日本草地学会誌
Online ISSN : 2188-6555
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ISSN-L : 0447-5933
26 巻, 1 号
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  • 原稿種別: 表紙
    1980 年 26 巻 1 号 p. Cover1-
    発行日: 1980/04/30
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 表紙
    1980 年 26 巻 1 号 p. Cover2-
    発行日: 1980/04/30
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 付録等
    1980 年 26 巻 1 号 p. App1-
    発行日: 1980/04/30
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 〓見 明俊, 川俣 生子
    原稿種別: 本文
    1980 年 26 巻 1 号 p. 1-6
    発行日: 1980/04/30
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    オーチャードグラスの黄葉性変異体を用いて黄葉性の遺伝様式を明らかにした。黄葉性は正常な緑葉性に対し劣性の1対の遺伝子により四染色体的に伝えられ,劣性の致死作用を有する。duplex個体の多くは正常な緑葉を有するが,ときに黄緑葉を有する場合もあり,遺伝子対の優劣は微妙である。黄葉性の分離は染色体自由分離よりは染色分体自由分離への適合性が高い。
  • 櫛引 英男
    原稿種別: 本文
    1980 年 26 巻 1 号 p. 7-13
    発行日: 1980/04/30
    公開日: 2017/07/07
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    単純積算温度によって,北海道の地帯区分を行い,またそれぞれの区分における品種配合を試みた。得られた結果は次の通りである。単純積算温度150℃を1区の幅とし,北海道をAからFの6区に区分した。次に各区に早晩性品種群の配合を試みたところ,道東道北地帯の主要部を占めるC,DおよびE区では早生品種群を中心とした中生品種群との配合,また道央以南を占めるAおよびB区では中生および晩生品種を中心とする配合が適当であると推定された。DおよびE区においては,平年で乾物率30%の原料をうる品種配合のためには,現在の早生品種より早熟な2つの極早生品種群育成の必要性が認められた。これらの極早生品種の絹糸抽出期は十勝農試においては「ワセホマレ」の8月4日に対し,7月28日および7月21日と推定された。
  • 櫛引 英男
    原稿種別: 本文
    1980 年 26 巻 1 号 p. 14-18
    発行日: 1980/04/30
    公開日: 2017/07/07
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    日平均気温をそのまま積算する単純積算温度が各種の有効積算温度よりも一定性の高い根拠について検討した。有効範囲の下限以下の温度については,日平均気温は10℃以下の場合でも発芽および子実重増加にかなり有効に働いた。これには10℃以下の温度自体が有効であることの他に,日中に数時間は保たれる良好な温度条件が寄与していると推察された。寒冷地においては,日平均気温が25℃以上に達する日数は少なく,そのため上限温度設定の意義は低い。さらに,降雨量がほぼ十分であるので,上限前後の高い温度も作物に有効に作用していると推察された。以上,寒冷地における有効積算温度は,実際には生育に有効に作用している温度も除いていることになり,反面この部分の除かれない単純積算温度は他の有効積算温度よりも年次間および場所間で変異が少なく,その一定性が高く示されていたと結論された。
  • 櫛引 英男, 名久井 忠, 仲野 博之, 早川 政市, 岩崎 薫, 阿部 亮
    原稿種別: 本文
    1980 年 26 巻 1 号 p. 19-25
    発行日: 1980/04/30
    公開日: 2017/07/07
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    第1〜3報において,刈取時に黄熟期に達する早熟性品種は適正な多肥密植栽培により晩生品種とほとんどそん色ない多収となること,またこの場合でも早熟性品種群個有の高い原料品質は保持されることを報告した。これをサイレージとし,めん羊による消化試験を行ったところ,上記結論が概ね妥当であることが示された。つまり,乾物TDN 70%内外の高品質のサイレージの調製には刈取時乾物率30%内外となる早熟性品種の原料を必要とすることが認められた。また早熟性品種は密植によって30〜50%の多収となり,調製されたサイレージは早熟性品種個有の高い発酵品質を示した。新得方式による原料トウモロコシの推定TDN含量は,めん羊によるサイレージの消化試験のTDN含量よりやや高く示され,その程度は晩生品種で大きかった。これは,新得方式は本来サイレージの飼料価値推定のためのものであり,サイレージ発酵中の養分損耗が考慮されていないこと,および晩生品種の茎葉の消化率が低いことによるものと推察された。
  • 福山 正隆, 嶋村 匡俊, 牛山 正昭, 及川 棟雄
    原稿種別: 本文
    1980 年 26 巻 1 号 p. 26-35
    発行日: 1980/04/30
    公開日: 2017/07/07
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    山地傾斜草地における経年草地の一次生産力並びに草地の状態を明らかにするために,浅間山南麓の草地試験場山地支場の利用9-10年目のオーチャードグラス草地で調査を行った。その草地は,ホルスタイン種の育成牛を中心として毎年50-60頭を500-700CD/haで輪換放牧してきた草地である。草地の純生産量は,家畜による採食量(G),枯死・脱落量(NL)およびバイオマスの変化量(ΔB)の和で表わされる。ここでNLはあらかじめ消石灰を散布し,その上に新たに落下した量をもって当て,またGは放牧前後の現存量の差に放牧中の草の推定生長量を加えたものとした。その結果を生育期間における2ヵ年の平均値で示すと,純生産量1,417g/m^2,枯死・脱落量408g(年間では555g),採食量870gとなり,年間の採食利用率は62%,土壌移行率は48%であった。永年草地の場合,貯蔵器官としての地下部重の変化が重要となるが,本草地では越冬前後でその値に大差なく,寒冷地にもかかわらず冬期間の消耗率はきわめて少なかった。次に物質生産の担い手である葉面積指数についてみると,放牧前では3-6,その平均値は1975年が3.5,1976年が4.7であり,一方放牧後では2-3.5,その平均値は1975年が2.1,1976年が2.3であった。また群落による投下光エネルギーの捕獲割合は放牧後でも60-70%はあった。以上のことより,本草地の生産力はかなり高いものであることがわかった。またその草地の状態は放牧後でもその後の良好な再生を保つに必要な葉面積が常に確保され,群落の光エネルギーの捕獲も良い状態であることがわかった。また地上生産物の土壌への還元量も多いことがわかった。
  • 岡田 忠篤
    原稿種別: 本文
    1980 年 26 巻 1 号 p. 36-40
    発行日: 1980/04/30
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    グリーンパニック種子の発芽率は,採種直後はきわめて低く,翌年1月ごろまで急増して,それ以後5月までほぼ一定の値であった。夏期には低い発芽率を示した。採種翌年の10月以降の発芽率は,採種後1年間より高かった。夏期の発芽率の低下は発芽実験中の高温障害によると推定された。置床から発芽始めまでの日数は,採種後の時間経過とともに少なくなるが,その様相は種子の採種日によって異なった。早いものでは採種後4か月で,多くの場合は採種後9か月までに,この日数が3-4日となった。採種後の貯蔵期間ごとにみて,よい発芽をうるための種子貯蔵法として以下のことが考えられた。(1)採種後5-9か月で播種する場合は20-40℃間の温度下で乾燥条件に置く。(2)採種後13-18か月で播種する場合は30℃または40℃下で乾燥条件に置く。実用的には(3)の方法も利用できる。(3)採種後3-6年で播種する場合は紙封筒に入れ乾燥条件で貯蔵する。
  • 佐藤 徳雄, 酒井 博, 藤原 勝見
    原稿種別: 本文
    1980 年 26 巻 1 号 p. 41-46
    発行日: 1980/04/30
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    オーチャードグラスとアルファルファ混播の収量並びに構成割合に及ぼす播種期と播種量および苦土石灰量の影響について検討するために圃場試験を行った。処理は播種期を4段階,オーチャードグラスに対するアルファルファの混播量を3段階とし,苦土石灰の施用量を無石灰区を含めて3段階とした。結果:1.アルファルファは生育初期の競争力に劣り,8月下旬以降の播種期ではオーチャードグラスの発芽生育が旺盛になってアルファルファは弱小化してしまった。アルファルファの株立ちに成功し,構成割合を適正に維持するためにはオーチャードグラスの播種適期より稍早めの8月中旬頃に混播するのがよいものと考えられた。2.オーチャードグラスに対するアルファルファの密播はオーチャードグラスとの競争(種間競争)のほかにアルフルァファ同種間の競争(種内競争)が激しくなってアルファルファは弱小化し,枯死個体の増加を招くので,アルファルファの株立ちの確保と生育生存におよぼす密播効果は少ないものと考えられた。3.強酸性の火山灰土壌での苦土石灰の施用はアルファルファの生育生存に効果的で多用区ほど残存個体数が多く,収量割合も高かった。4.本試験では越冬を契機にアルファルファの株数が激減し,目標どおりの混播率を保つことができなかったので,今後はその対策をふまえながら適正混播率の維持方策を究明していきたい。
  • 北村 征生, 西村 修一
    原稿種別: 本文
    1980 年 26 巻 1 号 p. 47-52
    発行日: 1980/04/30
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    暖地型マメ科草7草種について,5段階の温度条件(昼夜恒温15,20,25,30,および35℃)の下で発芽率および発芽速度を比較し,播種適温域を探った。供試草種は,Stylosanthes humilis cv. Townsville(タウンズビルスタイロ),Trifolium semipilosum cv. Safari(サファリクローバ),Desmodium intortum, cv. Greenleaf(グリーンリーフデズモデイウム)Macroptilium atropurpureum cv. Siratro(サイラトロ),Lotononis bainesii cv. Miles(マイルズロトノニス),Glycine wightii cv. Cooper(クーパーグライシニ)およびLeucaena leucocephala(ギンネム)の7種である。結果:発芽率に関しては,グリーンリーフデズモデイウムとクーパーグライシニが30℃,タウンズビルスタイロとサファリクローバが25℃,サイラトロとマイルズロトノニスおよびギンネムが20℃で最も高かった。発芽速度は,(1)発芽開始,(2)種子の内50%,(3)同90%が発芽するまでに必要な日数で示した。その結果,25℃を境として高温側ではグリーンリーフデズモデイウム,サイラトロ,マイルズロトノニス,低温側ではサファリクローバとギンネムの発芽速度が速く,タウンズビルスタイロとクーパーグライシニは温度による発芽速度の差が認められなかった。以上,草種別の発芽率および発芽速度におよぼす温度の影響を総合して播種に適した温度域を考察すると,25℃を境として高温側にあるものがマイルズロトノニス,グリーンリーフデズモデイウムおよびサイラトロ,低温側にあるものがサファリクローバ,また,25℃付近にあるものがタウンズビルスタイロ,クーパーグライシニ,およびギンネムであると結論された。
  • 北村 征生, 西村 修一
    原稿種別: 本文
    1980 年 26 巻 1 号 p. 53-58
    発行日: 1980/04/30
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    暖地型マメ科7草種について,5段階の昼夜恒温条件(15,20,25,30,および35℃)の下で,乾物重,窒素固定能(アセチレン還元量)および根粒形成状態を比較し,それぞれの草種について,生育および窒素固定の適温域を探った。供試草種は,Styrosanthes humilis cv. Townsville(タウンズビルスタイロ),Trifolium semipilosum cv. Safari(サファリクローバ),Desmodium intortum cv. Greenleaf(グリーンリーフデズモデイウム),Marcroptilium atr opur pur eum cv. Siratro(サイラトロ),Lotononis bainesii cv. Miles(マイルズロトノニス),Clycine wightii cv. Cooper(クーパーグライシニ)およびLeucaena leucocephala(ギンネム)の7種である。結果:1)乾物収量について,暖地型マメ科草は20および30℃で最大値を示す2群に大別された。前者にはマイルズロトノニス,サファリクローバ,およびクーパーグライシニ,後者にはギンネム,サイラトロ,タウンズビルスタイロ,およびグリーンリーフデズモデイウムが属した。2)窒素固定能力に関しては,30,25,および20℃で最大値を示す3群に大別できた。30℃にはタウンズビルスタイロ,25℃にはグリーンリーフデズモデイウムとサイラトロ,20℃には残り4草種が属し,その適温域は乾物生産の場合よりも低く,狭かった。3)根粒の形成におよぼす温度の影響は,乾物の場合とほぼ同じ傾向を示したが,根粒の活力については,サファリクローバとマイルズロトノニスが20℃,残りの5草種が25℃で最大値を示す2群に大別できた。以上の結果を総合的に考察して,乾物生産と窒素固定の適温域の総合としての生育適温域について,暖地型マメ科草は高温および低温の2つの温域を生育適温域とする2群に大別することができるが,窒素固定よりも乾物生産の適温域の影響が大きいと結論された。
  • 尾形 昭逸, 河野 憲治, 安藤 忠男
    原稿種別: 本文
    1980 年 26 巻 1 号 p. 59-66
    発行日: 1980/04/30
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    寒地型牧草と暖地型牧草の連続不耕起栽培における追播牧草の定着に及ぼす地温の影響を前植生と追播牧草との生育競合の面から解析するため,地温を変えた土耕ポット試験を行った。さらに追播時期を変えた圃場試験により,追播牧草の定着が最良となる適地温域を明らかにした。1.地温を18〜33℃の4段階に変えてイタリアンライグラス(Ir)草地にバヒヤグラス(Ba)を追播した場合,Baの生育は28℃以上の高地温域で旺盛となり,良好な定着を示した。しかし23℃以下の低地温域では旺盛な残存生育をするIrとの光や養分に対する競合の結果,Baの定着は不良となった。一方,地温を15〜30℃の4段階に変えてBa草地にIrを追播した場合,15〜25℃の地温域でのIrの生育は極めて旺盛となり,定着も良好であった。2.18,23,28,33℃の各地温域で生育させたBaとIrの根のTTC還元力と呼吸能は,Baでは28℃以上の高地温域で,Irでは18〜23℃の低地温域で高い値を示した。このように地温はBaとIrの根の活性に著しく影響することから,地温は前植生と追播牧草との生育競合に養分吸収の面からも大きく影響するものと考えられた。3.Ir草地にBa,ローズグラス(Ro),ダリスグラス(Da)を時期を変えて追播した場合Ba,Da. Roの定着は地温25℃以上となる追播期で最良となった。また,Ba,Daと比較して初期生育が速く,根の活力の大きいRoの定着が良好であった。しかし,Ro,Ba,Daの定着向上を図るためには,前植生Irとの生育競合をさらに軽減させる方策が必要と考えられた。他方,暖地型牧草地にIrを追播する場合,Irは地温20℃以下となる追播期で最良となり不耕起でも比較的容易に定着するものと考えられた。
  • 小関 純一, 高橋 達児
    原稿種別: 本文
    1980 年 26 巻 1 号 p. 67-73
    発行日: 1980/04/30
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    本邦の放牧草地におけるt-アコニット酸の蓄積に及ぼす若干の要因について検討を加え,これらとグラステタニー症発生との関連を明らかにしようとした。試験方法は次の三法によった。1)本症または類似症状の発生がみられた東北・北海道地域の7草地について,レッドトップを中心にそのt-アコニット酸含量の実態調査。なお,非発生草地の例として,西那須野の草地試験場内圃場を供試した。2)造成後7年目の草地試験場内圃場において,少・多2段階の施肥処理を設けてレッドトップ中のt-アコニット酸含量の季節変化を調査。3)造成後2年目の草地試験場内圃場にて,レッドトップ中のt-アコニット酸含量に及ぼすNもを含めた無機組成の影響について検討した。処理はMgの施用量(4段階)を中心に6水準。得られた結果は次のごとくである。1)本邦の放牧草地において,t-アコニット酸の蓄積に最も関係のある草種はレッドトップと考えられ,それに次ぐものとして,リードキヤナリーグラスならびにレッドフエスクなどがあげられた。2)レッドトップ中のt-アコニット酸含量の季節変化は少肥区と多肥区では,全く異なる傾向がみられた。3)レッドトップ中のN含量のみがそのt-アコニット酸含量の増大を促進し,他の無機成分(K,Ca,Mg)含量の増大は逆にそのt-アコニット酸含量の低下と密接な関係を示した。以上の結果より,施肥などを含めた土壌のN供給力が大きく,かっ,Ca,Mgなどの供給力が低い条件下において,レッドトップが優占している草地ではt-アコニット酸が蓄積しやすく,グララステタニー症発生の危険性が高まるものと考えられた。そして,本症発生の地域性を説明する上で,この要因は欠かすことができないことが明らかになった。
  • 増子 孝義, 藁谷 信一, 佐谷野 利幸, 淡谷 恭蔵
    原稿種別: 本文
    1980 年 26 巻 1 号 p. 74-80
    発行日: 1980/04/30
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    硝酸態窒素含量が比較的多い材料草を用いて埋蔵し,低品質サイレージが調製された場合に硝酸態窒素が多く消失することを認めたので,その機序を明らかにする目的で,サイレージ埋蔵過程における硝酸態窒素の消失および発酵生産物の経時的変化を調べ,その相互関係について検討した。1.硝酸含量ならびに糖添加量を変えて調製したサイレージの埋蔵過程において,いずれの試験区においても,埋蔵後3日目までは一様に硝酸態窒素の消失がみられ,それ以後,消失が抑制される傾向と,7日目から15日目にかけて,さらに高い消失を示す傾向とが認められた。2.埋蔵初期に消失がみられ,その後消失が抑制されたものは,乳酸が十分に生成され,pHは低く推移し,アンモニアの生成が少ない典型的な良質サイレージであった。3.硝酸態窒素の高い消失がみられたものは,埋蔵後7〜9日目まで乳酸の生成は増大したが,それ以後は減少した。アンモニアは3日目から急速に生成され.それと同時にpHは上昇し,酪酸の生成も多くなった。
  • 小林 民憲, 高口 淳, 西村 修一
    原稿種別: 本文
    1980 年 26 巻 1 号 p. 81-88
    発行日: 1980/04/30
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    1.節間伸長期,出穂期の2生育段階で刈取った1番草ローズグラス,グリーンパニックを材料とし,グルコース5%添加,ギ酸0.5%添加および無添加のサイレージを2lポリ広ロビンで調製し,化学分析によって品質を調査し,さらに消化率,嗜好性との関係も検討した。2.無添加サイレージの品質は,節間伸長期材料ではグリーンパニック,出穂期ではローズグラスが優れていたが,出穂期サイレージは,一般に低品質であった。3.ギ酸添加サイレージの品質は,節間伸長期材料が出穂期材料よりも優れたが,ギ酸添加効果は低かった。一方,グルコース添加サイレージでは,両生育段階とも最高の品質を示した。4.簡易人口ルーメン法による乾物消化率とフリーク評点との間に,低いながら正の有意な相関が得られた。山羊による嗜好性は,グルコース添加サイレージで最も高く,全般的にフリーク評点の高いサイレージで嗜好が良かった。
  • 石栗 敏機
    原稿種別: 本文
    1980 年 26 巻 1 号 p. 89-93
    発行日: 1980/04/30
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    オーチャードグラスを採食させためん羊の糞中化学成分の含有率と消化率および牧草中成分の含有率との関連を調べた。牧草と糞中の含有率を比較すると,調査した63点中,例外なく糞中の含有率が高かったのは粗灰分で,低かったのは炭水化物と有機物であった。粗蛋白質,粗脂肪,炭水化物,有機物,細胞壁物質(CW)および細胞内容物のそれぞれの糞中と牧草中の含有率との間には有意な正の相関係数が得られた。糞中の含有率とその成分の消化率との間には,粗蛋白質で正,炭水化物,有機物およびCWで負の有意な相関係数が得られた。糞中の粗蛋白質含有率と乾物消化率との間には有意な正の相関係数が得られた。飽食時の糞中の粗蛋白質含有率(x)と不消化CW含有率(y)との間にはr=-0.90(P<0.01),y=47.5-2.1xの相関係数と回帰式を得た。牧草中および糞中の粗蛋白質のペプシンによる分解率は平均63および18%で糞中の粗蛋白質はペプシンによる分解を受けにくいことがわかった。
  • 藤原 勉, 大島 光昭
    原稿種別: 本文
    1980 年 26 巻 1 号 p. 94-101
    発行日: 1980/04/30
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    ラジノクローバから緑葉蛋白を抽出した後の繊維残渣を用いてサイレージを調製し,その栄養的価値について検討するため,去勢ヒツジを用いて消化試験を実施し,次の様な結果を得た。なお,対照として二番刈オーチャードグラス乾草を用いた実験を行った。1.サイレージの有機物・粗蛋白質および可溶性無窒素物の消化率は乾草のそれらの消化率よりも若干高く,粗脂肪および粗繊維の消化率はサイレージ給与の場合と乾草給与の場合でほとんど差はなかった。2.サイレージ給与の場合尿中への窒素排泄量はかなり多くなったが,窒素の体内蓄積量は乾草給与の場合とほとんど同様であった。3.血中尿素態窒素濃度はサイレージ給与の場合に乾草給与の場合に比して有意に増加した。この事から,サイレージ給与時には第1胃内で生産されたアンモニァがかなりの量直接第1胃壁から吸収されることが推察された。4.サイレージ給与の場合の血中遊離の総必須アミノ酸濃度は乾草給与の場合と同様であったが,非必須アミノ酸濃度はサイレージ給与の場合に著しく高くなった。その結果,血漿中総アミノ酸濃度はサイレージ給与の場合に乾草給与の場合より高くなった。以上の結果から,ラジノクローバの緑葉蛋白を抽出した後の繊維残渣を用いた高水分サイレージは粗飼料として十分利用され得ることがわかった。
  • 原稿種別: 付録等
    1980 年 26 巻 1 号 p. 102-105
    発行日: 1980/04/30
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 付録等
    1980 年 26 巻 1 号 p. 107-
    発行日: 1980/04/30
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 付録等
    1980 年 26 巻 1 号 p. 107-
    発行日: 1980/04/30
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 付録等
    1980 年 26 巻 1 号 p. App2-
    発行日: 1980/04/30
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 付録等
    1980 年 26 巻 1 号 p. App3-
    発行日: 1980/04/30
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 表紙
    1980 年 26 巻 1 号 p. Cover3-
    発行日: 1980/04/30
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 表紙
    1980 年 26 巻 1 号 p. Cover4-
    発行日: 1980/04/30
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
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