造成後2年目と3年目の草地を用いて,アルファルファ,アカグローバおよびラジノクローバのエストロジェン活性の季節的変動と生育年数による変動について検討した。3草種とも春の1番草から秋の4番草までを用い,4番草を除いて開花期に刈り取り,去勢未成熟マウスの子宮重量反応によってエストロジェン活性を測定した。その結果の大要は次のとおりである。1.アルファルファのエストロジェン活性は,2年草および3年草ともに春の1番草が最高で,2番草がこれに次いで高く,夏期の3番草で最低となり,秋の4番草で再び高まる傾向が認められ,季節による変動が著しかった。2年草のアルファルファのエストロジェン活性をDESの力価に換算して表わすと,乾物重100g当り1番草:2.8μg,2番草:1.7μg,3番草:0.4μg,4番草:0.8μgに相当した。3年草のエストロジェン活性は2年草の約1/3〜1/4に低下した。2.アカクローバのエストロジェン活性は2年草および3年草とるに季節による変動は小さく,1番草から4番草までのエストロジェン活性は,いずれも乾物重100g当りDES約1.0μgに相当した。3年草と2年草のエストロジェン活性もほぼ同じであった。3.ラジノクローバのエストロジェン活性は春の1番草が最低で,以降,次第に増加し秋の4番草が最高となった。2年草のラジノクローバのエストロジェン活性をDESの力価に換算して表わすと,乾物重100g当り1番草:0.4μg,2番草:0.5μg,3番草:0.8μg,4番草:1.5μgに相当した。2年草のエストロジェン活性は1年草の約1/2に低下し,年令が進むにつれてエストロジェン活性は低下することが認められた。
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