黒鉛, カーボンブラック, 黒鉛層間化合物, ニッケル粉末を導電性付与剤とするポリウレタン複合体を合成し, X線回折, 熱的性質, 力学物性及び導電性を測定した. 黒鉛, Ni粉末, CuCl
2-黒鉛層間化合物においては, 導電性の改良はあまり見られなかったが, 空気中で不安定なCuCl
2-層間化合物を, ポリウレタン中に安定に組み込むことができた. これらの系にリチウムイオンを導入した結果, CuCl
2-黒鉛層間化合物系で2~3桁導電性が向上した. 炭素繊維系, カーボンブラック系複合体の導電性は比較的少量の添加でもって改良され, 10
6~10
2Ω•cmの体積抵抗値を示し, 力学物性の向上とあいまって, 導電性材料•帯電防止材料として利用可能となった. カーボンブラックの分散剤としてプロピレンカーボネートを用いることでポリウレタンとの混合性の改善をはかり, -100°Cから100°Cの間で体積抵抗値 (20, 又は200Ω•cm)が一定のポリウレタン複合体を合成できた.
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