日本草地学会誌
Online ISSN : 2188-6555
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ISSN-L : 0447-5933
27 巻, 4 号
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  • 原稿種別: 表紙
    1982 年 27 巻 4 号 p. Cover11-
    発行日: 1982/02/28
    公開日: 2017/07/07
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  • 原稿種別: 表紙
    1982 年 27 巻 4 号 p. Cover12-
    発行日: 1982/02/28
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 付録等
    1982 年 27 巻 4 号 p. App10-
    発行日: 1982/02/28
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 付録等
    1982 年 27 巻 4 号 p. App11-
    発行日: 1982/02/28
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 岡田 忠篤
    原稿種別: 本文
    1982 年 27 巻 4 号 p. 341-346
    発行日: 1982/02/28
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    採種日,重量,処理法を異にするグリーンパニック種子を用い,採種後の時間経過に伴って出芽状況がどのように変化するかを,土壌水分と関連させて調査した。出芽率は一般に採種後7か月では低く,採種後1年余には土壌水分70%(pF2.5),同55%(pF3.7)の場合に高まった。土壌水分40%(pF4.2程度)では全般的に出芽率が低かったが,同じ種子でも採種後年数が経つと出芽率が向上した。採種後数年にわたり,播種直後の土壌乾燥(pF4.3程度)は出芽率を低下させ,その度合は採種後1年余までの種子で大であった。土壌低水分の悪影響は20℃よりも25℃で強く現れた。種子処理法としては,35℃貯蔵が出芽率,出芽の早さの改善に著しい効果を示し,特に土壌水分が低い場合にその効果は顕著であった。96時間流水浸漬は土壌水分が高い場合に出芽率を若干高め,出芽を早くした。重い種子の出芽率は一般に軽い種子より大であった。9月中旬採種種子の出芽率は,8月下旬採種種子に優ることが多かった。
  • 岡田 忠篤
    原稿種別: 本文
    1982 年 27 巻 4 号 p. 347-351
    発行日: 1982/02/28
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    採種日,重量,処理法を異にするグリーンパニック種子を供試し,採種後の時間経過に伴って発芽状況がどのように変化するかを,純水及びKCl0.03M溶液,同0.06M溶液を用い塩類濃度障害と関連させて調査した。一般に採種後8か月では発芽率が低くかつKCl溶液での発芽率低下度も大きかった。発芽率はその後採種から1年余までの間に上昇し,それ以降の1年半は,溶液濃度及び種子の採種日,重量,処理法ごとにみて,ほぼ同水準の発芽率を保った。種子処理法としては35℃貯蔵が発芽率を向上させ発芽を早める上で著しい効果を現し,特に採種後8か月でも高い発芽率に達したこと並びにKCl0.06M溶液での発芽率低下度が小さかったことが注目された。96時間流水浸漬処理種子は,純水の場合に採種後2年以降において,無処理種子より発芽率が若干高かった。3時間流水浸漬処理は採種後8か月における発芽率を高めたが,それ以降には正の効果は認められなかった。一般に重い種子(容積重340mg/cc程度)の発芽率は軽い種子(容積重270mg/cc程度)より高い値を示し,特に35℃貯蔵種子はいずれの溶液濃度においても両者の発芽率には有意差があった。9月中旬採種種子の発芽には8月下旬採種の流水浸漬処理種子と似たところがあった。
  • 菅原 和夫, 伊沢 健
    原稿種別: 本文
    1982 年 27 巻 4 号 p. 352-356
    発行日: 1982/02/28
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    オーチャードグラスを対照(N;0.8,P_2O_5;1.5,K_2O;0.7kg/a),3N,3P,3K,-N,-P,-Kの施肥条件で栽培し,秋季の貯蔵炭水化物の集積型と重合度からみた組成の変化を調べた。越冬直前の11月26日には,すべての処理区の牧草で非構造性炭化化物(NSC)含有率は40%以上に高まり,重合度の高いフラクトサンの比率が高くなるが,それ以前のものでは,処理による明確な差が認められた。-N区は,9月中旬からNSC含有率が高く,しかも高重合度のフラクトサンを蓄積した。3K区は,-N区にくらべNSCの含有率は低かったが,その組成は,-N区と同様に,早期から高重合度のものの比率が高かった。これに対し,3N区,-K区は,遅くまで低重合度のものの比率が高く,フラクトサンの重合に対する加里の関与が示唆された。また3N区の10月以降のNSC含有率は処理間中最も低かった。-P区,3P区は,対照区にくらべ,NSC含有率も高く,早期から高重合度フラクトサンの蓄積がみられた。気温・日長等の条件が同じでも栄養状態により,フラクトサンの重合度に相違が生じ,貯蔵炭水化物組成が異なることが明らかとなった。
  • 舘野 宏司, 飯田 克実
    原稿種別: 本文
    1982 年 27 巻 4 号 p. 357-363
    発行日: 1982/02/28
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    C_3植物である寒地型イネ科牧草,マメ科牧草およびC_4植物である暖地型牧草,野草(カゼクサ,チカラシバ),雑草(メヒシバ,イヌビエ)を用いて,葉身の窒素と個葉光合成速度の関係を検討した。1)単位窒素量(Nmg/dm^2 leaf area)当りの個葉光合成速度は,C_4草種はC_3イネ科牧草の1.5〜2倍,マメ科牧草の約2.5倍であり,C_3イネ科牧草はマメ科牧草の約1.3倍の値を示した。また単位窒素量当りの個葉光合成速度と葉身窒素濃度との間には適値が存在し,葉身窒素濃度の適値は,C_3イネ科牧草では2〜3%の範囲,マメ科牧草では約5%であり,C_4草種では,耕地雑草は約4.5%,野草は約1.7%,暖地型牧草は2.5〜3.5%の範囲であった。2)葉身窒素濃度と個葉光合成速度との間には,各草種とも直線式または2次曲線式が適合し,葉身窒素濃度が低い領域では,その関係は直線的であり,高濃度では,多くの草種で光合成速度は頭打ちないし低下した。個葉光合成速度が最大値を示した時の窒素濃度は草種によって異なり,C_3イネ科牧草では4〜6%,マメ科牧草では約6%,C_4草種では4〜5.5%であった。3)光・光合成曲線の勾配は葉身窒素濃度が同程度の場合にはC_4草種がC_3草種に優れた。光・光合成曲線は葉身の窒素濃度によって著しく異なり,各草種とも窒素濃度の高い葉身の光・光合成曲線は,低濃度のそれに比べ,弱光下では大差なく,中〜強光域では明らかに急勾配を示した。また葉身窒素濃度が約2%以下では,いずれの草種も強光にほとんど反応しなかった。
  • 北村 征生, 福山 喜一
    原稿種別: 本文
    1982 年 27 巻 4 号 p. 364-371
    発行日: 1982/02/28
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    Macroptilium atropurpureum cv. Siratroの再生と窒素固定能力におよぼす刈取方法の影響を検討するために砂耕によるポット試験を行なった。処理は,無刈取りと地際刈りの2区のほかに,刈取高さが7.5および15.0cmの2種の処理に,刈株の全葉切除および無切除の2種の処理を組み合わせた4区を加えた。合計6区で,4反復である。調査は経時的に10回行ない,植物の地上・地下部乾物重,根粒の数と乾物重,アセチレン還元能力,および地上・地下根粒のTNC含有率を分析した。地上部の乾物重は刈株の残存葉面積,地下部および根粒の乾物重は刈取高さの影響を多く受け,この草の再生には刈株に残る葉面積ばかりでなく刈取高さの影響も現われた。窒素固定能力におよぼす刈取りの影響は,処理の種類により異なった。すなわち,高刈りで葉身を切除しない場合には窒素固定能力の低下は殆んど認められなかった。その他の処理では,一旦低下した後回復し,回復までに要した日数は低刈り程多く,また,葉身を切除すると一層多くなった。また,この草は根部TNC含有率が高いために,根部および根粒におよぼす刈取りの悪影響は少なく,その回復も早かった。以上の結果より,サイラトロは木本・直立型のギンネムとは異なり,刈株および葉面積がともに多く残るような刈取りを行なわなければならないと結論された。
  • 鈴木 慎二郎, 三上 昇
    原稿種別: 本文
    1982 年 27 巻 4 号 p. 372-380
    発行日: 1982/02/28
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    2番草の刈取時期(晩秋草の備蓄開始時期)とその前後における窒素施肥との組合せが,晩秋草の草量と草質に与える影響について検討した。ポット植えしたオーチャードグラスの2番草を,8月10日,8月20日,8月30日および9月9日に刈取り,それぞれの刈取10日前あるいは10日後に,12kgN/10a相当の硫安を施した。各ポットはガラス室(高温区)あるいは網室(常温区)で生育させ,10月28日に刈取調査した。1.刈取10日前の施肥では,晩秋草の草量は平均的には少なかったが,刈取時期が遅くなることによる低下がみられなかった。一方,刈取後の施肥では,刈取時期が早いものの草量は多いが,刈取時期が遅くなることによる低下が著しかった。そのため,8月30日や9月9日からの備蓄では,刈取前施肥の方が草量が多くなるのがみられた。なお,草量は高温区において多かった。2.DCPとTDNの含量,およびin vitroの乾物と細胞壁構成物質の消化率は,刈取時期の遅いものほど高かった。しかし,栄養比は刈取時期の遅いものほど狭くなった。栄養価や消化率は高温区においてわずかに低かった。2番草の刈取前に施肥された牧草では,DCP含量が低いにもかかわらず,TDN含量や消化率は高く維持されるという特異な現象がみられた。すなわち,刈取前の窒素追肥によって,栄養比の巾の広い,低蛋白・高エネルギー型の晩秋草が得られることが分かった。晩秋草の草量と草質は,備蓄開始時期そのものよりも,それとの組合せによる施肥時期の影響を強く受けており,気温が低下してからの備蓄には,2番草の利用前追肥が有効な手段となる可能性のあることが示唆された。
  • 後藤 正和, 菅原 和夫, 林 兼六
    原稿種別: 本文
    1982 年 27 巻 4 号 p. 381-386
    発行日: 1982/02/28
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    林令(20-25年生,40-45年生),ならびに間伐度合(20-25年生;普通間伐,25%強度間伐,50%強度間伐)の異なるアカマツ林地の牧草生産性について検討した。(1)林床の相対日射量の季節変動は,春季から夏季にかけて低下し,秋季に再び増加するパターンを示した。夏季(7月)の相対日射量は,20年生普通間伐区が19.5%,25%強度間伐区33.3%,40年生普通間伐区21.2%で,各処理区間の差が年間を通じて最も大きかった。また,20年生林内の相対日射量は,間伐後,年々減少する傾向がみられたが,その減少速度は間伐後1-2年目まで大きく,その後は緩慢な変化を示した。40年生普通間伐区においては,一定の傾向がみられなかった。(2)林内牧草の年平均の生産量は,20年生普通間伐区825.4kg/10a,25%強度間伐区1,192.3kg/10a,50%強度間伐区1,644.2kg/10a,40年生普通間伐区1,499.7kg/10aであった。また,林内の牧草収量は,牧草導入2年目をピークに年々減少する傾向を示した。(3)林内牧草は,対照区にくらべて出穂本数が少なく,したがってスプリングフラッシュ現象がみられず,季節平準的な生産性を示した。(4)林内牧草は,対照区にくらべて草丈,茎数密度が低く,またオーチャードグラスの構成割合が著しく低かった。春季のペレニアルライグラス・ケンタッキーブルーグラス/オーチャードグラス茎数比は,対照区0.30,20年生普通間伐区1.19,25%強度間伐区1.49,40年生普通間伐区1.31で,林内では秋季にむかうにしたがって,この割合はすべての区で高くなる傾向にあった。
  • 三田村 強, 小川 恭男, 鎌田 悦男
    原稿種別: 本文
    1982 年 27 巻 4 号 p. 387-393
    発行日: 1982/02/28
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    シバ型草地に排泄された牛糞中のシバ種子数と,その発芽特性を検討した。菅平のシバ型草地において,越年した牛糞を4月下旬に採取して,糞中種子群を調査した。糞100DM・g中に出現した種子総数は,6648粒であった。その構成はシバ6229粒,グンバイヅル232粒,シバスゲ86粒,ミツバツチグリ27粒で,その他9草種が出現した。採種による種子と糞中のシバ種子の発芽特性を比較した結果;(1)8月下旬に採種した種子と,その時期に排泄された牛糞から選別した種子は,いずれも発芽が認められなかった。(2)120日間の冷処理を行うと,糞中種子の発芽率は35%,採種した種子は13%であった。(3)現地のシバ型草地で越冬した糞中の種子は,自然の冷処理を受けて,その発芽率が33%であった。また,越冬前の糞中から選別した種子を人工的に冷処理を行っても,自然の冷処理を受けた前者の発芽率と差異がなかった。(4)現地で越冬した糞中種子は,30/10℃の変温条件で84%の高い発芽率を示した。また,20/10℃の変温条件では34%の発芽率を示した。以上の結果から,シバの開花時期,種子の散布様式,種子の形態,発芽特性など,いずれも家畜の採食と結びついた繁殖様式であることを考察した。また,シバ型草地に排泄された牛糞中には,多量のシバ種子が含まれているので,排糞を利用してシバ型草地を造成することが可能であることを考察した。
  • 三田村 強, 小川 恭男, 鎌田 悦男
    原稿種別: 本文
    1982 年 27 巻 4 号 p. 394-399
    発行日: 1982/02/28
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    昼/夜温を34/29℃,29/24℃,24/19℃,19/14℃の温度条件で,シバ幼植物の生長特性をオーチャードグラスと比較して検討した。その結果,発芽後のシバの出葉速度は,34/29℃区が最も高く,オーチャードグラスでは29/24℃区が最も高かった。出葉速度が最大であった温度区の両草種を比較すると;(1)第3葉展開期までのシバの出葉速度は,オーチャードグラスより低いが,その後,高くなった。(2)オーチャードグラスの分けつは,第4葉展開期に主茎の第1節から出現した。それに対して,シバは第6葉展開期に主茎の第2節から出現して,オーチャードグラスの分けつ開始より15日遅れた。(3)シバのC/F比はオーチャードグラスの約2.5倍であった。シバの生長を温度処理間で比較すると;(1)全乾物重,葉重,茎重,根重いずれも29/24℃区が最も高く,温度の低下に伴い減少し,ことに,根重の滅少が著しかった。(2)分けつの出現は温度の低下に伴い遅れ,分けつ数も著しく減少した。(3)34/29℃区の節間伸長は,主茎の第6節間において開始したが,温度の低下に伴い,節間伸長の開始が遅れ,匍匐茎の伸長速度も著しく低下した。以上の結果から,シバ草地を造成するためには,シバの発芽,定着に良好な環境を形成して,夏までに幼植物を発芽・定着させ,高温期に分けつ,匍匐茎を伸長させる必要がある。
  • 小川 恭男, 三田 村強
    原稿種別: 本文
    1982 年 27 巻 4 号 p. 400-406
    発行日: 1982/02/28
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    オーチャードグラス草地を5年間にわたって休牧して,永年草地土壌の生物相ならびに無機環境に及ぼす休牧の影響について検討した。試験区は休牧開始時に石灰を施用して休牧した区(石灰休牧区),無施用で休牧した区(無施用休牧区),従来どおり輪換放牧利用した区(対照区)の3処理区とした。本報では,深さ10cmまでの土壌中の菌数を調査し,放牧草地の土壌の微生物相および休牧に伴うその変化の特徴を明らかにしようとした。さらに,対象とした草地の前植生の二次林地の土壌についても同様の調査を実施して,各処理区の菌数の動態と比較し,以下の結果を得た。1.対照区の細菌数は,土壌水分の増減に対応して変動し,春から漸増して秋には極大に達する季節的変化を示した。両休牧区の細菌数は,休牧2年目には対照区と同様の変化がうかがわれたが,休牧5年目には土壌水分との間に一定の関係がみられず,季節的変化も認められなかった。2.各処理区における放線菌数と糸状菌数は,土壌水分との間に一定の関係がみられず,季節的変化も認められなかった。3.石灰休牧区の糸状菌数が休牧5年目に対照区より滅少したことを除いて,各処理区聞のそれぞれの菌数の間には明らかな差がなかった。4.二次林地土壌の各菌群の菌数は,土壌水分との間に一定の関係を示さず,このような関係は休牧5年目の両休牧区で認められた結果と類似した。以上の結果に基づき,草地造成,施肥,放牧等の人為の有無に関連した土壌の可逆的変化の様相について,土壌の微生物面から考察した。
  • 小川 恭男, 三田村 強
    原稿種別: 本文
    1982 年 27 巻 4 号 p. 407-412
    発行日: 1982/02/28
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    オーチャードグラス草地を5年間にわたって休牧し,土壌中の全炭素,全窒素および交換性石灰含量に及ぼす休牧の影響を調査した。試験区は休牧開始時に石灰を施用して休牧した区(石灰休牧区),無施用で休牧した区(無施用休牧区),および従来どおり輪換放牧利用した区(対照区)の3処理区とした。また,放牧草地のそれらの化学的特徴,および休牧に伴うその変化を明らかにするために,前植生の二次林地の土壌についても同様に調査し,以下の結果を得た。1.両休牧区における0-20cm土層の全炭素および全窒素含量は,休牧に伴って漸増し,C/N比は対照区より低下した。2.両休牧区の0-15cm土層の交換性石灰含量は,休牧に伴って増加し,特に石灰休牧区でその増加が著しかった。3.二次林地土壌の全炭素,全窒素および交換性石灰含量は,いずれも対照区より高く,C/N比は低い値を示した。二次林地土壌のこれらの化学的特徴は,休牧5年目の両休牧区で得られた結果とよく類似した。以上の結果から,草地造成,施肥および放牧等の人為作用と土壌中の有機物の動態からみた土壌の潜在地力との関連について検討し,草地生産力の維持,回復のための休牧の意義について考察した。
  • 前田 善夫, 扇 勉, 伊東 季春
    原稿種別: 本文
    1982 年 27 巻 4 号 p. 413-420
    発行日: 1982/02/28
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    草地への窒素,カリ施用量の違いが牧草およびめん羊血清中の無機成分におよぼす影響について放牧条件下で検討した。オーチャードグラス単播草地を用い,窒素:カリ施用量(kg/10a)によりI区(10:10),II区(10:60),III区(40:10),IV区(40:60)の4処理を設け,施肥は年5回の均等分施とした。供試羊は明3才去勢羊で,おおむね7日間滞牧し,4牧区輪換放牧とした。牧草中の成分含有率は平均でI,II,III,IV区各々全窒素2.68,2.61,3.67,3.42%,リン0.45,0.44,0.37,0.35%,カリ3.36,4.22,3.82,4.53%,カルシウム0.25,0.23,0.27,0.22%,マグネシウム0.19,0.18,0.22,0.19%であった。これらの成分は生育時期によっても含有率が異なり,全窒素含有率は早春に高く,カルシウム,マグネシウムは春に低く,夏から秋にかけて高くなった。リンはI,II区で夏に高く,III,IV区では低くなった。カリ含有率の季節的な変化は明らかでなかった。めん羊血清成分の濃度は放牧期間申の平均で1,II,III,IV区各々,尿素態窒素26.4,25.4,31.0,29.Omg/dl,無機リン5.40,5.89,6.43,5.60mg/dl,カリ21.9,21.9,20.9,20.9mg/dl,カルシウム10.6,10.2,10.3,10.3mg/dl,マグネシウム2.39,2.23,2.29,2.29mg/dlで尿素態窒素が窒素多用区で高くなった。各成分とも放牧直後に変化がみられ,尿素態窒素は1日目から急激に高くなり,無機リン,カリ,カルシウムは2,3日目に一時低下した。マグネシウムもわずかに低下した。窒素,カリ施用量の違いによって牧草中の成分は変化するが,めん羊血清成分では尿素態窒素が窒素多用区で高くなったほかは差がみられず,むしろ各成分とも,舎飼いから放牧へ移行する際の変化が大きかった。
  • 安宅 一夫, 楢崎 昇, 山本 秀樹, 菊地 政則, 松井 幸夫
    原稿種別: 本文
    1982 年 27 巻 4 号 p. 421-427
    発行日: 1982/02/28
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    材料の硝酸塩含量がサイレージの品質におよぼす影響を検討するため,4段階で窒素施肥されたオーチャードグラスを用い,これに硝酸カリを生草重当り0,0.15および0.30%の3段階で添加し,50kg容バックサイロに埋蔵した。硝酸カリを添加すると,例外なしにpHの低い,乳酸含量の多い,酪酸生成のない,そしてNH_3-Nの少ない良質のサイレージができた。また,高窒素施肥による硝酸塩含量の高い牧草からも良質のサイレージが得られることを確認した。サイレージ調製における発酵損失は硝酸塩の添加によって減少した。しかし,上部損失は逆に硝酸塩の添加によって増加した。酵母菌数および酪酸菌数は硝酸塩の添加によって著しく減少した。
  • 名久井 忠, 岩崎 薫, 早川 政市
    原稿種別: 本文
    1982 年 27 巻 4 号 p. 428-432
    発行日: 1982/02/28
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    ホールクロップサイレージ調製に際し,材料をハーベスターで収穫する場合の切断長の違いが乳牛の消化率に及ぼす影響を知る目的で試験を行なった。供試したトウモロコシは「ワセホマレ」,「ホクユウ」の二品種で,子実割合が45〜48%であった。サイレージの切断長を5mm,10mmに設定したが,実際の平均切断長は設定値の約2倍の長さであり,切断長の分布をみると,5mm区では7mm以上の占める割合が50%以下であったのに対し,10mm区では58〜65%の割合で明らかに多かった。サイレージの発酵品質は,5mm切断区のpHが低く乳酸の生成も促進されて,10mm切断区よりも優れていた。細断処理と消化率との関係は,5mm切断区のでんぷん消化率が6〜10%有意に高かったが,乾物,粗蛋白質,有機物の各消化率はいずれも差が認められなかった。ADF消化率は5mm切断区がやや低い傾向を示した。可消化養分含量では,TDN,DE,DCPのいずれも・切断処理による有意差は認められなかった。
  • 原稿種別: 付録等
    1982 年 27 巻 4 号 p. 433-
    発行日: 1982/02/28
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 付録等
    1982 年 27 巻 4 号 p. 434-
    発行日: 1982/02/28
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 目次
    1982 年 27 巻 4 号 p. i-iii
    発行日: 1982/02/28
    公開日: 2019/07/21
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 目次
    1982 年 27 巻 4 号 p. iv-vii
    発行日: 1982/02/28
    公開日: 2019/07/21
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 索引
    1982 年 27 巻 4 号 p. viii-x
    発行日: 1982/02/28
    公開日: 2019/07/21
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 索引
    1982 年 27 巻 4 号 p. xi-xiii
    発行日: 1982/02/28
    公開日: 2019/07/21
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 表紙
    1982 年 27 巻 4 号 p. Cover13-
    発行日: 1982/02/28
    公開日: 2019/07/21
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 表紙
    1982 年 27 巻 4 号 p. Cover14-
    発行日: 1982/02/28
    公開日: 2019/07/21
    ジャーナル オープンアクセス
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