ポリウレタンの一般的な架橋結合として知られているビウレット結合あるいはアロファネート結合に加えて, ポリウレタンの分子骨格中にラジカル架橋結合を導入したウレタンエラストマーを合成した. これらのウレタンエラストマーは, シス-1,4-ブテンジオールを鎖延長剤に用いて二重結合を導入したプレ ポリマーに, 芳香族ジアミン化合物による硬化反応とジクミルパーオキサイドによるラジカル架橋反応を同時に行わせることにより得られた.
これらのエラストラマーについて, 架橋構造のキャラクタリゼーション, 及び力学的性質, 熱的性質, 動的粘弾性などの測定を行い, 構造と物性の関係を明らかにした.
その結果, (1)アミン分解法, IRスペクトル, 及び, 力学的方法からの網目鎖濃度の測定より, ラジカル反応による化学架橋の生成を確認した. (2)熱老化試験における強度保持率にラジカル架橋の顕著な効果が認められた.
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