カーボンブラック表面へ導入したイミダゾゾリン基とエポキシ樹脂との反応について検討した. その結果, イミダゾリン基を導入したファーネスブラックやアセチレンブラックに大過剰のエポキシ樹脂をアセトフェノン中で反応させると, 粒子表面ヘエポキシ樹脂がグラフトすることがわかった. なお, このような系では, ゲルの生成は認められなかった. これに対して, 粒子表面のイミダゾリン基に対して, 小過剰のエポキシ樹脂をバルクで反応させると, エポキシ樹脂の硬化反応も起こるため, グラフト率は100%を超えるものが得られた. なお, このような系におけるエポキシ樹脂のゲル分率は, 反応温度が高くなるほど大きくなり, 180°Cの系では, 58.8%に達することもわかった. 以上のことから, 反応に用いるイミダゾリン基を導入したカーボンブラック量とエポキシ樹脂の量を変えることにより, グラフト反応と硬化反応とを適当に制御できることが明らかになった.
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