ずりひずみγ=2.0の大変形下, ポリイソブチレン(M
v=9.6×10
5)の緩和弾性率と微分動的弾性率
G*(ω, γ; t)を同時測定し, 緩和弾性率の温度依存性ならびに微分動的弾性率の温度•周波数依存性を検討した. 測定温度範囲は20~80°C, 周波数範囲は0.04~0.5Hzである. その結果, 微分動的弾性率と初期値(平衡状態での動的弾性率)との比は時間-温度換算則に従い, 緩和弾性率に対するのと同じ移動因子により重ね合わせが可能であることを見いだした. 得られた
G′(ω, γ; t)ならびに
G"(ω, γ; t)換算曲線はいずれも周波数によらない曲線となり, 共に最大緩和時間程度経過しても初期値への回復を示さないのに対し, tanδ(ω, γ; t)曲線では同程度の時間経過したところで初期値への回復が認められた. これらの実験事実より, 高分子濃厚系の絡合い構造回復について考察した.
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