基とジフェニルアミノ基を有する反応性抗酸化剤, 2AD-AAとAA-DPAが合成され, NBRに対する結合率に及ぼす種々の因子の影響が検討された. これらの反応性抗酸化剤はトリアジントリチオール(以下, TTとする)の共存下で反応率を増加し, これらの混合割合が1/2のとき高い結合率を与えた. MBTS-TMTM-S加硫系が結合率を高めるのに有効であり, 特に硫黄の添加量は結合率に大きな影響を与えた. しかしながら, MBTS-TMTM-S加硫系は加硫速度が高いため, 加硫配合剤が充分に2AD-AAやTTに作用する前にNBRの加硫に作用し, 条件の検索にもかかわらず結合率は高くならなかった. そこで, MBTS-TMTM-S加硫配合剤, 2AD-AA, TTなどを加硫前に予備反応させてから加硫すると結合率は著しく増加した. これらの結果を基にして抗酸化性基結合の機構を検討し, TTが2AD-AAとNBRの二重結合を結び付ける役割をしていることが明らかとなった. 抽出前後のNBR加硫物の耐熱老化性を検討した結果, 2AD-AAとAA-DPAは有効な反応性抗酸化剤であることがわかった.
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