日本草地学会誌
Online ISSN : 2188-6555
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ISSN-L : 0447-5933
27 巻, 2 号
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  • 原稿種別: 表紙
    1981 年27 巻2 号 p. Cover5-
    発行日: 1981/07/30
    公開日: 2017/07/07
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  • 原稿種別: 表紙
    1981 年27 巻2 号 p. Cover6-
    発行日: 1981/07/30
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 付録等
    1981 年27 巻2 号 p. App5-
    発行日: 1981/07/30
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 付録等
    1981 年27 巻2 号 p. App6-
    発行日: 1981/07/30
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 池谷 文夫, 佐藤 信之助, 川端 習太郎
    原稿種別: 本文
    1981 年27 巻2 号 p. 139-146
    発行日: 1981/07/30
    公開日: 2017/07/07
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    オーチャードグラスの出穂の機作とその制御方法を明らかにするため,本報では幼植物の栽培条件と苗令が春化感応力に及ぼす影響を検討した。「アオナミ」および「Latar」の7週令の幼植物に対する春化処理効果は,疎植および多肥条件で養成した場合に高く,春化感応力はこれらの条件下で増大すると考えられた。一方,「アオナミ」および「那系EV1号」では,昼間25℃,夜間15℃・連続照明下で養成した5週令の幼植物が春化感応力を獲得していることが明らかになった。但し,幼植物の春化感応力は週令だけでなく生育量の多少によっても影響されると推察された。また,6品種・系統の3〜7週令の幼植物に6週間の春化処理を行った結果,いずれの品種・系統でも春化処理効果は週令とともに高くなったが,6週令と7週令での春化処理効果の差異は比較的小さかった。このことから昼間25℃,夜間15℃・連続照明下で養成した6週令の幼植物は,品種・系統の如何にかかわらず幼若期を経過し,安定した春化感応力を獲得していると考えられた。
  • 池谷 文夫, 佐藤 信之助, 川端 習太郎
    原稿種別: 本文
    1981 年27 巻2 号 p. 147-151
    発行日: 1981/07/30
    公開日: 2017/07/07
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    オーチャードグラスの出穂の機作とその制御方法を明らかにするため,本報では幼若期の完了後のageと春化感応力の関係を調べた。まず,「アオナミ」の7週令の幼植物,および経年株から株分けした分げつに秋期の低温,短日下でそれぞれ2〜5週間の春化処理を行った結果,春化は幼植物より経年株で短期間に起こることが明らかになった。一方,連続照明下で温度条件を変えて6週間の春化処理を行った結果,「アオナミ」,「Aberystwyth S143」および「那系EV1号」の幼植物では,温度条件の如何にかかわらず花芽分化はほとんど認められなかった。しかし,「アオナミ」,「Aberystwyth S143」および「EV-700」の経年株では,低温区(平均気温9.8℃)で50〜75%の個体が花芽分化し,17〜58%の個体が出穂した。以上の結果から,オーチャードグラスの春化感応力は幼若期完了後にもageの経過に伴って増大すると推察された。すなわち,経年株では,幼若期の完了直後の幼植物と比較して,速やかに春化が起こるとともに,春化における短日要求度が低下するため,連続照明下でも低温によって春化が誘起されると考えられた。
  • 阿部 二朗, 松本 直幸
    原稿種別: 本文
    1981 年27 巻2 号 p. 152-158
    発行日: 1981/07/30
    公開日: 2017/07/07
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    雪腐小粒菌核病(Typhula ishikariensis,T. incarnata)に対するオーチャードグラスの抵抗性検定法を確立すると共に,品種間変異を明らかにし,越冬性との関連を考察した。幼苗検定法:10週間温室で育てた幼苗をハードニング(3℃・8時間日長・14日間)した後に,雪腐病菌のinoculumを0.05-0.1g/cm^2の密度で人工接種した。接種した植物をT. ishikariensisについては65日間,T. incarnataに対しては80日間戸外の雪中に埋めた。雪中から堀出された植物は地上部を刈取った後に,1ヵ月間温室で再生育させた後に生存率を調査した。雪腐病抵抗性と越冬性:厳寒でかつ積雪量に富む地帯の品種であるLeikund,Tammisto,Kayは,抵抗性と越冬性共に優れていた。しかし,T. incarnata抵抗性においては南欧産品種の中には抵抗性が優れた品種(Dora,Montpellier)もあり,越冬性やT. ishikariensis抵抗性との間の相関を低下せしめた。しかし,全体としてはTyphula属による雪腐病に対する抵抗性は,越冬性との間には高い相関が示され,札幌におけるオーチャードグラスの越冬に雪腐病が最も大きな影響を及ぼしていると見られる。
  • 湯本 節三, 島本 義也, 津田 周彌
    原稿種別: 本文
    1981 年27 巻2 号 p. 159-166
    発行日: 1981/07/30
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    チモシーの幾つかの形質に関する個体内分げつ間のばらつきの系統間変異を明らかにし,ばらつきと茎葉収量との関連を検討するため,自生集団13系統と育成品種3系統を供試して,4年間調査を行った。播種当年,出穂日の分げつ間のばらつきを検討した結果,自生集団間に大きな変異が認められた。2,3年目の両年,7月始めに1番草を,9月中旬に2番草を刈取って,出穂分げつ数と生草収量を調査した。生草収量と1番草刈取り後に出穂する分げつの相対量(出穂割合)は互いに密接に関連しており,この2形質に関して,自生集団と育成品種とでは明らかに異なっていた。さらに,自生集団間にも変異があった。播種当年の出穂日のばらつきは,出穂割合と正の相関々係にあり,生草収量とは負の相関々係にあった。4年目に,出穂割合の大きい2系統と小さい2系統について,2,3年目と同様の調査を行うとともに,6形態形質の分げつ間のばらつきを調査した。その結果,出穂割合の大きい系統は小さい系統よりも,栄養器官の形態形質のばらつきが大きく,生草収量が低かった。これらの結果より,出穂割合は分げつ伸長量の個体内分げつ間のばらつき程度を反映し,出穂割合の増加は,茎葉収量の低下をもたらすことが示唆された。自生集団に比較して,育成品種はより斉一に出穂し,出穂割合が小さかった。また,栄養器官の形態形質のばらつきも小さかった。
  • 窪田 文武, 植田 精一
    原稿種別: 本文
    1981 年27 巻2 号 p. 167-173
    発行日: 1981/07/30
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    北海道における気象条件,トウモロコシの気象生産力を世界の主要生産地帯のそれらと比較し,トウモロコシ生産地帯としての北海道の位置づけ,評価をおこなった。(1)北海道におけるトウモロコシの気象生産力は,コーンベルトの気象生産力よりもかなり低く,例えば,札幌の気象生産力はMoline(コーンベルトの中心点)の約1/2であった。(2)北海道におけるトウモロコシの気象生産力(札幌の気象生産力を100とした場合の指数)には,大きな地域間差(110〜30)があった。特に,東部,北部で低い値が示された。(3)札幌とMolineの気象条件を比較すると,札幌の気温は低く,夏期にようやくトウモロコシの生育適温に達する状態にあった。これに対して,Molineでは,生育適温期が長く,3ヵ月に及んだ。Molineの日射量は,LAIが高まる生育中期に最大値が得られるのに対し,札幌では,LAIが低い春期の日射量が高く,LAIが高まる生育中期には,日射量は低下する傾向にあった。また,降水量は,Molineでは,春,発芽,初期生育期に多く,秋,収穫期に少なくなる季節変化を示すのに対し,札幌では,春に少なく,秋に多くなる型を示した。このように,札幌の気象条件の季節変化と,トウモロコシの生育パターンとは物質生産的に有利な組み合せではないことが示された。
  • 植田 精一, 窪田 文武
    原稿種別: 本文
    1981 年27 巻2 号 p. 174-181
    発行日: 1981/07/30
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    寒冷地に栽培される飼料用トウモロコシは,しばしば低日射,低温条件に遭遇し生産が不安定化する。本研究では物質生産に強く影響をおよぼす要因の一つである日射条件と生育の関係を検討した。全生育期間にわたる遮光処理は地上部重を低下させ,とくに雌穂重の低下が著しいことが認められた。また,この傾向は遮光強度が強いほど大であり,さらに遮光を受ける生育段階,すなわち生育初期(雄穂抽出前),生育中期(絹糸抽出1週間前より約1ヵ月間),生育後期(登熟期)によって異なった。強遮光処理(自然光に対し60%)では,生育段階別の影響は生育中期における乾物重低下が最も顕著であり,地上部重は無遮光区100%に対し69〜80%に低下し,雌穂重は57〜60%に激減した。この減収の程度は全生育期間を強遮光した場合に相当する強い影響であった。ついで低下の著しかったのは生育後期の遮光処理であった。しかし生育初期遮光の影響は殆んど認められなかった。一方,弱遮光処理(75%)でも生育段階別の影響は強遮光処理と同様の傾向を示したが,その低下は軽度であった。また,生育初期遮光区の地上部重および雌穂重は無遮光区よりもむしろ高く,栄養生長期の植物は低日射に対して形態的,生態的に適応が可能であり生育後半に回復の余地が残されていると考えられた。以上のような遮光処理と生育との関係については品種間差異があると推察された。
  • 窪田 文武, 植田 精一
    原稿種別: 本文
    1981 年27 巻2 号 p. 182-189
    発行日: 1981/07/30
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    トウモロコシ2品種,Caldera 535(早生)およびPioneer 3715(晩生),を異なる密度条件(2,850個体/10aから19.950個体/10aまでの13段階)下で栽培し,収量および収量構成形質と密度との関係について検討した。(1)1個体あたりの地上部重量は,両品種とも高密度化にともない指数曲線的な傾向で減少し,15,000個体/10a以上の高密度条件下では,ほぼ一定値となった。1個体あたりの雌穂重量の減少傾向は,地上部の場合よりも顕著であった。(2)一定面積あたりの地上部重量は,高密度化にともない増加傾向を示した。一定面積あたりの雌穂重量も高密度化にともない若干増加する傾向を示した。雌穂比(雌穂重/全地上部重)は,高密度化にともない減少した。(3)葉面積指数は,高密度化にともない直線的に増加した。北海道における慣行栽培基準(6,000個体/10a)の最大葉面積指数(止葉出現後の葉面積指数)は,Caldera 535では,LAI≒3.0,Pioneer 3715では,LAI≒4.5であった。一方,群落の吸光係数(K)は,Caldera 535では,K=0.55,Pioneer 3715では,K=0.45であった。6,000個体/10aの場合では,両品種の光利用率は,それぞれ80%,87%であり,未利用の光エネルギーの割合が大きかった。(4)現在,北海道で用いられている栽植密度基準(6,000個体/10a)は,LAI,光利用率の2点からみて,低く過ぎるものと判断された。少なくとも北海道西南部では,10,000個体/10aを上限に栽植密度を高めることが収量(サイレージ用)増加に結びつくものと考えられた。
  • 窪田 文武, 植田 精一
    原稿種別: 本文
    1981 年27 巻2 号 p. 190-199
    発行日: 1981/07/30
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    1)トウモロコシ品種Pioneer 3715を個体密度,播種時期および施肥量を変えた組み合わせ条件下で栽培し,その反応を検討した。個体密度は6段階(3627〜13300個体/10a),播種期は2段階,早播(5月20日)区と遅播(6月20日)区,また,施肥量は2段階,すなわち,1個体あたり一定量施肥区および土地面積あたり一定量施肥区とした。2)地上部収量とTDN収量は,個体密度が高まるとともに増大し,特に,高密度,多肥条件下で高い値が得られた。3)葉面積指数は個体密度の上昇とともに高まり,最高密度区の全生育期間の平均葉面積指数(<LAI>^^^ whole)は,早播区では5.2,遅播区では4,3であった。また,<LAI>^^^ wholeの最適値は,5.78であると推定され,13,300個体/10以上の高密度まで生産量が増大する可能性が示された。4)成熟期(止葉出現時〜収穫期)の平均葉面積指数(<LAI>^^^ mat.)は,最高密度区で約9.0に達した。Opt.-<LAI>^^^ mat.は6.2と推定され,成熟期における最大生産速度は,8,500個体/10a前後で示されるようであった。また,雌穂生産量(早播区)も8,500個体/10a前後で最大となった。5)遅播区の地上部生産量は,早播区に比べて35%減少した。遅播区の場合,LAI mat.は早播区の場合とほぼ同等の値に達したが,成熟期間が短く生産量は低水準にとどまった。6)止葉出現時(栄養生長期の最終段階)の地上部重量と最終地上部重量とは,個体密度の上昇にともない,ほぼ平行して増大した。すなわち,栄養生長期における蓄積量の大小が最終収量を決定する重要な要因であり,収量を増大させるには,栄養生長期の生産量を増大させることが重要であると考えられた。
  • 前田 敏, 米谷 正
    原稿種別: 本文
    1981 年27 巻2 号 p. 200-207
    発行日: 1981/07/30
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    5ヵ年次にわたる全地上部乾物増加,葉身乾物増加,葉面積増加のロジスチック式のパラメーターを,季節毎に平均し,各季節の平均的な回帰式を得た。これらの回帰曲線式をもとにして,イタリアンライグラス個体群形成にともなう全地上部乾物増加,葉身乾物増加,葉面積増加の相対関係の推移並びにそれらの季節変化について検討し,次の結果を得た。(1)全地上部乾物増加と葉身乾物増加との関係には,次の2次式がよく適合した。L_w=μW-νW^2但し,L_w,葉身乾物重,W;全地上部乾物重,μとνとは相対生長係数。(2)各季節の平均的な全地上部乾物増加と葉身乾物増加との相対生長係数は,次の近似式で示すことができた。秋L_w=0.9W-0.000519W^2 50<W<450g・m^<-2>冬L_w=0.53W-0.000055W^2 100<W<600g・m^<-2>春L_w=0.6W-0.000385W^2 120<W<600g・m^<-2>(3)各季節の平均的な葉面積比(LAR)の推移は,次の近似式で示すことができた。秋[numerical formula] 50<W<450g・m^<-2>冬L_a/W=23572/W+W/3.48 100<W<600g・m^<-2>春L_a/W=9728/W^<0.578> 120<W<600g・m^<-2>但し,葉面積(4)各季節の平均的な比葉面積(SLA)の推移は,次の近似式で示すことができた。秋L_a/L_w=500-0.238W 50<W<450g・m^<-2>冬L_a/L_w=48142/W+W/1.75 100<W<600g・m^<-2>春L_a/L_w=126.34/W^<0.04>-1.092 120<W<600g・m^<-2>(5)春には葉身への物質分配は少ないが,比葉面積がきわめて大きいので,急速な葉面展開が可能である。個体群形成とともに急激な比葉面積の低下がおこるが,これは高いNARの持続につながると思われる。このような春の比葉面積の推移は,Spring flushの一端を示している。(6)春に比葉面積が特に大きくなるのは,気温,日射の直接的な影響よりも,むしろ発育段階-生殖生長への移行に関わる現象と考えられる。
  • 河野 憲治, 尾形 昭逸, 安藤 忠男, 赤木 英二
    原稿種別: 本文
    1981 年27 巻2 号 p. 208-215
    発行日: 1981/07/30
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    イタリアンライグラス(Ir)草地にスイートソルゴー(So),シコクビエ(Am),ローズグラス(Ro),グリーンパニック(Gp)を不耕起追播する場合,石灰窒素多施与により各草種の定着と刈取収量が向上するか否かを検討し,さらに石灰窒素による残存生育抑制効果を上げるための条件や石灰窒素多施与による発芽障害を軽減させるための条件を検討した。(1)石灰窒素と硫安を各々10アール当りN;12,24kg施与した草地にSo,Am,Ro,Gpを不耕起追播した圃場試験と,Ir刈取後,石灰窒素,硫安を各々ポット当りN;0,0.2,0.4,0.6g施与した後,So,Am,Ro,Gpを不耕起追播した土耕ポット試験の結果,各草種共に石灰窒素多施与区の発芽定着率,生育初期のN吸収量および3回刈までの刈取収量は硫安区に比較して著しく高い値を示した。(2)石灰窒素の散布部位を変えた土耕ポット試験と石灰窒素濃度を変えた水耕ポット試験の結果,Irの残存生育量はIr刈取後土壌表面のみに散布した区で最も低い値を示し,また水耕培地に石灰窒素を与えた場合,低N濃度下においても新根は全く認められなかった。また,Ir残存生育量は培地石灰窒素濃度の増加に伴って滅少した。(3)地温と土壌水分を3段階に変え,石灰窒素施与後0,3,7日目にAmを播種した結果,Amの発芽率,根長,草丈は施与後3日目以降で,また高地温(28℃以上),中(18%),高(25%)土壌水分区で高い値を示した。以上の結果から,暖地型牧草の定着と刈取収量は石灰窒素多施与により向上すること。石灰窒素によるIrの残存生育抑制は,地下部に作用させた場合に,より効果的であること。さらに,石灰窒素多施与による発芽障害は28℃以上の高地温で18%以上と土壌水分の高い場合に軽減されることなどが明らかとなった。
  • 宮城 悦生
    原稿種別: 本文
    1981 年27 巻2 号 p. 216-226
    発行日: 1981/07/30
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    窒素施用がネピアグラスの生産に及ぼす影響を検討するため,沖縄の代表的土壌であるジャーガル地帯で10a当り年間窒素施用量を0kg (N-0),30kg (N-30),60kg (N-60)および90kg (N-90)の試験区を設定し,1976年と1977年の2ヵ年間試験を実施した。生草収量は1976年および1977年とも年間10a当り窒素施用量60kg以上で30t/10a以上が得られた。同様に乾物収量についても4.5t/10a以上の収量が得られた。茎数には窒素施用の影響はほとんどみられなかったが,一茎重には窒素施用の影響が認められた。草丈,一茎当り葉数および一葉当り葉面積にも窒素施用の影響が認められ,N-60,N-90とN-30およびN-0との間に有意差が認められ,草丈はN-60とN-90で高温時に200cm以上に達し,一茎当り葉数はN-60とN-90で高温時に9葉以上の数値を示した。また,一葉当り葉面積もN-60とN-90で高温時に250cm^2以上の面積を示したが,葉重比はN-0が高く窒素施用量の増加にともなって減少する傾向を示した。LAIとCGRにも窒素施用の影響が認められ,N-60,N-90とN-30およびN-0との間に有意差が認められ,LAIはN-60とN-90で刈取時にほとんどの場合9以上に達した。CGRもN-60とN-90のmax CGRが収量の多い9月頃まではほぼ200g・m^<-2>・week^<-1>以上の高い値を示した。NARは15〜50g・m^<-2>・week^<-1>の一般的な範囲にあったが,無窒素区と窒素施用区間に有意差が認められた。以上の結果から,ネピアグラスの生産に対する窒素施用量は60kg/10a/年が適当と考えられる。なお,窒素施用の効果は一茎当り葉数と一葉当り葉面積を増加させ,LAIの増加速度をはやめることにより,CGRの増加を促進し,その結果,乾物収量の増加に効果をもたらすものと考えられる。
  • 増子 孝義, 大谷 忠, 石間戸 芳朗, 川崎 宣子, 淡谷 恭蔵
    原稿種別: 本文
    1981 年27 巻2 号 p. 227-232
    発行日: 1981/07/30
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    高硝酸含量のイタリアンライグラスを材料とし,これを予乾によって3段階に水分調節(高水分,中水分,低水分)してサイレージを調製し,水分含量の違いがサイレージの品質ならびに硝酸態窒素の消失におよぼす影響を調べた。1.高水分および中水分サイレージは,埋蔵後,硝酸態窒素の消失が速く,消失量も極めて多かった。低水分サイレージは埋蔵期間を通して,硝酸態窒素の消失は少なかった。これらのサイレージはいずれもpHは高くなったが,酪酸は高水分サイレージにのみ認められ,その生成量は多かった。2.詰込み量ならびに切断長が硝酸態窒素の消失および品質におよぼす影響を調べた結果,詰込み量の違いにより高水分区の品質に差異はみられたが,いずれも低品質となった。しかし中水分,低水分区では違いがみられず中程度の品質であった。硝酸態窒素の消失についても,高水分区に差異がみられたが,いずれも高い消失率であった。切断長を変えてもサイレージの品質および硝酸態窒素の消失にはほとんど違いが認められなかった。3.埋蔵50日目におけるサイレージの品質と硝酸態窒素の消失率との関係をみると,高水分サイレージは低品質であったが,消失率は高く80.1〜100%であった。予乾により水分含量を少なくすると(中水分,低水分)品質はやや向上した。しかし,消失率は予乾の程度により異なり,中水分の場合91.5〜98.0%となったが,低水分では4.2〜30.0%の範囲であった。
  • 萬田 富治, 村井 勝, 小林 剛, 板橋 久雄
    原稿種別: 本文
    1981 年27 巻2 号 p. 233-239
    発行日: 1981/07/30
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    トウモロコシサイレージの給与時に変敗防止剤として75%濃度のプロピオン酸アンモニウム(AP)を1.0%(w/w)添加して泌乳牛に25日間給与し,第1胃内容液と血液性状,乳量および乳組成に及ぼす影響を調べた。トウモロコシサイレージ給与日量が20kgの飼養条件下ではAPの添加によって第1胃内酢酸のモル比が減少し,逆にプロピオン酸とバレリアン酸が増加した。また,アンモニア態窒素濃度も高まり,原生動物数はやや低下したが有意ではなかった。血漿中のコレステロール,全蛋白質,尿素態窒素ならびにグルコースの各濃度には差がなく,乳量や牛乳中の脂肪率,蛋白質率,乳糖率ならびに乳脂肪の脂肪酸組成にも影響を与えなかった。また,添加区の牛乳中にプロピオン酸は検出されなかった。これらの結果から,トウモロコシサイレージの変敗を防止しうるとされているAPの有効添加量,1.0%の範囲内の添加では,泌乳牛の生理,乳量および乳組成にほとんど影響を与えないと結論された。
  • 小川 恭男, 三田村 強
    原稿種別: 本文
    1981 年27 巻2 号 p. 240-244
    発行日: 1981/07/30
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    オーチャードグラス草地を4年間にわたって休牧し,永年草地土壌の生物相,無機環境ならびに根群の形態・機能等に及ぼす休牧の影響について検討した。試験区は休牧開始時に石灰を施用して休牧した区(石灰休牧区),無施用で休牧した区(無施用休牧区),従来どおり輪換放牧利用した区を対照区とした。本報では,オーチャードグラスの根重ならびに根の生理的機能の一指標として呼吸速度を調査し,次の結果を得た。(1)対照区のオーチャードグラスの根重は,4ヵ年を通じ150〜250DMg/m^2であった。両休牧区では,250〜300DMg/m^2に増加した。(2)対照区におけるオーチャードグラス根群は,約70%が0-5cm土層に集中し,土壌深度の増加に伴って急激に減少する垂直分布様式を示した。しかし,両休牧区では5-15cm土層中の根群が増加して,土壌深度の増加に伴って緩慢に減少する垂直分布様式に変化し,特に石灰休牧区でその傾向が顕著であった。(3)対照区のオーチャードグラス根群の呼吸速度は,200〜300CO_2mg/m^2・hrで推移し,経年変化は小さかった。両休牧区では,休牧3年目まで根重の増加に伴って呼吸速度も増大したが,休牧4年目には,根重の増加にもかかわらず減少した。以上の結果から,オーチャードグラス草地の生産力の回復ならびに群落の安定性に及ぼす休牧の影響について考察した。
  • 阿部 二朗, 望月 昇
    原稿種別: 本文
    1981 年27 巻2 号 p. 245-247
    発行日: 1981/07/30
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    The possibility of introducing grain maize into Okinawa region as winter crop was investigated at Ishigaki Island in the sub-tropics. Three maize varieties, Wasehomare (very early), Takanewase (early) and Hyugacorn (late), were sown every month from November, 1979 to February, 1980. As a result, the average growing days and heat-unit accumulations were 97 days and 1, 900℃ in Wasehomare, 107 days and 2, 100℃ in Takanewase, and 121 days and 2, 440℃ in Hyugacorn, which showed varietal differences in both characters. However, the most accurate differences related with the earliness were observed in the heat-unit accumulation between germination and silking stage. All plants of every plot produced at least one normal ear, which suggests that grain maize production and setting breeding nursery in winter at this region is likely to be possible.
  • 太田 顕, 越智 茂登一
    原稿種別: 本文
    1981 年27 巻2 号 p. 248-249
    発行日: 1981/07/30
    公開日: 2017/07/07
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  • 原稿種別: 付録等
    1981 年27 巻2 号 p. 250-
    発行日: 1981/07/30
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 文献目録等
    1981 年27 巻2 号 p. 251-
    発行日: 1981/07/30
    公開日: 2017/07/07
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  • 原稿種別: 文献目録等
    1981 年27 巻2 号 p. 251-
    発行日: 1981/07/30
    公開日: 2017/07/07
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  • 原稿種別: 付録等
    1981 年27 巻2 号 p. App7-
    発行日: 1981/07/30
    公開日: 2017/07/07
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  • 原稿種別: 表紙
    1981 年27 巻2 号 p. Cover7-
    発行日: 1981/07/30
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 表紙
    1981 年27 巻2 号 p. Cover8-
    発行日: 1981/07/30
    公開日: 2017/07/07
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