日本草地学会誌
Online ISSN : 2188-6555
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25 巻, 3 号
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  • 原稿種別: 表紙
    1979 年 25 巻 3 号 p. Cover9-
    発行日: 1979/10/31
    公開日: 2017/07/07
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  • 原稿種別: 表紙
    1979 年 25 巻 3 号 p. Cover10-
    発行日: 1979/10/31
    公開日: 2017/07/07
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  • 原稿種別: 付録等
    1979 年 25 巻 3 号 p. App4-
    発行日: 1979/10/31
    公開日: 2017/07/07
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  • 原稿種別: 付録等
    1979 年 25 巻 3 号 p. App5-
    発行日: 1979/10/31
    公開日: 2017/07/07
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  • 田村 良文, 星野 正生
    原稿種別: 本文
    1979 年 25 巻 3 号 p. 171-177
    発行日: 1979/10/31
    公開日: 2017/07/07
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    本研究では秋季自然条件下に生育した栄養生長期のイタリアンライグラスにおける非構造性炭水化物の含有率およびその特性の品種間,あるいは個体間における差異を明らかにすること,さらには非構造性炭水化物含有率を代表しうる形態的,あるいは生理的な指標の究明を前提として,非構造性炭水化物の含有率およびその特性と同草種の形態的,生理的形質との関連を追求することを目的とし,まず本実験では2倍体(2n)および4倍体イタリアンライグラス(4n)のそれぞれに耐雪性強と同弱の品種を選定し,品種の耐雪性と越冬前の茎の全非構造性炭水化物含有率(TNC%)の関連について,さらには,TNC%と2,3の形態,生理的形質との関連について検討を行った。2n,4nいずれにおいても耐雪性強の品種は同弱の品種に比較し,高いTNC%を示すことが認められた。非構造性炭水化物は積雪下での越冬中における基礎生活維持エネルギー源として,品種の耐雪性と密接にかかわりあっているものと考えられる。茎および葉身の乾物率また全窒素含有率は茎のTNC%とそれぞれ有意な正あるいは負の相関を示し,TNC%の指標としての可能性が認められた。同時に,TNC%に対する乾物率の回帰においては2nと4nが有意に異なった回帰常数を示したので,乾物率を指標とする場合には2nと4nを区別して取扱わなければならないことが明らかであった。乾重当り全窒素%については2nと4nの回帰式が併合された。2nにおいては葉積重とTNC%が有意な正の相関を示した。
  • 田村 良文, 星野 正生
    原稿種別: 本文
    1979 年 25 巻 3 号 p. 178-186
    発行日: 1979/10/31
    公開日: 2017/07/07
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    本研究では秋季自然条件下に生育した栄養生長期のイタリアンライグラスにおける非構造性炭水化物の含有率,およびその特性の品種・個体間における差異を究明し,育種への基礎的な資料を提供することを目的とし,本実験では,2倍体イタリアンライグラス17品種における品種間差異を調査期をかえて検討した。1)最終調査時における茎の非構造性炭水化物含有率(NSC含有率)には乾重当りで35%〜47%にわたる明確な品種間差異が認められた。2)茎のNSC含有率の品種間差異の大部分はフラクトサン含有率の品種間差異に起因しており,単・小糖類含有率にはフラクトサン含有率に見られるような明確な品種間差異がないものと推察された。3)フラクトサン含有率の高い品種ほどフラクトサンの重合度が高い傾向を示すことが認められた。4)NSC含有率,あるいはNSCの特性の品種間相対差は葉身と茎で,また各調査期で同様な傾向を示すことが認められた。しかし,調査後期において品種間差がより明確であった。5)極早生,早生品種においてNSC含有率,フラクトサン含有率,フラクトサンの重合度が低く,したがって非構造性炭水化物の蓄積的な性格の劣ると考えられる品種が多く,一方,中,晩生品種にはこれと相反する傾向を示す品種の多いことが認められた。しかし,例外的な品種の存在も明らかであり,早晩性により明確に区分出来ない。6)調査の後半期においてNSC含有率は地上部生育量,葉積重と有意な正の相関を示した。これらの因果関係について形態的あるいは生理的側面からの考察が加えられた。
  • 橋爪 健, 西村 修一
    原稿種別: 本文
    1979 年 25 巻 3 号 p. 187-194
    発行日: 1979/10/31
    公開日: 2017/07/07
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    早生系イタリアンライグラスの2晶種(ワセユタカ・山系12号)を9月28日・10月18日・11月11日の3播種時期に,前作セタリアまたはグリーンパニック立毛内に中播きした。そこで,これら前作物の再生のちがいにより生じた異なる光・温度条件のもとで,イタリアンライグラスの中播き適期を検討した。高温・低照度条件下ほど,中播きイタリアンライグラスの定着・初期生育は悪化し,とくに,9月播きの前作グリーンパニック中播き区において著しかった。11月播きのセタリア再生株に生じた高節位分げつは,立毛内の光分布を変化させ,中播きイタリアンライグラスの定着・初期生育の悪化の一因となった。掃除刈り(11月11日)以後の中播きイタリアンライグラスの生育回復は,9月播きの前作セタリア中播き区において,とくに良好であった。前作暖地型牧草と中播きイタリアンライグラスの合計収量について,同一播種日で比較すると,対照区(裸地播き区)と大差なかった。しかし,前作物を20日早く刈取り,その立毛内にイタリアンライグラスを中播きした区は,対照区に比べて,乾物生産が均一化し,増収効果が認められた。以上の結果から,九州北部においては,9月下旬(日平均気温:22.7℃)に,2g/m^2以上のワセユタカを前作グリーンパニック立毛内に中播きし,播種20日めに掃除刈りし,立毛内の相対照度を20%以上に維持することが重要である。
  • 渡辺 潔, 高橋 佳孝
    原稿種別: 本文
    1979 年 25 巻 3 号 p. 195-202
    発行日: 1979/10/31
    公開日: 2017/07/07
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    オーチャードグラスの2・3番草の再生の推移を,追肥量を変えて週1回の間隔でそれぞれ8週間追跡調査した。2番草ならびに3番草への追肥量は,多肥区ではN0.8,P_2O_5 0.4,K_2O 0.7kg/a,中,少肥区では各成分ともそれぞれ多肥区の1/2,1/4とした。再生初期では,多肥になるほど草丈,LAI及び茎数は急速に増加したが,透光率と刈株TNC含有率の低下が著しく,再生後期では,多肥になるほど刈株TNC含有率の回復が遅れ,茎数が減少し,枯葉が多発して6週以降ではLAIと生体部の収量が急減し,草丈の伸長も抑制された。したがって,8週後では生体部収量とLAIは多肥区でも中肥区とほとんど変らず,茎数は中肥区より多肥区でむしろ少なくなった。既報で刈取適期と想定した平均生産力(生体部収量/再生期間)の最大期までの再生期間は,2・3番草の多,中,少肥区で,それぞれ4.4・4.5,4・5・4.8,3.5・3.9週で,その時期の平均生産力は,それぞれ9.0・7.8,6.4・5.3,4.6・3.8g/m^2/日となった。また,その時期の生育状態は,多肥区では既報の刈取適期の指標(草丈74cm,LAI7.4,透光率1%)に近似したが,中,少肥区では生育量が小さく,既報の指標には適合しないことが認められた。上述の結果から,刈取時期が適正であれば多肥の増収効果は大きいことが明らかになった。
  • 渡辺 潔, 高橋 佳孝
    原稿種別: 本文
    1979 年 25 巻 3 号 p. 203-209
    発行日: 1979/10/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    前報で求めたオーチャードグラスの2・3番草の生育・収量の推移を表わす3次回帰方程式を使用して,生長解析を行った。多肥になるほど,草丈は高くなるがLAIの増大はより急速であり,同じLAIの間で比較すれば透光率は低くなるがNARは総じて高く,最適LARと最大LAIは増大し,LAIのより広い範囲にわたってCGRが高く保たれ,CGRの最大値は大きく,乾物生産量は大巾に増大した。しかし,再生末期には多肥になるほど刈取部や地上部を対象にして算出したNARは顕著に低下し,LAIや全植物体重の減少も著しくなった。各追肥区ともLARはLAIに比例して近似の水準で増大し,SLAは再生が進むにしたがって近似の水準で低下した。なお,生長解析の結果は,生体部だけの場合と枯死部も含めた場合で大差なく,地上部と全植物体では近似しているが,刈取部と全植物体ではとくにNARの推移にかなりの差異が認められた。以上の結果から,オーチャードグラスの2・3番草の多肥による乾物生産量の増大は,主にLAIが急速に増大することと透光率の低下が著しい割にはNARが低下しにくいことに起因し,またその生長解析には,枯死部や根の調査を省略してもそれらを含めた場合と近似した結果が得られるが,刈株の調査は省略不可能といえよう。
  • 川鍋 祐夫, Cedric A. NEAL-SMITH
    原稿種別: 本文
    1979 年 25 巻 3 号 p. 210-215
    発行日: 1979/10/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    生産力が高く,耐寒性が強く,低温下で旺盛な生育をする亜熱帯性イネ科の草種および品種を見出すことを目的として,生育特性,季節生産性,耐寒性を比較した。供試牧草はダリスグラス,Chloris(ローズグラス)の10品種,Setaria(ゴールデンチモシー)の5品種,Panicum maximum(グリーンパニック),P. coloratum(パニカム・コロラータム),Cenchrus(パッフェルグラス)の2品種,Sorghum almum(ソルガム・アルマム,コロンブスグラス),およびDigitaria argyrograpta(デジタリア・アルギルグラプタ)の計22種である。ChlorisとSetariaは原産地の標高の異なる品種を含んでいる。ほ場試験は冬が温暖な場所と,冬が低温な場所の2か所で行われた。結果は次のようである。生産力の高い牧草は,試験地により異なるがChlorisのある品種,Sorghum及びSetariaのN810である。低温の冬を越せた牧草は,ダリスグラス,Digitariaの2種で,温暖な冬を越せたのは上のほかChlorisのNzoiaとPioneer Sorghum,P. Coloratum,N810を除くSetariaの多くの品種である。ChlorisやSetariaの新しい系統を,熱帯の高地に探索することにより,わが国暖地の夏により適する牧草を開発しうる可能性が高いと指摘された。
  • 川鍋 祐夫, Cedric A. NEAL-SMITH
    原稿種別: 本文
    1979 年 25 巻 3 号 p. 216-221
    発行日: 1979/10/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    東アフリカの1,170mから2,270mまで異なる標高の地域に起源をもつローズグラスの四品種と,南アフリカに原産した市販種とを,15/10から36/31℃まで五段階の昼/夜温で三週間処理して生育量を調査し,RGR,NAR,LWRを求め,品種間比較を行った。各品種はほぼ同じような温度生育関係を示し次のように結論された。生育の最低温度は15/10℃とみられ,これより27/22℃ぐらいまで温度が高まれば高まるほど旺盛な生育をする。生育適温は27/22℃またはこれより高い所にあり,36/31℃では乾物生産量は最大であったが,ほふく茎の発生などには高過ぎる温度である。高標高地起源のNzoiaおよびMassaba,ならびにPioneerは,低標高地起源のSerereおよびMpwapwaより15/10℃の低温における生育が優れ,NAR,出葉数などが大であり低温適応性を有するものと認められた。この結果から原産地の気象条件と品種の温度反応との間には,密接な関係があると指摘された。
  • 小林 裕志, 鈴木 昇
    原稿種別: 本文
    1979 年 25 巻 3 号 p. 222-226
    発行日: 1979/10/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    イタリアンライグラス・アルファルファ・陸稲・小麦・大麦の5草種を供試し,水耕培地での初期生育期間中におけるグルコースならびにウロン酸の分泌を定量した。はじめにその根系形態にしたがい,イネ科4種をイタリアンライグラス・陸稲の類と小麦・ライ麦の類とに大別した。後者は不定根から分枝する側根の数や総延長が豊富であり,側根主体の根系といえる。5週令での多糧類分泌を5草種すべてについて検討した結果,麦類4〜5,陸稲1.8,イタリアンライグラス1.0,アルファルファ0.7mg/10個体/日(グルコースの場合)の分泌量で麦類が圧倒的に多かった。このような種間差は個体当りで換算した場合に明確になる。このことから,個体当りの根量の多少が分泌量に直接的に関与してくるものと考えられる。次に,イタリアンライグラスと陸稲について11週令までの生育令による分泌量変動をみた。両草種とも3週令にくらべ11週令では個体当り約10倍の分泌量を示した。これを根重当りに換算すると両草種とも5週令において分泌量のピークを示した。一方,相対生長率からみた根系発達は3〜5週令においてもっとも旺盛であった。これらのことから,草体生育の旺盛な時期において根からの活発な多糖類分泌が推察される。以上の結果から,牧草においても根からの多糖類分泌は認められるものの,麦類にくらべその量はかなり少ないことが知れた。また,牧草の場合にも根系発達の旺盛な段階で多糖類分泌も最多になることが知れた。
  • 小林 裕志, 鈴木 昇
    原稿種別: 本文
    1979 年 25 巻 3 号 p. 227-230
    発行日: 1979/10/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    イタリアンライグラスおよびアルファルファを供試し,水耕培地・ガラス粒培地および石英砂培地でのグルコースおよびウロン酸の分泌量を検討した。また,根自身の含有するグルコース・ウロン酸を定量し分泌量を比較検討した。三種類の培地で4週令まで生育させた結果は以下のように要約できる。根系形態は水耕培地ではまっすぐに伸長し,粒子培地では間隙形状にあわせて屈曲性に富む。しかも後者で億側根発達が顕著であった。培地への分泌量を定量すると両草種とも粒子培地の方が水耕培地より高い値を得た。たとえばグルコースの場合,粒子培地では水耕培地の6〜7倍量が検出された。既応の文献によれば,粒子培地の根はダメージを受けその傷口からの体液流出物が真の分泌物に加算されることを粒子培地の分泌物多量の理由としている。本報では,根自身に含有する多糖類と培地溶液中のそれとの比較や固定微細間隙で示した根の動態から判断し,根が粒子との接触によって受ける物理的な刺激によって生理的分泌量を増加するのではないかと推論した。
  • 阿部 亮, 名久 井忠
    原稿種別: 本文
    1979 年 25 巻 3 号 p. 231-240
    発行日: 1979/10/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    アミラーぜ,プロナーゼおよびセルラーゼの連続処理からなる酵素分析を乾草,稲わらおよびトウモロコシサイレージに適用した.試料の有機物はアミラーゼ,プロナーゼでの連続処理により,可溶のOCC分画と不溶のOCW分画とに分けられ,更にOCWはセルラーゼの加水分解によって,可溶のOa分画と不溶のOb分画とに分けられた.すべての飼料群において,OCC+Oaの分画では,その含量と可消化量との間に,高度に有意な相関が得られ,又,b分画についても,イネ科乾草グループ(イネ科主体混ぱん草および稲わらおも含む)およびトウモロコシサイレージでは,同様の傾向が示された.酵素分析のシステムにおいては,可消化有機物含量は,可消化のOCC+Oaと可消化のObとの和で示される.従がって,イネ科乾草グループおよびトウモロコシサイレージでは,含量と可消化量の間に成立する回帰式を利用することにより,可消化有機物含量の推定が可能である事が判った.更に,本実験では,生育時期を違えてメリ取ったオーチャードグラスとアルファルファに対しても酵素分析を施こし,生育の進展にともなう各分画の含量の変化を追跡した.その結果,生育にともなってOCCは減少し,OCWは増加する.また,OCW中では,in vivoの消化試験において高消化率を示すOa分画が生育にともなって減少した.
  • 増子 孝義, 藁谷 信一, 佐谷野 利幸, 淡谷 恭蔵
    原稿種別: 本文
    1979 年 25 巻 3 号 p. 241-245
    発行日: 1979/10/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    サイレージ貯蔵中における硝酸態窒素の消失に関連する要因を明らかにするために,まず,硝酸含量のレベルならびに糖添加レベルを変えたサイレージの硝酸態窒素の消失と品質との関係を検討した。1.硝酸態窒素の消失は,材料草中の硝酸態窒素含量が多くなるにつれて,高くなった。また,品質との関係をみると,低品質サイレージでは消失が大きかった。2.グルコースを添加すると,品質は向上したが,硝酸態窒素の消失は低下した。グルコースの添加量を増しても消失に影響はみられなかった。3.品質,pHおよびアンモニア態窒素の全窒素に対する割合と硝酸態窒素の消失率との間には相関関係がみられ,それぞれ,相関係数はr=-0.686,r=0.666,r=0.586であり,1%水準で有意性が認められた。
  • 木部 久衛
    原稿種別: 本文
    1979 年 25 巻 3 号 p. 246-250
    発行日: 1979/10/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    材料生稲わらの水分含量および詰込密度がサイレージの品質ならびに開封後の二次発酵にどのような影響をおよぼすかを調査する目的で,収穫直後の生稲わらを用いてつぎの6区すなわち1区(高水分,高密度区),2区(高水分,低密度区),3区(中水分,高密度区),4区(中水分,低密度区),5区(低水分,高密度区)および6区(低水分,低密度区)を設けた。なお生稲わらの水分含量は,高,中および低水分区でそれぞれ平均72,67および62%となり,また詰込密度は高および低密度区で500kg/m^3および400kg/m^3(いずれも原物重量)とした。室温にて6ヵ月間貯蔵した後これらサイレージの品質ならびに開封後の二次発酵を調査した。その結果,生稲わらサイレージのpH価は各水分区とも高密度処理の方が低密度処理に比較してかなり高い値を示したが,乳酸含量は逆に高密度区の方が少なかった。っぎに揮発性脂肪酸(VFA)の組成について調査した結果,低水分区の酢酸含量は高および中水分区に比較して高かったが,酪酸以上の高級VFA含量は逆に著しく低かった。サイロ開封後の温度変化については,高および中水分区の温度が低水分区の温度に比較して開封後6日目頃より上昇する傾向がみられた。さらに高および中水分区の中でも低密度処理の方が高密度処理にくらべて最高温度は高くなった。
  • 木部 久衛, 粕谷 武司
    原稿種別: 本文
    1979 年 25 巻 3 号 p. 251-259
    発行日: 1979/10/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    原料牧草の水分含量とサイレージ中揮発性成分含量との関係ならびにサイロ開封後における揮発性成分含量の経時的変化について調査を行った.すなわち材料牧草としてオーチャードグラスを用い,細切直後の高水分区,室内にて24時間予乾した中水分区,同じく36時間予乾した低水分区の3区を設け,いずれもポリ袋に詰めて排気密封を行い,室温にて70日間貯蔵した.サイロ開封時から14日後に至るまでのサイレージの品質について調査した結果,低水分サイレージのpH価は高ならびに中水分サイレージのpH価にくらべて低く推移し,また乳酸含量は逆に高くとどまった.水蒸気蒸溜によりサイレージ中からは多くの揮発性成分が検出されたが,これら揮発性成分の総量は高水分サイレージが,中および低水分サイレージに比較して多かった.なおサイロ開封時における高水分サイレージの揮発性成分としては,イソペンタノール,シス3ヘキセナール,βフエニルエタノール,4エチルグアヤコール,4エチルフエノールなどが,また中水分サイレージにおいては,イソペンタノール,βフエニルエタノール,4エチルグアヤコール,4エチルフエノール,リノレン酸エチルなどが,また低水分サイレージの場合は,イソペンタノール,βフエニルエタノール,リノレン酸エチルなどのピーク面積割合が比較的大きかった.またサイレージ中の各揮発性成分のピーク面積の全ピーク面積に対する割合は,サイレージの水分含量やサイロ開封後の時間的経過によりかなり異なった.
  • 大島 光昭, 大内 清俊
    原稿種別: 本文
    1979 年 25 巻 3 号 p. 260-268
    発行日: 1979/10/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    新鮮ラジノクローバーを3倍容の水とともに10l容のブレンダーで磨砕し,磨砕物を,2重ガーゼを敷いたバスケット式遠心分離機で,汁液と繊維残渣に〓別し,汁液は緑葉蛋白質濃縮物の調製に供し,繊維残渣は,そのままあるいは添加物を混合しためち,0.8l容のガラス瓶に500ずつ詰め込み,45日間,嫌気条件下で保存した.繊維残渣の水分およびWSC含量はそれぞれ,83〜88%(平均85%)および3.8%(乾物中,平均3%)であった.6回に亘る実験のいずれにおいても,無添加の繊維残渣からpH約4.2の良品質サイレージがえられた.一方,対照として約1cmに細断した原料クローバーから調製したサィレージは,乳酸含量がより高かったにもかかわらず,pHは4.5を下廻ることはなかった.グルコースを生重当り2%添加することにより両サイレージともpHは低下したが,その場合も繊維残渣サイレージの方が低いpHを示した.以上の結果は,繊維残渣調製時の窒素化合物および緩衝物質の除去および磨砕の影響のいずれかによるものと考え,緑葉蛋白質添加処理,クエン酸ソーダ添加処理,あるいは再抽出処理をした繊維残渣および磨砕したクローバーからもサイレージを調製し,それらの品質を,無処理の繊維残渣および細断したクローバーより調製したサイレージの品質と比較した.その結果,サイレージのpHは,蛋白質含量および磨砕処理に比し,緩衝物質の影響をより大きくうけることが推察された.
  • 福見 良平, 熊井 清雄, 丹比 邦保, 藤原 鉱太郎
    原稿種別: 本文
    1979 年 25 巻 3 号 p. 269-271
    発行日: 1979/10/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 熊井 清雄, 福見 良平, 丹比 邦保, 堀内 悦夫
    原稿種別: 本文
    1979 年 25 巻 3 号 p. 272-275
    発行日: 1979/10/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 付録等
    1979 年 25 巻 3 号 p. 276-277
    発行日: 1979/10/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 付録等
    1979 年 25 巻 3 号 p. 278-
    発行日: 1979/10/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 付録等
    1979 年 25 巻 3 号 p. 278-
    発行日: 1979/10/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 付録等
    1979 年 25 巻 3 号 p. App6-
    発行日: 1979/10/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 表紙
    1979 年 25 巻 3 号 p. Cover11-
    発行日: 1979/10/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 表紙
    1979 年 25 巻 3 号 p. Cover12-
    発行日: 1979/10/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
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